あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は聞いたり話たりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな怪談の中でも「事故物件」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する事故物件の怪談は「寂しくないよ」です。
夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから…
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【事故物件の怪談】「寂しくないよ」

「事故物件」というものをご存知でしょうか。
事故物件とは、事件や事故が原因、自殺、孤独死などにより入居者が部屋で死亡した賃貸物件とされています。
亡くなられるまでには様々な思いが本人をめぐって交差していることと思います。
今回お話しするのは、そんな負の感情が招いた一つの物語となっています。
私は今年の春から全寮制の高校に入学することになりました。
自分が志望していた高校に入学できたということもあり、胸が高まります。
「先生はいい人かな?友達ができるかな?素敵な恋人とかもできるのかな?」
不安と期待で胸がいっぱいでした。
全寮制ということもあり、私の部屋も用意されていました。事前に荷物を運び込み、入学式前に入寮しました。
初めてのロフト付きの部屋であり、ワクワクしたのを覚えています。寝るときはロフトでと決めていました。
翌日が入学式のせいで緊張しているのか、慣れない場所で寝苦しいのか、なかなか寝付けないでいました。
眠れないまま時間が過ぎます。何度寝返りを打ったかわかりません。
深夜2時を過ぎた頃でしょうか。
変な音が聞こえて来ました。
最初は何の音か分からなかったのですが、徐々にはっきりと聞こえるようになって来ました。
それは、啜り泣くような女の子の声でした。
驚きはしましたが、不思議と怖くはありませんでした。
顔を上げると、枕元に女の子が膝を抱えうずくまっていました。
髪は肩までの長さで、綺麗な黒色をしています。うずくまっているため顔は見ることはできませんでしたが、泣いているのはわかりました。
怖くはなかったのですが、あまりの出来事に身体を動かすことはできずに時間が過ぎます。5分ほどでしょうか。
女の子は泣き疲れたのか、霧が晴れるように消えてしまいました。
私は幽霊を見てしまったという驚きからか、目が冴えてしまい結局眠ることはできずに入学式を迎えてしまいました。
それから毎晩のように女の子が現れるようになりました。
毎回決まった場所で、決まったポーズで、決まって泣いています。
私はそれを見ていることしかできませんでした。
「何がそんなに悲しいんだろう」
そう思いながら学生生活を送って来ましたが、その理由がなんとなくわかるような気がして来ました。
その原因は、きっといじめでしょう。私が今受けているように。
挨拶を誰も返してくれない。話しかけても無視をされる。物が隠されるなんて当たり前。暴力を振われることも珍しくありませんでした。
終いには、「あんたが住んでる部屋、前に女の子がロフトの梯子で首を吊ったらしいよ」なんて言われる始末です。
あの女の子が毎晩泣いている理由がわかりました。
その日も女の子はうずくまって泣いています。
辛かったよね。苦しかったよね。悔しかったのかもしれないね。
なんで私がって思ったよね。何も悪いことはしてないもんね。
わかるよ。私もそうだもん。
寂しかったよね。
もう大丈夫だよ。
私はロープを手に取った。
まとめ

精神的に不安定な学生時代は、負の感情が住んでいた場所に残りやすい
家族や馴染みの友達と離れる寮では、ストレスを溜め込んでしまうことも多い
女の子の幽霊の感情が、現在の私の状況と合わさり女の子のあとを追ってしまった
以上で、【事故物件の怪談】「寂しくないよ」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【事故物件の怪談】「厳選4選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。
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