あなたは「ケサランパサラン」を知っていますか?
幸せを運んでくる妖怪の一種として認知されていますよね。
ですが、どのような妖怪で正体は何なのかを知っている人は少ないのでは?
今回は、【怪談】「ケサランパサラン」を紹介‼︎ルーツや正体や、特徴も合わせてお話しします。
他の怪談も気になるという人は、下記の記事を参照ください。
【怪談】「座敷童子」を紹介‼︎ルーツと特徴、会う方法を合わせてお話しします
【怪談】「ケサランパサラン」
それでは、「ケサランパサラン」とは何か、からお話しします。
「ケサランパサラン」とは何か
「ケサランパサラン」はいつ頃から語られ始めた?
ケサランパサランは1970年代後半から広く語られるようになりました。
当時ケサランパサランとされていたものの多くは、花の冠毛でできたものが殆どだったようです。
また、外国でも名前は違いますが、ケサランパサランと同類のものが存在するそうで、西洋では「ゴッサマー」や「エンゼル・ヘア」と呼ばれているそうです。
「ケサランパサラン」の名前の由来
名前の由来として下記のようなものが挙げられます。
- スペイン語のケ・セラ・セラ
- 「袈裟羅・婆娑羅」(けさら・ばさら)という梵語
- 羽毛の様にパサパサしているから
- 東北地方の「何が何だかさっぱりわからん」という方言
「ケサランパサラン」の正体
ケサランパサランの正体としては下記のような三つの説があり、この全てを総称して「ケサランパサラン」と認知されています。
- 動物性
- 植物性
- 鉱物性など
動物性
東北などの寒い地域にて、小動物が捕食されることで食べ残された毛皮の皮膚が縮まり、毛を外側にして丸まったものだという説。
他には、牛や馬などの動物の胆石や結石という説もある。
植物性
アザミやオキナグサ、ブタナと言った植物の花の冠毛が集まって固まっととされる説や、ガガイモの種の綿毛であるとする説があります。
他には、綿状のカビというものもあり、白粉で増えるのはこのためだとされています。
また、琵琶の木でよく発見されるため、「琵琶の木の精」と呼ばれることも。
鉱物性など
雪虫、アオバハゴロモの幼虫という説や、オーケン石であるという説があります。
「ケサランパサラン」の特徴
- 白い毛玉の様な形をしており、空中を浮遊している
- 幸せを運ぶとされており、幸せを運ぶ都度個体が減るともされる
- 飼育方法として、穴の空いた桐の箱の中で白粉を入れると増殖する。穴が空いていないと窒息する
- ケサランパサランが逃げる、個体が全て減るなど、手元からいなくなると災いが降りかかる
- 東北地方では嵐の前などに雷と共に降ってくるという伝承がある
【怪談】「ケサランパサラン」
「ケサランパサラン」のルーツや正体、特徴をお伝えしたところで、「ケサランパサラン」の怪談についてお話ししたいと思います。
では、ケサランパサランのはじまりはじまり〜
【怪談】「ケサランパサラン」
お父さんに連れられて公園に遊びに行った時でした。
外は肌寒く、吐く息も白くなるほど気温は下がっていました。
気分転換のためだったのですが、お父さんはぶるぶると震えています。
お父さん「もう帰ろうか」
と来た事を後悔していたのでしょう。
それもそのはずです。雪が降ってきました。
パラパラと小さな雪のかたまり。
私は嬉しかったのですが、お父さんには追い討ちだった様です。
すぐに後ろを向いて歩き出しました。
私も後を追います。
雪が綺麗で手に取って遊びながら歩いていると、雪に混じってふわふわとした綿毛の様なものを掴みました。
私「お父さん、これ何?」
塞ぎ込んでいたお父さんの顔が少し元気になった様な気がします。
お父さん「それはケサランパサランだよ。お父さんも小さい時に飼ってたな。それはね、幸せを運んでくれる妖怪さ」
私「えぇー妖怪⁉︎」
お父さん「そんなに怖いものじゃないよ。大事に育てればね」
家に帰るとお父さんがケサランパサランの飼い方を教えてくれました。
桐の箱に穴を空けて、中にケサランパサランを入れます。
穴を空けるのは、妖怪といっても息ができなくなるからなんだとか。
私「餌は何をあげるの?」
お父さん「白粉が好物なんだよ。お母さんに貰おうね」
私は、新しい家族が増えたみたいでとても嬉しくなりました。
白粉をあげた次の日、ケサランパサランは2つ増えていました。
私「お父さん、増えたー‼︎」
お父さんが言うには、白粉で増えて、幸せを運んでくれた数だけ消えてしまうとのことでした。
私はこの小さな幸せを絶やすことがないよう、毎日白粉をあげます。
どんどん数も増えて、今の桐の箱じゃ収まらなくなってきた時でしょうか。
学校でクラスメートとペットの話になりました。
私は話そうか迷いましたが、この珍しい家族を紹介せずにはいられませんでした。
しかし、クラスメートの多くは信じてはくれません。
その中の1人、A太郎が言います。
A太郎「じゃあ、明日放課後の公園で待ってるよ。ちゃんと持ってこいよ」
A太郎はクラスのガキ大将のようなポジションのため、圧力に負けてしたくもない約束をしてしまいました。
少し不安がよぎりますが、私はこの家族を紹介できることを誇らしく思っていました。
放課後、桐の箱を大事に持って公園へ向かいます。
A太郎「うわ、本当に持ってきた。綿だらけじゃん。これ生きてんのかよ」
私「生きてるよ。毎日白粉を入れると少しずつ増えているんだ」
A太郎「これを持ってると幸せになれるんだって⁉︎少し貸してくれよ。また返すからさ」
私「嫌だよ。私の家族だもん」
A太郎「生意気だな。痛い目を見たいのか⁉︎」
私は怖くなって渋々ケサランパサランを渡してしまいました。
私「ちゃんと…返して…くれるよね?」
A太郎「あぁ。ちゃんと返すよ。俺が十分幸せになってからな」
翌日からA太郎は普段より横柄な態度が多くなった様な気がします。
何故なら、テストでは100点、気になっていたゲームを買ってもらったり、習い事の成績も上がるなど全てが順風満帆と言わんばかりの生活を送っているからです。
どれも自分の実力じゃないのに…
私は学校の帰りに、A太郎に家族を返してもらえる様お願いすることにしました。
校門を出ようとするA太郎を追いかけます。
私が声をかけても、A太郎は歩くのをやめません。
A太郎「あれは俺のものだ。お前のものじゃない」
私「何でよ…‼︎私の大切な家族だよ⁉︎返してよ‼︎」
A太郎「…うるさいな。返そうにも日に日に数は減っていってもう残ってねぇよ」
私「…え⁉︎」
その時
プーーーーーーーーーーーーーーーーーガシャンッ
A太郎は赤信号なのに渡ろうとしてトラックに轢かれてしまいました。
A太郎は命は取り留めましたが、一生車椅子が手放せない生活を送らなければならないそうです。
後日聞いた話ですが、A太郎はめんどくさがりな性格なため、ケサランパサランに白粉をあげることをしなかったそうです。
お父さんへこの話をしました。
お父さん「ケサランパサランは、飼っている人の手元から離れてしまったり、逃げたり、全て消えてしまうと今までの幸せが不幸として降りかかってくるんだよ」
ということでした。
ケサランパサランを大事にしなかったA太郎は当然の報いかもしれません。
横柄な態度も、治るといいですね。私は少し胸が晴れた様な気がしました。
…
…
…
飼っている人の手元から離れてしまったり…
まとめ
ケサランパサランの正体は三つの説があった
飼育方法は簡単ではあるが、一歩間違えると大変な目にあう
上手に飼育して小さな幸せをコツコツと積み上げていこう
以上で、【怪談】「ケサランパサラン」を紹介‼︎ルーツや正体、特徴も合わせてお話ししますを終わります。
他にも、【怪談】「赤い紙、青い紙」を紹介‼︎〜ルーツや特徴を添えて〜という記事もありますので、興味がある方は是非ご一読ください。
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