あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は聞いたり話たりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな怪談の中でも「タクシー」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介するタクシーの怪談は「気づいてはいけない」です。
夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから…
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【タクシーの怪談】「気づいてはいけない」
私はタクシーの運転手を務めて長くなります。
それは色々なお客様を乗せてきました。
もちろん、お客様以外もね。
今回お話する内容は、そんな私が体験した怖い物語になります。
ある晩の事でした。
時刻はもうすぐ日付が変わろうという頃だったと思います。
ふとバックミラーを覗くと、そこには白い服を着た黒い長髪の女の人が座っていました。
その女の人は、流れる外の景色を物憂げに眺めていました。
私は直感で理解しました。
「お客様ではない」と。
何故わかったかって?
それはそうでしょう。だって、小一時間誰も乗車していないのですから。
つまり、「乗せてもいないのに、いつの間にか座っていた」という事です。
それはもう、お客様以外で間違い無いでしょう。
突然の来訪には驚きましたが、長年この仕事をしている私にとっては、日常茶飯事とは言うまいも特段焦るような出来事でもありません。
何故なら対処法を知っていますから。
え?どう対処するのかって?
そんなの決まってます。
「知らんぷり」です。
大概の場合、こちらが気づかなかったら向こうは何もして来ませんから。
こう言う時は知らんぷりに限ります。
なので、バックミラーから目を逸らそうとしました。ですが、同時に女の人の視線が窓から外れました。
そうゆっくりとこっちを向くように。
私は急いで視線を前に向けました。
「気づかれたか…」
なんて思いながらも運転に集中しようとしますが、先ほど背後に感じていた女の人の気配が消えていることに気づきました。
厳密には、物音や視覚で気づいたのではなく、第六感のようなものが働いたのだと思います。
「消えたのか…」
そう思った矢先、淡い期待は打ち消されました。
すぐ隣から気配がするのです。
そう、助手席から。
見ていませんよ。見ていませんが、わかるんです。
女の人が、こっちを向いているって。
私は鳥肌が立ちましたが、平静を保てるよう務めました。
だって、気づいていると悟られたらどうなるかわかったものではありませんから。
ちょうど信号が赤になったため停車しました。
車が止まる際に少し揺れたのですが、その時です。すぐ隣にある気配が消えました。
またもや第六感です。
「消えたのか…」
同じことを思ってしまいました。ですが、それは愚直な思考でした。
ホッとしたのと同時に俯いてしまったのです。
ですがその視線の先にあったのは…
女の人の顔でした。色白で両目を見開き、大きい口を開けて私の足元から私を見上げるように顔を覗かせていました。
あまりの出来事に目が合ってしまいました。
「まずい」
私は咄嗟に目を瞑り必死に前を見ます。
わざとらしいのは自分でもわかりました。誤魔化せるはずはない…そう思い観念の思いと共に目を開けます…
すると…
フロントガラス一面に女の人の顔が写っていました。
彼女は人の顔とは思えない大きさでガラスに写っており、大きく見開いた目は私を睨め付けていました。
「完全にバレてしまった…」
私は覚悟を決めました。その時…
「プーーーーーー」
車のクラクションの音が聞こえました。
後ろの車が青信号になっても動かないタクシーに腹を立てて慣らしたようです。
その瞬間、フロントガラスに写っていた女の人は、煙のように消えていきました。
「助かった…」
安堵が込み上げます。
私はすぐにアクセルを踏み車を発進させました。
その瞬間です。
「ナンデミナイノ…」
耳元で女の人の悲痛な声が聞こえた気がしました。
まとめ
タクシーの運転手は、何かしらの心霊体験をしている人が多い
こちらが気づいていなければ、何もしてこない
気づいていることに勘付かれた時は…
以上で、【タクシーの怪談】「気づいてはいけない」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【タクシーの怪談】「厳選4選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もありますので、興味がある方は是非ご一読ください。
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