あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は聞いたり話たりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな怪談の中でも「タクシー」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介するタクシーの怪談は「おかしい運転手」です。
夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから…
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【タクシーの怪談】「おかしい運転手」
私は大学を卒業してから大手企業の子会社に位置する職場で働いています。
新人社会人としていち早く仕事に慣れるためにも必死に打ち込んでいました。
残業も多く、終電を逃すことも珍しくありません。
終電を逃しても、しっかりと家で疲れを癒したい私は、交通手段としてタクシーを利用していました。
今回お話しする恐怖体験は、そんな折に利用したタクシーでの話となります。
仕事終わり、私はいつものようにタクシーを拾いました。
いつもの場所で、いつものようにタクシーを待って、いつものように家で疲れを落として一日を終えられると思ったのですが…
運転手「はい、どうぞ。どちらまで向かわれますか?」
私は家の最寄駅までお願いし、目を瞑り休むことにしました。
ですが、運転手さんはお構いなしに話しかけてきます。
運転手「お客さん、おいくつですか?私にもね、同じくらいの娘がいるんですよ…」
私は仕方なく話を合わせることにしました。こういう時に断る事ができないところが仕事の非効率につながって残業が発生するのか…そんなことを考えながら運転手さんの話を流します。
運転手「あー私の娘がね、もうすぐ大学を卒業するんですよ…」
運転手さんは娘さんが好きなのか、よく娘さんの話をしていました。
そして、話は娘さんの話から、道路の交通状況、タクシー運転手の裏話など多方向へ展開していました。
私は仕事疲れからかうとうとし始めており、まともに返答できていたのかは定かではありませんが、運転手さんの饒舌っぷりは止まるところを知らない様子で永遠と続いていたのは覚えています。
完全に落ちていたと思います。その間の記憶がありませんから。何故目が覚めたのかって?信じれない事が起きたからです。
「ガンッガンッガンッ」
鈍い音で目が覚めました。
何の音かは見ていないのでわかりませんが、どうやら運転手さんが左手でハンドルを叩いた音みたいです。
左手は拳を握っていてハンドルの上にありましたから。
私が運転手さんの話を聞いていなかったから怒って癇癪を起こしたのかと思い謝ろうと声を出そうとした時…
運転手「あー私の娘がね、もうすぐ大学を卒業するんですよ…」
私は違和感を感じました。だって、その話…一度聞いたのですから。
あまり深く考えないようにしました。無事に帰り着きたいですから。
今後は寝落ちしまいと運転手さんの話に合わせます。
積極的に相槌を打ちました。
そして、信号に引っかかり停車した時です。
「ガンッガンッガンッ」
運転手さんが激しくハンドルを叩き出しました。
ハンドルだけでなく助手席やナビを見境なく殴り倒しています。
あまりの出来事に私は凍ってしまったように動けず、事の顛末を見守ることしかできませんでした。
すると、運転手さんの動きが急に止まります。そして…
運転手「あー私の娘がね、もうすぐ大学を卒業するんですよ…」
私は寒気がしました。表現できないような恐怖が全身を駆け巡ります。
信号は青に変わり何事もないように運転手さんは進み始めました。
家まではまだ距離がありましたが、私は命の危機を感じました。このままでは生きて帰る事ができないのではないか…最寄駅を伝えたが、家を知られるのは避けたいと考えました。
すみません、ここでいいです。降ろしてください。
声は震えていました。恐怖が隠しきれていなかったと思います。それでも精一杯振り絞って伝えました。すると、車体は急停車します。道路の真ん中に…
その瞬間…
「ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ…」
辺りを殴るだけでなく、足で床を蹴るため、大きく車体が揺れました。
車内は異様に空気に包まれ、私は恐怖に怯え叫ぶこともできませんでした。
すると、運転手さんが所構わず殴っていたためか、扉のロックが解除され、扉が開きました。
私は仏様から垂らされた糸に縋り付くような気持ちで車内から降りて走り出しました。
振り返るとタクシーは止まっていましたが、動いていました。
車体が見たこともない程揺れていました。
私は無我夢中に走りました。どれくらい走ったかはわかりません。
追いつかれないように小道を通り、遠回りをして家まで向かおうとしていました。
しばらくして、走り続けた疲労感、タクシーから逃れたという安堵感から、次第に足は走るのを止め、ゆっくりと歩いていました。
落ち着いて一息付いた時、後ろから一台の車が通り過ぎて行きました。
そして、その通り過ぎ様に確かに聞こえました。
「あー私の娘がね…」
まとめ
乗客ではなく、運転手が怖いパターンの怪談
暴力シーンではなく、急に平静を取り戻すも、どこかおかしいところに恐怖を感じる
実際にタクシーに乗る際は、運転手のことも注意する必要があるか
以上で、【タクシーの怪談】「おかしい運転手」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【タクシーの怪談】「厳選4選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もありますので、興味がある方は是非ご一読ください。
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