あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は聞いたり話たりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そしてこれからお話しする怪談こそ耳にした事がないという人はいないでしょう。
【学校の七不思議】興味が唆られますよね。
今回は、【学校の七不思議】「音楽室から鳴るピアノ」の怖い話を紹介します。
夜中に読むことはお勧めしません。眠れなくても責任取れませんから。
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気になるという方は下記の記事を参照ください。
【学校の七不思議】「音楽室から鳴るピアノ」

それではまず、「音楽室から鳴るピアノ」とは何か?からお話ししますね。
「音楽室から鳴るピアノ」とは何か?
学校の怪談の一種。放課後、もしくは夜中になると音楽室にあるピアノがひとりでに鳴るというもの。曲は「月光」「エリーゼのために」が多い
何故ピアノが勝手に鳴るの?
- 夢を半ばに亡くなった音楽教師の霊が弾いている
- 将来ピアニストになりたかった女子の霊が弾いている
- 迷い込んだ野良猫が弾いている
- 天井から滴る血が鍵盤を叩いていた
上記の説が囁かれています。
音楽室から鳴るピアノに害はある?
結論から言うと、害はあります。
曲は「月光」や「エリーゼのために」が多いですが、これらの曲を最後まで4回聴くとご臨終してしまうそうです。
なので対処法としては、曲が聴こえたらその場から速やかに立ち去るのが一番と言えるでしょう。
【学校の七不思議】「音楽室から鳴るピアノ」
「音楽室から鳴るピアノ」とは何かを説明させてもらいました。それでは、お待ちかねの怪談をお話ししたいと思います。
再三お伝えしますが、眠れなくても責任は取れませんからね。
それでは、【学校の七不思議】「音楽室から鳴るピアノ」のはじまりはじまり〜
【学校の七不思議】「音楽室から鳴るピアノ」
これは私が勤めていた学校の七不思議の話になります。私も最初は信じていなかったのですが、まさか本当に起こるなんて…
今ではあの音色も聴くことはできないのですが、もしかしたら他の学校でもあの曲が流れているのかもしれませんね。
その肝心な七不思議というのは、「真夜中に誰もいないはずの音楽室のピアノが勝手に鳴り出す」というものでした。
「真夜中」という指定があるのに、子ども達の間で七不思議として語り継がれていることに関しては多少の違和感がありますが、実際に聴いたことがあるという先生もいました。
「どうせ七不思議でしょ」とたかを括っていましたが、宿直の度に「ピアノの音が聴こえて来たらどうしよう」という怖さと、ほんの少しの興味心があったのは否めません。
私の学校では、先生方と守衛さんとで交代で宿直を行なっていました。1人月4回ほどの回数で回ってきます。
その日も恐怖心と興味心が入り混じる不思議な恍惚心を感じながらの宿直となりました。
いつも通り、特に何かが起こるわけでもなく時間が経っていきます。
次の見回りまで時間が空き、見たいテレビも終わり暇を持て余していました。
件の七不思議のことなど頭の片隅にもなく、次の休みは何をしようと思案に耽っていた時、聴こえて来ました。
「ポロン…」
高音の何かが弾けるような音が。
初めは何の音かはわからず呆気に取られていましたが、単音しか聴こえなかった音が徐々にリズムを刻み、音色となって聴こえて来ました。
そして、その音色は聴いたことがある曲を奏でていました。
「エリーゼのために」
あまりに唐突なことだったため、七不思議のことは頭の中に無く、「不審者」「恐い」「こんな時間に誰が…」という考えが頭を巡ります。
私は確かめに向かいました。音がする方向に。
やはり、というか、音は音楽室から聴こえていました。
恐る恐る音楽室の扉を覗いてみます。ピアノは暗がりでもぼんやりではありますが目視することができました。
恐さから腰も引けてしまい今すぐ帰りたい気持ちに駆られますが、このまま放っておくこともできません。声をかけてみました。
「だ、誰かいるの⁉︎」
声まで引き攣ってしまいましたが、なんとか聴き取れる声量で発することができました。
ですが、返事はありません。扉を開けて確認しようかと思ったその時、ちょうど曲が終わりました。
扉を開けるタイミングを完全に損ねてしまったと思いましたが、測っていてもどうにもなりません。
私は扉を開けて再度声を張り上げます。
「こんな時間に何をしてるんですか⁉︎」
思わず敬語を使ってしまいました。持っていた懐中電灯をピアノに向けます。
しかし、そこには誰もいませんでした。教室内を隈なく照らしますが結果は同じ。誰もいないのです。
その時初めて七不思議が頭を過りました。
私はあまりの怖さにその場から逃げるように走り出したのを覚えています。
結局その日は眠ることができずに朝を迎えてしまいました。翌日、他の先生に宿直の日のことを話しますが、時々あることと間に受けてもらえませんでした。
私の宿直が無くなったり、減ったりすることもなく、すぐに巡って来たのです。
2回目の宿直が。
前回のことが頭にあるためか、この日は恐怖心が勝っていました。
気を紛らわすことができるよう雑誌や好きなアイドルのDVDを持ち込みました。
心の中では「時々あるかないかのことでしょ…流石に今回は…」
と希望的観測を持っていましたが、どれもこれも無駄になってしまいます。
「ポロン…」
背中に寒気が走ったのを感じました。
「またか…」
あまりの恐怖に足がすくんでしまいます。
2回目ということもあり、何が起こっているのか理解している分、足が重くなってしまっていました。
ですが、宿直という仕事であるため確認しないという訳にはいきません。
渋々音楽室に向かうことにしました。
1回目に比べると、足取りも重く、音楽室まで辿り着くのに時間がかかってしまいました。音楽室の扉が目に入った時には、「エリーゼのために」は終わってしまっていたのです。
音楽室を手に持っている懐中電灯で確認しますが、同様に中には誰もいませんでした。
恐いながらもピアノの鍵盤を触ってみました。
すると…濡れていました。
びしょびしょ、というわけではなく、水滴がぽつぽつと…誰かが泣いた後のように…
その水滴に触れた瞬間、不思議と怖さが消えていく感覚がありました。
幽霊や妖怪は信じてはいませんが、もしそのようなものが存在するのであれば、このピアノを鳴らしているのはきっと良い幽霊なのだろうと夢想するほどに。
3回目の宿直が来ます。
この日はすでに予感のようなもので、「今日も鳴るんだろうな」と思っていました。
案の定、真夜中に音が聴こえてきます。
「ポロン…」
「来た…」3回目で慣れたのか、驚きも少なく、自然と足が音楽室へ向かいます。
1,2回目の時とは違い、足取りも軽く音楽室へと辿り着くことができました。演奏中に扉を開けるのは不躾かと気を使うことができるほどに心も落ち着いています。
演奏が終わると、同じように扉を開け中を確認しました。前回と同様、誰もいないこと、ピアノが濡れていることを確認します。
もはやこの演奏を聴けるのは自分だけだと愚かな独占欲すら抱いていました。
そして、4回目の宿直。
この時には考え方も変わっていました。「今日もあの演奏を聴くことができる」という楽しみすら覚えていたのです。まるでオーケストラを前に胸が弾んでいるような感覚です。
妙な確信も現実のものとなりました。
「ポロン…」
鍵盤と同じく胸も弾みます。
私は足早に会場へ向かいました。短い曲調の「エリーゼのために」を聴くために。
今までで一番早い会場入りを果たし、満足げに腕を組みながら演奏を楽しみます。
あまりクラシックには詳しくない私ですが、4回目となれば理解することができるでしょう。
「あーもう終わるな。もう少し聴いていたいな」
曲が終わってしまいました。
私は儀式のように扉を開け中を確認します。毎度同じく部屋の中には誰もいませんでした。
違ったところと言えば、ピアノを確認した時、濡れていなかったのです。代わりと言っては何ですが、血が落ちて来ました。
「天井からかな」と思い見上げますが、どうやら天井からではありません。
「あれ?おかしいな?どこからだろ?」
その疑問はすぐに解決しました。きっと、ピアノを確認するために顔を近づけたときに落ちたのでしょう。
私の口から溢れるように流れる血が。
まとめ

真夜中になるピアノに遭遇した時はすぐに立ち去るのが吉
ピアノの蓋を開けたままにすることはないということを仮定すると、野良猫説は怪しい
天井から血が滴っていたとしても、鍵盤を押し切れるかという部分で非現実的か
以上で、【学校の七不思議】「音楽室から鳴るピアノ」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【厳選16選】学校の怪談を七不思議も交えて紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。
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