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【肝試しの怪談】「1人増えてる」を紹介※眠れなくても責任取れません

顔が見えない男オカルト

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は聞いたり話たりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな怪談の中でも「肝試し」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する肝試しの怪談は「1人増えてる」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから…

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

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【肝試しの怪談】「1人増えてる」

手術室

 夏と言えば”肝試し”ですよね。

 仲の良い友達と集まって和気藹々と楽しむ年間行事の一つとなっている肝試し…

 今年も仲間内で開催が決定しました。

 なんと、場所は県境にある廃病院‼︎

 なんでも、昔亡くなった患者さんの幽霊が夜な夜な彷徨っているとかいないとか…

 ワクワクドキドキしながら友達の車で現場に向かいました。


 メンバーは、全員男。4人という構成です。

 華がないですよね。ですが、肝試しを全力で楽しむなら男同士がいいのかもしれません。

 もちろん、肝試しという題目ですから、全員で病院に入り込むなんてことはしません。

 1人1人中に入り、奥の手術室で自撮りして戻ってくることをルールに定めました。

 順番を決めるためじゃんけんをするのも全力です。

 夜中ではありますが、声量やテンションは青天井です。きっと幽霊がいても逃げ出すでしょう。

 僕は最後に決まりました。

 1人が中に入り、そして戻ってきます。

 僕の番になりました。

 スマホの明かりを頼りに中へ入っていきます。

 深夜であり、さらには建物の中なので月明かりも届きません。

 足元だけでなく、壁や天井は全く見えず、どこが手術室なのかは検討もつかない状況でした。

 1歩1歩慎重に進んで行きます。

 深夜であるためか、肌寒く、辺りは静まりかえっていました。

 病室や、シーツが置いていたであろうリネン室、ナースステーションなど病院の面影は今でも健在のようです。

 手術室はどこなんだろう?

 そんなことを思いながら進んでいると、声が聞こえてきました。

 「…シ…」

 身体が反応して飛び上がってしまいました。

 何の声だ⁉︎

 一旦止まり辺りを見渡します。

 足元から凍るような感覚に襲われ、体温が下がっているのが自分でもわかりました。

 おかしい、誰もいないはずなのに…

 そんなわかりきったことが頭をよぎります。

 止まってはみたものの、特に何かが起きる様子はありませんでした。

 気のせいかな?

 と、気のせいということにして再度進み始めます。

 体温が下がったからでしょうか?

 頭痛がしてきました。

 頭の奥がジンジンと痛みます。

 「……テ」

 また声が聞こえました。先程のような驚きは少なかったです。

 何故なら、頭痛の方が気になりましたから。

 手術室が見えてきました。

 これでようやく終われる…

 「…カシテ」

 遠くで聞こえていたような声は、何故か頭の中で響いているように感じます。

 心臓が高鳴ります。

 血流が身体を脈打って回ります。

 その脈に合わせるように、頭の奥が痛みます。

 自撮りして…

 とスマホを取り出しますが、操作する手つきもおぼつきません。

 早く終わらせ…

 スマホが手から落ちてしまいました。頭痛は止むことなく、どんどんとひどくなってしまいます。

 前屈みになりスマホを拾おうとした時、視界は狭まり、足元から崩れるように地面に倒れてしまいました。

 足や手に力は入りません。スマホは無残にも天井を照らしています。

 何も考える余力はなく意識が遠ざかる中、はっきりと頭の中で声が響きました。

 「カラダカシテ」


 目を覚ました時には頭痛は消え、身体もいつも通り動きました。

 早くみんなのところに戻らないとと思い、早足で病院を出ます。

 病院から出ると、入り口のところで、4人はいました。

 1人が話出します。

 「4人無事に帰ってきたな。じゃ戻ろうか」

 そんなに長い間倒れていたわけではなかったのでしょうか。誰も違和感を訴えることはなく、後ろを振り向き帰り出しました。

 「今日のはまあまあだったな」「あそこの方が怖かったよ」

 そんな会話が弾む中、僕に話が振られました。

 「〇〇はどうだった?」

 頭痛や聞こえてきた声の話をどう伝えようかと逡巡している間、僕ではない僕の声がしました。

 「怖かったよ」

 おかしい。僕に振られたはずなのに。僕以外が答えている。けど…

 聞こえてきた声は僕のものでした。

 ですが、周りは違和感なく返答しています。

 そこで、その違和感の正体に気づきました。

 僕が目の前にいたのです。

 そして、その僕が僕の声で返答していました。

 僕は声を張り上げます。

 「それは僕じゃない‼︎」

 ですが、聞こえていないのか、誰も反応しません。

 そして、僕だけが振り返ります。

 その顔は…

 この世の物とは思えない表情をしていました。

 目は陥没していて、口は耳まで大きく裂け、水分を搾り取られたかのように顔には皺が寄っていました。

 そして…

 「カラダカリルネ」

まとめ

頭が痛い男

最初の違和感は入り口で4人と言ったが、僕じゃない僕を入れて計算してしまっていたこと
僕が声をかけても反応がなかったのは、乗っ取られて意識体となっていたから
身体は…返ってくるのか⁉︎

 以上で、【肝試しの怪談】「1人増えてる」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【肝試しの怪談】「厳選4選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もありますので、興味がある方はぜひご一読ください。

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