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【怪談】不幸の手紙・チェーンメールとは何か、起源、類型・内容、広がり方を怖い話を交えて紹介!

たくさんの手紙オカルト

 あなたは不幸の手紙やチェーンメールを知っていますか?

 ○○時間までに○○人に同様の内容を書いた手紙、またはメールを送らなければ不幸になる…

 という不吉な内容の物ですよね。

 「司令」という具体的な内容を支持され、従わなければ「不幸」という抽象的な未来が襲ってくる…

 具体性と抽象性が混じったなんとも不気味な届け物となっています。

 また、手紙からメールへとその様式も時代と共に様々な変容を遂げていますが、実際どこから始まり、どのように広がったかを知っている人も少ないでしょう。

 今回は、【怪談】不幸の手紙・チェーンメールとは何か、起源、類型・内容、広がり方を怖い話を交えて紹介します。

 他の記事も気になるという方は下記の記事を参照ください。

 【怪談】こっくりさんとは何か?起源、派生、外国事情、行う手順、怖い話を合わせて紹介!

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【怪談】不幸の手紙・チェーンメール

赤いポスト

 それでは、まずは不幸の手紙・チェーンメールとは何か、からお話ししましょう。

不幸の手紙・チェーンメールとは何か

不幸の手紙(ふこうの手紙)・チェーンメール

不幸の手紙とは、昭和40年代に流行した手紙を媒体とした悪戯。「○○時間(又は○○日)までに○○人に同様の内容を書いた手紙を送らなければ不幸になる」という文面が書かれた手紙が送られてくる。基本的に宛名が書いていないため、誰から送られてきたのか疑心暗鬼に駆られ、平静を保てずに流布されるケースが多い。
手紙という文化が廃れてきたこと、ネットが主流となってきたことなど時代の流れと共に、不幸の手紙⇨チェーンメールへと変貌する。同様の内容の物が多いが、手紙という一手間もない為、爆発的な拡散を見せることとなった。

不幸の手紙・チェーンメールの起源

 不幸の手紙の起源は海外にあります。

 英語圏には「幸運の手紙」というものがありました。それが1922年(大正11年)に日本に流れ着き流行したと考えられています。

 戦前にはこの「幸運の手紙」は大人達の間で流行していたのですが、1954年には子ども達も興味を持ち流行の一助となったようです。

 それが1970年(昭和45年)に「不幸の手紙」へと変貌を遂げ、主に子どもを中心に爆発的な流行を見せました。

 何故「幸運の手紙」から「不幸の手紙」へと変貌したのかは諸説ありますが、「他人の不幸は蜜の味」という言葉もあります。

 悪戯心や興味心から始まったのかもしれませんね。

不幸の手紙・チェーンメールの類型・内容

 不幸の手紙とは何かと起源のお話をさせてもらいました。

 では、実際にどういった内容だったかを振り返りましょう。

 不幸の手紙の起源で出て来た「幸運の手紙」や、派生の「チェーンメール」などの類型もまとめて紹介しますね。ラインナップは下記の通りです。

  • 幸運の手紙
  • 不幸の手紙
  • 棒の手紙
  • チェーンメール
  • チェーンカキコ

 順に紹介しますね。

幸運の手紙

 海外の英語圏で流行していた不幸の手紙の起源になったものとなります。

 日本に流れ着いた頃のルールや内容は下記の通りです。

ルール

①宛名の記載(今まで携わった人の宛名も記載されているため、追記する形で記名する)
②指定の時間、人数などを守り、同様の内容を記載して送る

内容

この葉書はある米国の史観から始まり、すでに地球を9度回っている
この葉書を受け取ったら24時間以内に9人の知人に同じ文面の葉書を出さなければならない
実行すると9日後に幸運が巡ってくる
実行しなければ悪運が巡ってくる

 幸運の手紙という名前ですが、悪運も巡ってくるんですね…

 選択を自分で考え行うという点に幾ばくかの狂気を感じますが…幸運か悪運か選べと言われたら、幸運を選んでしまいますよね。流行していた背景が窺えます。

不幸の手紙

 不幸の手紙のルール、内容をおさらいしますね。

ルール

①宛名は未記名、または仮名
②指定の時間、人数などを守り、同様の内容を記載して送る

内容

この手紙は不幸の手紙です。書かれている内容のことを○○時間(又は○○日)までに○○人に送って下さい。送らなければ不幸が訪れます。

 内容において「送らなかった○○市に住む○○さんは、交通事故に遭い死にました」と続く場合もあるそうです。

 なんとも言えない恐怖心を煽る内容になっていますよね。子どもの間で流行っていたことを考えると、恐怖に耐えられず送ってしまうケースも少なくないでしょう。

棒の手紙

 棒の手紙とは、1997年〜1998年に流行した不幸の手紙の累計になります。

 何故「棒」なのかというと、不幸の手紙を書き写す過程で変化していった可能性が示唆されていま す。

 「不幸」⇨「木奉」となり、「木」と「奉」が合わさり「棒」になったのだとか。

 ユニークではありますが、意味がわからないところに恐怖を感じますね。

チェーンメール

 チェーンメールとは、不幸の手紙のメール版です。

 ルールや内容も似通っていますが、変わったものだと下記のようなものがあります。

内容

○○が殺されたので犯人を探している
病気の○○のために広めて下さい
お金持ちになる方法を教えます

 他には、「○○人に送ると文面にURLが出てきて、クリックするとアイドルと友達なれる」や「止めると殺される」などの具体的な内容も記載されることもあるのだとか。

 コピペして他人に送るだけという簡単作業から、罪悪感は生まれにくいため安易に送ってしまう人もいるかもしれませんね。

チェーンカキコ

 ネットの掲示板などで見られる特有の物となります。

 文面を要約すると、「この書き込みを見た人は○○時間以内に○○箇所の掲示板に同様の書き込みをしないと不幸になる」となっています。

 不幸の部分に関しては、暗殺されるであったり、特定されるであったりなど様々ですが、一番怖いところは「目に入った時点で巻き込まれる」ところでしょうか。

 どこに仕掛けられているかわからない地雷を避けることができないのと同じですよね。

 気分良くネットサーフィンをしていたら突然踏んでしまう…とばっちりで不幸をなすりつけられるなんとも意地汚い内容ですよね。

 不幸の手紙・チェーンメールの広がり方

 不幸の手紙・チェーンメールの爆発的な広がり方にはしっかりとした裏付けがありました。

 それは、連鎖販売取引(マルチ商法)の仕組みと同じことに起因します。

 つまりねずみ算式に拡散されていくということですね。

ねずみ算式拡散方法

①発信源は1人
②同じ文面を5人に送るという司令
③受け取った人が必ず5人に送ると、発信源は5人になる
④その5人がさらに5人ずつ同じ文面を送ると、発信源は25人に
⑤その25人がさらに5人ずつ同じ文面を送ると、発信源は125人に
⑥その125人がさらに5人ずつ同じ文面を送ると、発信源は625人に
⑦その625人がさらに5人ずつ同じ文面を送ると、発信源は…3125人‼︎

 たった数回繰り返しただけで、発信源が1人から3125人になりました。全員が全員しっかりと送るわけではないにしても、この方法であれば一気に全国に広がるでしょう。

【怪談】不幸の手紙・チェーンメール

 不幸の手紙・チェーンメールとは何か、起源、類型・内容、広がり方を説明させてもらったところで、不幸の手紙・チェーンメールの怪談についてお話ししたいと思います。

 それでは、【怪談】不幸の手紙・チェーンメールのはじまりはじまり〜

【怪談】不幸の手紙・チェーンメール

 私はある地方の田舎に住むA子と言います。

 どのくらい田舎と言うと、辺りを見渡せば視界に人が入ることは少なく、人口の半分は60歳を超えるおじいちゃん、おばあちゃんという過疎地になります。

 子どもの数も少なく、小学校は1年から6年生まで一つの教室にまとめられていました。

 その教室も私を入れて10人しかいません。

 少人数のため仲が良いと思うかもしれませんが、ほとんど年齢も違い、内気な性格の私はクラスに馴染めずにいました。

 今回お話しする話は、そんな私が体験したとても歪な恐怖体験です。


 年や性別も違う一まとめにされたただの集合体としか思えないクラスにも、仲が良い、唯一友達と呼べる人がいます。

 それはB美ちゃんです。

 B美ちゃんだけは年や家も近所なだけによく遊ぶ機会も多く、クラスに馴染めない私にも分け隔てなく接してくれます。

 クラスで浮いている私が男子に標的にされた時も助けてくれたのはB美ちゃんでした。

 子どもが大人になれば、田舎を離れ、他の地域に行くことが多いのですが、 B美ちゃんとは「ずっと一緒にここで暮らそうね」と話すことも多いです。

 そんなB美ちゃんとは、ずっと友達でいれるのだと思っていました。


 ある日のことです。私はおばあちゃんと二人暮らしなのですが、おばあちゃんは最近体の調子が良くないようで、私が家事を手伝うことが多いです。

 掃除や洗濯、買い出しや料理まで私が行っていました。

 早朝、あまり郵便物が届くことがないポストを確認した時でした。

 一通の手紙が入っています。

 封筒ではないのです。手紙です。

 宛名や宛先も書いてはおらず、二つ折りになっており、風が吹けば中身が観れるのではないかと思うほど不用心な格好をしていました。

 おばあちゃん宛かと思いましたが、あまりの不用心さに興味を持ち、その手紙を覗いてしまいました。

これは不幸の手紙です。

24時間以内に3人に同じ内容の手紙を送って下さい。

時間内に決められた人数に送れなかった時は、あなたは不幸になります。

 私は身動きできずにその場に立っているだけでした。

 早朝のためか、風が冷たく私を撫でるように吹いているようでした。

 意も言えぬ恐怖が少しずつゆっくりと足元から上ってくるのを感じます。

 頭の中では「24時間以内…3人…不幸?何か嫌なことが起こるってこと?」というようなことがぐるぐると巡っていました。

 心が冷たく、体が自分のものではないように感じます。まともに動けるようになったのは何分も経ってからだったと思います。

 結局、私かおばあちゃん、どちらに宛てた手紙だったのかはわかりませんでしたが、私はおばあちゃんにこの不吉な贈り物のことを話すことはできずにいました。

 体の中心に何か重りをつけているかのような感覚が消えないまま、学校へ向かうことにしました。

 俯き気味のまま、教室に入り「おはよう」と挨拶をしますが、いつも通り返事が帰ってくることはありませんでした。

 席に着くと異変を感じ取ってくれたのか、B美ちゃんが話しかけてくれました。

 B美「A子、どうしたの?暗い顔してるけど…何かあった?」

 私は感情表現が乏しいのか、風邪をひいたり体調を崩した時も一緒に暮らしているおばあちゃんでさえも気づくことは少ないのですが、親友のB美ちゃんは私のことに気づいてくれました。

 私「実は…」

 今朝の出来事をB美ちゃんに相談することにしました。

 ポストを覗いたら手紙が入っていたこと、24時間以内に3人に同じ内容の手紙を送らなければならないこと、送らないと何か嫌なことが起こるかもしれないこと

 怖くてたまらないけど、誰にも相談できず、B美ちゃんに相談できてよかったと伝えました。

 B美「そんな手紙が届いたの?大丈夫。気にしなくてもいいよ。不幸の手紙なんて嘘に決まってる」

 安心できる言葉をかけてくれます。私は、親友に打ち明けることができたことと、嘘だと言ってくれる言葉に助けられました。心が少し軽くなった気がします。

 B美「でも、問題は誰が送ってきたかだよね」

 私は考えもしませんでした。怖いという感情が先に立ち、誰が何の目的で送ってきたかなどは思いもよらなかったのです。

 B美「単なる悪ふざけだとは思うけど…やっぱ怪しいのはクラスの男子じゃないかな。A子のこと気に入らないみたいだし」

 私も「誰が送ってきたか」を想像した時に、真っ先に思う浮かんだのはクラスの男子でした。

 正確には男子3人です。B美ちゃん以外は女子からも除け者にされることは多いのですが、特に男子3人は暴言や暴力など直接私に攻撃してくることもありました。

 B美「きっとそう。いつものノリでA子に嫌がらせをしようとしてるんだと思う」

 B美「A子…仕返ししない?」

 私は背筋に寒気が走ったのを覚えています。私はB美ちゃん以外のクラスメートとは仲良くないのですが、B美ちゃんは違います。他のことも分け隔てなく関わる姿勢から、誰とでも仲は良かったのです。

 例の男子3人とも、私が間にいなければ遊ぶこともあるほどに。

 そんなB美ちゃんから仕返しという提案がされたことに驚きを隠せませんでした。また、誰かにあの内容の手紙を送り、私と同じ思いをするのかと思うと尻窄みしてしまいます。

 私は悩んでいましたが、B美ちゃんは乗り気のようで次々と案を出してくれました。

 B美「ここ、郵便ポストはあるけど、郵便屋さんを待ってたら24時間以内に相手に届くのはまず無理。なら夜に直接相手のポストに入れるしかないよね」

 B美「相手のポストに入れるんだから、切っても封筒も必要ない。送ってきた人もそうしてるんじゃないかな?A子、3人の家はわかるよね。だったら今夜、手紙書いて入れてきな」

 B美「あいつらには良いお灸になるよ」

 そう吐き捨てるようにB美ちゃんは言います。私の意見は反映されるかどうか以前に言葉にすることも許されない雰囲気でした。


 私はその夜、3通の手紙を用意しました。同じ文面で。字の大きさや形まで似せて書きました。

 何が正しく、どれが間違いなのかもわからず、似せれるところは似せて書くのを意識したからです。

 みんなが寝静まった頃、道を歩いているのは私1人でした。誰かと出会ったらどうしようという不安があった為、暗い夜道ではありましたが妙に安心していました。

 小さな村なので、誰がどこに住んでいるかはわかっていました。

 悪いことをしているとは思いながら、どこか仮病で学校を休んだ時のような高揚感を感じました。そんな自分に嫌気が刺します。仮病を使ったことはありませんが。

 男子3人の家を回る時間はそんなにかかることはなく、30分後には家の布団に入っていました。

 明日学校に行った時に、3人の表情はどうなっているのか。後悔はして欲しいけど、思い詰めないで欲しいとどこか願っている自分がいました。

 非情になり切ることはできず、罪悪感が胸を締め付けます。


 翌日、学校にて。

 教室に近づくごとに沈んでいた私の心ですが、悩んでいたことはどうやら杞憂のようでした。

 男子3人の様子に特に変わったことはなかったのです。

 いつものように1人の机を囲み、談笑に勤しんでいました。

 不意にB美ちゃんが近寄って来ました。

 B美「A子、ちゃんと手紙届けた?」

 まるで好きな子へのラブレターを渡す一大行事を軽い気持ちで聞いてくる友達のような気さくな態度に違和感を覚えました。

 私「ちゃんと…届けたよ…昨日の夜に…」

 B美「そう。気にしてないのか、気づいてないのか。本当に男子って鈍感だよね」

 続けてB美ちゃんは言います。

 B美「本当に気づいてないのかもしれないし、もう少し様子を見てみようよ」

 「様子を見る」という言葉に、「まだ続くのか」と思ったりもしましたが、実際に何も変わってない以上、様子を見るしかありませんでした。

 やっと不幸の手紙の呪縛から逃れられたのに…


 逃れられてはいませんでした。

 翌日、家のポストに入っていたのです。例の不吉な贈り物が。

 3通も。

 私は直感で理解します。私の送った手紙を受け取った3人が3様に私に不幸の手紙を送って来たのだと。私が行った手順と同じように。

 頭の中には様々な感情が巡りました。

 最初に送って来た人への憎悪、自分が招いたという後悔、また手元に戻って来たという落胆

 全てを投げ出したくなり、そして委ねたくなり、B美ちゃんに相談しました。次の答えを知りたいという私の思いにちゃんと応えてくれます。

 B美「そうなったか。なら、もう知らんぷりしといたらいいんじゃない?だって誰かに送ったってまた手元に戻ってくるだけじゃない。しかも増えるかもしれないし。知らんぷりが一番だよ」

 私「でも、大丈夫かな?嫌なことが起こるって手紙に書いてあったし…」

 B美「不幸の手紙って言っても、何が起こるかも書いてないよね。誰かの嫌がらせだろうし、心配することないよ。嫌なことなんて、生きてたらいつかは来るんだから」

 その言葉を聞いて、気持ちが晴れたように思いました。B美ちゃんはいつでも私に安らぎと勇気をくれます。

 私「そう…だよね。そうしてみる」

 B美「うん。それがいい」

 私はどこかこの件が終わったような感覚になりました。この不吉な贈り物が届けてきた恐怖の体験が、これで終わったと錯覚していたのです。


 翌日、それが錯覚であったと痛感しました。

 ポストに入っていたのです。例の不吉な贈り物。

 6通も。

 私「な…ん…で?」

 例の男子3人からの不幸の手紙は、返事もせずに知らんぷりしていました。手紙は捨てられずに手元に残っていますが、送られてくるはずはないのです。

 ですが...

 私は冷静に考えました。

 あの手紙には3人に送るよう指令が書いていたのです。私が男子3人に送ったように、送られた男子3人は同じように誰かに3通ずつ出したのでしょう。

 そのうちの1人が私という事は、残り2人誰かに送ったはず。3人が2人ずつ別々の人に送っていたのなら、6人が受け取った。

 つまり、その6人が6人とも私に手紙を書いていた。

 それに気づいた瞬間、私は震えました。感動や喜びではなく、恐怖に。みんなが私を嫌っているという絶望に。

 気づいた時には走り出していました。頭で考えるより先に体が動いたのです。

 行き先は、最初に送りつけた男子のうちの1人の家でした。

 ちょうど登校するタイミングだったのか、玄関から出てきた男子を捕まえることができました。

 私は感情のままに話しかけます。

 私「なんで?なんで私なの?なんであんなもの送ってくるのよ!」

 等と送りつけた張本人が言える義理はありませんが、感情的に問いかけてしまいました。その問いかけが思わぬ形で返ってくるとは知らずに。

 男子「あーやっぱり気づいてなかったのか。お前、終わってるよな。嵌められたんだよ。B美に

 私は耳を疑いました。

 私「え?B美ちゃん…?」

 男子は観念した様子も、反省した様子もなく事の真相を話してくれました。

 今回の不幸の手紙は私に対する嫌がらせと、どのような広がり方をして、みんながどんな反応をするのかを見てみたいという興味から始まったのだそうです。

 そして、首謀者は、男子3人とB美ちゃん。

 納得がいきました。最初に男子3人に送った時も、男子に特に慌てた様子もなく、普段通り生活していたこと、何故か、「嫌なことが起こる」としか説明していなかったB美ちゃんが「不幸の手紙」という言葉を使ったのか。

 成果は想像以上だったそうです。普段クラスメートと交流しない私は気づけませんでしたが、2回目に送られた6人はクラスでも活気がなかったのだとか。

 そして、その6人が司令に従い各自任務を全うした結果を私が報告しに来たという事実に男子は喜んでいる様子でした。

 この一件事態信じられないような内容ですが、一番耳を疑ったのは、信じ難かったのは、やはりB美ちゃんが関与していたということでした。

 私「なんで…B美ちゃんが私を…」

 男子「嫌いなんだってよ。そのうじうじした態度が。少し優しくしたら金魚の糞みたいにくっついてくるから鬱陶しくてたまらないんだってさ」

 男子「なんで今こんな風に話したかわかる?もう話していいんだってさ。十分楽しめたからって。一番最初にお前に送ろうと言い出したのも、B美だよ」

 私は頭が真っ白になりました。「ずっと一緒にここで暮らそうね」と話したのは遠い昔のように感じました。

 B美ちゃんとの楽しい思い出が、音を立てて崩れていくのがわかります。

 ですが、その時頭に過ったのは、「どんな顔して学校に行こう」という自分の今後のことでした。


 後日譚

 結局私はそのまま登校するしかありませんでした。

 今まで仲良くしていたB美ちゃんが話しかけてくる事はありませんでした。

 登校した男子から先に話を聞いたようです。ですが、幸いなことに、不吉な贈り物の件で揶揄ってくる事もありませんでした。

 ですが、その後が地獄だったことは想像に難くないと思います。

 待っていたのは、「無」でした。

 誰からも話しかけられることがない、自分から関わる事もない。

 クラスでの話に入ることも、放課後遊ぶ事もありません。

 友達といえる人はおらず、クラスメートと表記することすら疑わしい。

 ただそこにいるだけ。

 そんな小学校生活を送りました。

 他人を信じるという心は失われたようで、大人になった今でも誰とも打ち解ける事はできずにいます。

 「不幸の手紙」という贈り物が本物だったとするならば、この状況が「不幸」なのかもしれません。

 ですが、「不幸の手紙」を送ってしまったことで不幸になったのか、送らずに不幸になったのかは、今でもわからないままです。

まとめ

緑のポスト

不幸の手紙の起源は外国にあった
類型が多数あり、ねずみ算式に拡散される
送った方も、送られた方も不幸になる文字通り「不幸の手紙」

 以上で、【怪談】不幸の手紙・チェーンメールとは何か、起源、類型・内容、広がり方を怖い話を交えて紹介!を終わります。

 他にも、意味がわかると怖い話5選を一挙紹介‼︎眠れなくなっても責任取れませんという記事もありますので、興味がある方は是非ご一読ください。

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