あなたは怖い話は好きですか?
夏の風物詩とも知られる怪談、とりわけ「トンネル」は舞台として取り上げられる事が多いですよね。
今回は、【トンネルの怖い話】「犬鳴トンネル」を紹介します。
夜中に読むのはおやめください。眠れなくても責任は取れませんので。
それではごゆっくりお楽しみください。
他にも怖い話が気になるという方は下記の記事を参照ください。
【トンネルの怖い話】「犬鳴トンネル」
それではまず、「犬鳴トンネルとは何か?」からお話ししますね。
「犬鳴トンネル」とは何か?
旧犬鳴トンネル⇨昭和24年(1949年)開通
新犬鳴トンネル⇨昭和50年(1975年)開通
旧犬鳴トンネルは、現在入り口、出口ともにブロック塀が積まれて通行はできません。
両トンネル共に「犬鳴峠」という峠に面しています。
旧犬鳴トンネルは当初軍用道路として計画されたそうです。ですが、トンネルに行くための旧道は、道幅が狭く、カーブの連続で通行しにくいものとなっていました。
昭和50年以降、交通量の増加が著しかったため、新犬鳴トンネルが開通し、それに伴い封鎖となっています。
現在では心霊スポットとしても有名であり、テレビ番組で取り上げられたり、映画化したりなどメディアでの露出も増えています。
「旧犬鳴トンネル」の心霊スポットと言われる理由
旧犬鳴トンネルが心霊スポットと言われるのには理由があります。下記に挙げた三つです。
- 残酷な事件が起きていた
- 旧犬鳴トンネルの怪奇現象
- 犬鳴村の都市伝説
残酷な事件が起きていた
1988年12月7日、福岡県田川郡の工員(20歳)が少年グループ5人により暴行、焼死体で発見されるという痛ましい事件が起こりました。
他にも同様に悲惨な事件が重なったため、心霊スポットとしての認識が強まりました。
また、1000年ほど前には修験道の修行場として使われていました。
※修験道(しゅげんどう)⇨山へ籠って厳しい修行をし悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰
当時、行者によって結界を張られていましたが、保持するものがおらず、破損し悪霊を集める原因となったそうです。
※行者(あんじゃ)⇨修験道を行っている者
つまり、数々の事件は、1000年前から伏線を貼られていたのかもしれませんね。
旧犬鳴トンネルの怪奇現象
旧犬鳴トンネルでは様々な怪奇現象が起こります。下記にまとめました。
- 白いセダンで通ると赤い手形がびっしりとつく
- トンネル近くの電話ボックスに女性の霊が出る
- 犬の鳴き声や吐息が聞こえる
具体的なものから抽象的なものまで揃っていますね。
また、この旧犬鳴トンネルを抜けた先にあると言われる「犬鳴村」にもさまざまな都市伝説があります。
犬鳴村の都市伝説
犬鳴村の都市伝説は下記の通り。
- 住民は昔迫害を受け、自給自足の生活をしており、近親交配が続いている
- 犬鳴村に迷い込んだカップルが惨殺された
- 日本の行政記録や地図から完全に抹消されている
- トンネルに入ると、紐と缶の仕掛けがあり、引っ掛かると村人が斧を持って駆けつける
- 全てのメーカーの携帯電話が「圏外」となる
- 村の入り口に「この先、日本国憲法は通用しません」という看板がある
などの都市伝説が囁かれています。
【トンネルの怖い話】「犬鳴トンネル」
「犬鳴トンネル」、「犬鳴村」についてお話させてもらいました。では、お待ちかねの「犬鳴トンネル」の怖い話を紹介します。
「犬鳴トンネル」のはじまりはじまり〜
「犬鳴トンネル」
蝉の鳴き声も鬱陶しく感じる夏の昼下がり、A子と俺はマンションの一室で永遠にも感じる暑さの中、項垂れていた。
A子「俺くん、エアコン壊れるって何?どうしたら壊れるの?」
俺「うるさいな。年代物なんだよ。俺が住み始めた頃から着いてて、もう十分古かったんだよ。よく頑張った方だ」
A子「だとしてもー今壊れることないでしょ。彼女が来たときにね‼︎何もできないじゃない」
俺「それは悪かった」
A子「あー涼しいとこに行きたい」
俺「…いいとこがあるぞ」
A子「え⁉︎どこ⁉︎カラオケ⁉︎まさか漫喫じゃないよね⁉︎」
俺「そうだな…夜まで待ってくれよ。いいとこに連れてってやる」
A子「…嫌な予感しかしないんですけど…」
その日の夜、俺とA子は車に乗り、ある場所に向かった。
A子「どこに連れってってくれるの?」
俺「着いてからのお楽しみだ」
夕ご飯を食べてからゆっくりと準備しでたため、時刻は22時を回っていた。
この時間になると交通量も激減している。
時折光対向車のライトに目を細めながらも、徐々に山道へ入って行くことにA子は気づいた。
A子「ちょっと待って、どんどん暗い道に進んで行ってない?まさか…山奥のラブホとか言うオチじゃないよね?」
俺「そんなわけないだろ‼︎もう着くよ」
そのまましばらく車を走らせていると、ポツンと電話BOXが目に入った。
ぼんやりとした光が灯っており、電灯が切れかけているのか、短い間隔で点滅を繰り返している。
その公衆電話を通り過ぎたときにA子が言う。
A子「あの子、この時代に公衆電話使ってるんだ…」
俺は違和感を覚えた。
俺「何言ってるんだ?」
A子「いや、だって、スマホがあるよね。わざわざ公衆電話使わなくない⁉︎」
俺「いや、だから何言ってるんだ?」
A子「え⁉︎だって、小さな女の子ならわかるよ。スマホ持たされてないんだって。でも、大人になったら流石にないでしょ。スマホ落としたとか?」
俺「違う。そうじゃない」
俺「誰もいなかったぞ」
A子「え⁉︎」
俺「いや、だから、電話BOXには誰も入ってなかった」
A子「ん?いや、いたよ。暗くてあまり見えなかったけど、あれは女の子だったよ⁉︎私と同じくらい の」
俺「…見間違いじゃないか?」
A子「俺君のね‼︎」
少し空気は重くなったが、そんな重さも気にならなくなった。何故なら目的地に着いたからだ。
A子「…ここって?」
俺「犬鳴トンネル」
A子「いや、違うって。涼しいとこに行きたい、って言ったけど、こういうのじゃない」
俺「あれ?違った?勘違いだった?」
と、しらを切って見るがバレているようでA子は俺の肩に重い一撃を喰らわせた。
俺「…いてっ」
A子「自業自得よ。…でも、少し気になってたんだよね」
俺とA子は、毎年この時期になると心霊スポットを巡ることもしばしばあった。
この犬鳴トンネルは県を跨がなくてはいけないが、有名な心霊スポットとしていつか行きたいと話していたのだ。
A子「んじゃ、仕方ない。せっかくだし行ってみよっか」
言葉とは裏腹に、A子は楽しそうな表情を見せていた。
トンネルの前まで来たが、トンネルの入り口がブロック塀で塞がれている。どうにかよじ登れば入れそうな空間は確認できた。
A子「これ…登るの?」
さっきまでの威勢はどこへ行ったのやら。塀を登らなければ入れないと知った時のA子の落胆の表情はまさに天から地という感じだった。
俺「ここまで来たんだから、行くしかないだろ」
A子「えー⁉︎…わかったわよ」
A子は観念した様子で頷いた。
最初は俺がブロック塀を登る。一段一段踏み外さないように丁寧に。上まで到着すると、そのまま待機する。A子を引き上げるためだ。
A子も俺に習ってブロック塀を登り始めた。
A子は運動神経がいい方なのか、思ってたより難航することなく登り切る事ができた。
降りる時も同じように俺が先に降りて、A子が踏み外すなんて不測な事態が起こっても大丈夫なように待ち構えていた。
杞憂だった。
A子は難なく塀を降りる事ができた。
トンネルの内部はもちろん電灯なんて灯っていなかった。
スマホのライトを二人して照らしてみる。
地面には割り箸や缶などのゴミが散乱している。壁にはどこのアーティストが書いたのか、ポップなデザインが描かれていた。
A子「心霊スポットあるあるよね。昼間は誰かの溜まり場になってるのかもね」
とA子が言うが、やはり少し怖いのだろうか。声が震えていた。
俺はA子の手を握り「進もう」と勇ましく声をかけた。すると…
「…ポチャン」
A子の手を握る手に力が入る。
水の音がしたのだ。雨は数日降っていないのに…
A子「俺くん、かっこいいのはセリフだけだったね」
俺は顔が真っ赤になった。
そのままライトを頼りに先へと進んでいく。
歩けど歩けど同じ景色が広がっていた。
A子「そうだ、インスタに載っけてみようかな」
俺「んな、罰当たりな」
A子「こんなところに来てる時点で罰当たりでしょ」
と強気な態度は変わらず、スマホの画面に目をやるA子。
A子「あれ⁉︎…圏外だ」
俺「あートンネルの中だからかもな」
A子「俺くんも見てみてよ」
俺「…圏外だ」
A子「やっぱり…つまんないな」
俺「写真だけでも先に撮っとけばいいだろ」
A子「…そうしようかな」
とA子がスマホを構えたと同時に、高いく野太い音が鳴り響いた。
「ーーーォォォオォおぉンンン」
俺とA子は肩を窄めて抱き合う。
沈黙が続いた。
俺「…聞いた?」
A子「…うん…まるで…」
「•••••••••ハッハッハッ」
二人とも相手の肩を強く握っている。
A子「い、犬だったよね⁉︎今、横を通り過ぎってったよね⁉︎」
俺「…確かに、犬だと思う…でも…こんなところにいるか…?」
確かに、犬の鳴き声と吐息のようなものが聞こえた。
「こんなところにいるか?」と疑問に感じながらも、犬であってくれと二人は願った。
A子「…もう…帰る?」
俺「…そうだな…」
と後ろを振り向き帰ろうかと思ったが、A子が気づいた。
A子「あ…でも、もう出口かもよ?あれ見て」
霞んで見えるが、トンネルの出口のようなものが見える。
二人して胸を撫で下ろした。
心霊スポットは何度か回ってはいたが、ここまで心臓が飛び出そうになったことはなかった。
「もうすぐ解放される」そんな思いからか、さっきより足取りが軽い。
そして…
トンネルを無事に抜ける事ができた。
A子「怖かったね」
俺「俺はあんまりだったけどな」
A子「嘘ばっか。途中から手、震えてたよ」
バレていたようだ。この恥ずかしさが顔に出ていないか不安になったが、そんな気持ちも一瞬で消し飛んだ。
俺「なんだ…これ」
トンネルの出口を抜けてすぐに、年季の入った、今にも崩れ落ちそうな看板が立っていた。
A子「…これって…」
看板「ここから先、日本国憲法は通じません」
俺「え⁉︎どういうこと⁉︎」
何とも言えぬ恐怖が二人を襲う。自然とその看板から距離を取るように後退りしていた。
「カコンッ…シャンシャンシャン•••」
A子「ひっ」
A子が踵で缶を蹴飛ばした。
その缶には紐が付いており、その先の鈴のようなものが鳴っているように聞こえた。
すると間を開けずに聞こえてくる。
「•••ザッザッザッーーー」
足音が近づいてくる。
それが徐々に自分たちを取り囲んでいることに気づいた。
A子「え⁉︎何⁉︎やめて…」
A子がしゃがみ込んで疼くまる。
恐怖で体が震えているのが手から伝わってくる。
俺は周りを確認する。足音は止んではいない。きっと何かが近づいているはずだ。
「•••ゴッ」
何か重いものがぶつかる音が聞こえた…
ん?そういえば…A子の震えが止まった…⁉︎
A子の方を向くと、A子は横になりさっきまでの怯えていた表情から緊張が解けたような安らかな表情に変わっていた。
俺「…A子」
俺は悟った。
次は俺なのだと。
まとめ
旧犬鳴トンネルは福岡で有名な心霊スポットとなっている
現在は封鎖されており、侵入禁止となっている
心霊スポット巡りは自己責任にてお願いします
以上で、【トンネルの怖い話】「犬鳴トンネル」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にもトンネルの怖い話を4選‼︎ご紹介します‼︎※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。
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