あなたは雛祭りと聞くとどんな食べ物を思い浮かべますか?
ちらし寿司?菱餅?雛霰?
どれも綺麗な色をしていて、食べるだけでなく、見ても楽しめますよね。
そんな、雛祭りにちなんだ食べ物達、実は選ばれた由来や意味があるんです。
今回は、雛祭りにちなんだ食べ物に由来や意味はあるのかを紹介します。
雛祭りにちなんだ食べ物の由来や意味

それではラインナップから紹介しましょう。
①ちらし寿司
②菱餅
③雛霰
④白酒・桃花酒・甘酒
⑤はまぐりのお吸い物
①雛祭り:ちらし寿司の由来や意味
酢飯に多種類の具材を合わせて作る寿司の一種
雛祭りにちらし寿司を食べることに関しては特に由来はありません。ですが、何故ちらし寿司を食べるかというと、具材に秘密があります。
ちらし寿司の具材の意味
「海老」という漢字の様態は、長い髭や体が曲がったように見える様子から老人に例えられ、長寿の象徴とされてきた。また、海老は脱皮しながら成長するので、生命が新たに続いていく様から健康や出世も願われている。
赤色が魔除けの色とされているため、魔除け・厄除けの側面も併せ持つ
「まめ」という言葉には、元気、丈夫、健康という意味があり、まめに生きる、まめに働けるという意味合いももつ。
また、まめには「魔滅」と言う漢字を当てることで、「魔を滅する」という意味も込められている
穴が空いていることから、先を見通せるため、将来の見通しがいいとされる縁起物
春の暖かい色合いをしていることから春の雰囲気を感じられるため。
など具材によって縁起を担げるため、めでたい日などに食べる風習となっていたことから、雛祭りでも定番となったのでしょう。
また、寿司という漢字は、「寿(ことぶき)を司(つかさど)る」という意味合いがあるため、縁起がいいものとされています。
②雛祭り:菱餅の由来や意味
和菓子の一種であり、特徴としては、赤(桃)・白・緑の三段になっており、菱形に切られている。雛祭りで飾る雛人形を飾るときにともに備える餅。桃の節句の行事食
雛祭りに菱餅を食べる由来
日本には、中国から伝わった「五節句」というものがあり、その一つ、3月3日の上巳という節句が雛祭りの起源とされています。
中国では、この節句は忌む(いむ)べき日として「上巳」とし、川辺で体を洗い清め、厄払いや禊を行うことを風習としていました。
何故忌むべき日としたかは、中国の昔話が由来となっています。
漢の時代、徐肇(じょうちょう)という男のところに三つ子の女の子が生まれる。だが、誕生から三日後に三人とも亡くなってしまう。人々は「何かの祟り」と恐れ、川で体を清めた
この日が「3月最初の巳の日」であったため、「上巳」という厄払いや禊を風習とする日になったと言われています。
そして、この風習は日本に伝えられました。日本では、紙や藁で作った人形に邪気を移し、川へ流す厄払いの風習へと転じて、現在も受け継がれている「流し雛」となったそうです。
その他にも、厄除けを願って、「母子草」(ははこぐさ)を使用した緑色の草餅を食べるのが慣わしとなっていました。
これが、菱餅の起源とされています。
ですが、「母と子を一緒について餅にするよう縁起が悪い」と嫌煙され、蓬(よもぎ)が使用され始めました。
江戸時代には菱の実を入れた白い餅が加わり、緑と白の二種類になり、形も菱形に統一されました。
明治に入ると、クチナシのみを入れた桃色の餅が加わり、「赤・白・緑」の三色になったそうです。
菱餅の色の意味
菱餅の色は、赤⇨クチナシ、白⇨菱の実、緑⇨蓬にて着色されていますが、それぞれことなった意味が込められています。
赤⇨魔除け、先祖を尊ぶ、桃の花を表現
白⇨子孫繁栄、健康、厄除け、白い雪を表現
緑⇨魔除け、健康、草の芽や大地を表現
となっており、三色合わせると風情溢れる意味合いになります。
それは「春近い季節、白い雪の下には緑の草が芽吹き、桜の花が咲く」というものです。
菱形になった由来
菱の繁殖力高いことから、子孫繁栄を願って菱形にしたという説
菱の実を食べて千年長生きした仙人にちなんで菱形にすることで長寿の願いを込めた説など。
③雛祭り:雛霰の由来や意味
和菓子(あられ)の一種であり、特徴としては、赤(桃)・白・緑の色をしている。雛祭りで飾る雛人形を飾るときにともに備える餅。桃の節句菓子
雛祭りに雛霰を食べる由来
江戸時代には「雛の国見せ」という風習がありました。
「雛人形を持って海や山や野の景色を見せてあげる」というものです。
そのときに持っていったお菓子が「雛霰」だそうです。
江戸時代の女の子は、雛人形とともに美しい自然を眺めながら雛霰を食べていたんですね。
雛霰の色の意味
外でも菱餅を食べれるようにと、三色の菱餅を砕いて作ったとされているので、意味は菱餅と一緒ですが、四色の雛霰の場合は四季を表すとされています。
緑⇨春
赤⇨夏
黄⇨秋
白⇨冬
④雛祭り:白酒・桃花酒・甘酒の由来や意味
日本の酒の一種であり、特徴としては、焼酎や味醂に蒸した糯米(もちごめ)、麹(こうじ)を加えて一ヶ月ほど熟成させたのち、すり潰して作られる。雛祭りにて祝いのために出される
日本の酒の一種であり、特徴としては、桃の花を浸した酒
甘粥(あまがゆ)とも呼ばれる。日本の甘味飲料の一種。見た目は白く混濁している
雛祭りに桃花酒を飲む由来
室町時代には、桃の花を浸した酒、桃花酒を飲んでいました。
また、縁起物という意味合いも強く、当時すでに上巳という節句はあったため、桃に由来し好んで飲まれていたのでしょう。
雛祭りに桃花酒を飲む意味
「桃」は「百歳」(ももとせ)まで生きられるとの願いが込められており、「桃太郎」が鬼退治をする様子から「桃」には邪気を払う力があると考えられていました。
なので、長寿と厄払いの意味が込められています。
江戸時代には白酒に変わったそうですが、現在も桃花酒が飲まれることもあります。白酒ともに縁起物のため、験担ぎの意味合いが強く残っています。
雛祭りに白酒を飲む由来・意味
白酒を飲む由来はいくつかあるので紹介します。
大蛇をお腹に孕ってしまった女性が、3月3日に白酒を飲むと、大蛇が産まれる前に出すことができたことが由来し、「悪い子がお腹に宿らないように」という意味も込めて飲まれるようになった
「豊島屋酒屋」が白酒を出してヒットした。「豊島屋の初代が寝ているところ、枕元にお雛様が立ち、白酒の作り方を伝授」されたという言い伝えがある
白酒はたちまち江戸中に評判となり、徳川将軍も好んで飲んでいたそうです。
女性にも飲みやすく、桃の花との対比(赤・白)も美しくめでたいということで、雛祭りのお酒として定着したそうです。
雛祭りに甘酒を飲む由来・意味
雛祭りに甘酒を飲む理由としては、アルコールが飲めない子どもや、下戸の人でも飲むことができるからだと言われています。
甘酒を選ぶ理由としては、白酒のように白いことが要因のようですね。
⑤雛祭り:はまぐりのお吸い物の由来や意味
はまぐりのお吸い物は古くから好んで飲まれていました。
また、はまぐりは別の貝殻同士ではくっつくことはなく、初めからくっついている貝殻でなければ重なりません。
その特徴から、「一生で一人の人と添い遂げる」という良縁祈願の意味合いを持ち、雛祭りで出されます。
まとめ

雛祭りには色鮮やかな美味しいものが食べられる
定番のものが出てくるのには縁起物や厄払いの意味合いがあった
未成年や下戸の人はアルコールを控える
以上で、【雛祭り】雛祭りにちなんだ食べ物に由来や意味はある?わかりやすく紹介を終わります。
他にも、【桃の節句】雛祭りとは何か?起源や意味、過ごし方を紹介しますという記事もありますので、興味がある方は是非ご一読ください。
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