あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな中でも「海の怖い話」は舞台としてもメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する海の怖い話は「お盆」です。
夜中に読むのはおすすめしません。
何故なら、眠れなくなっても責任取れませんから…
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気になる方は、下記の記事を参照ください。

【怖い話】海の怖い話「お盆」
花の香りがした。

甘くて、でもしつこくなくて、爽やかに包んでくれるような、優しい香り。
家が花屋さんだからかな。
着ている服からそんな香りがするんだ。
しばらく一緒にいると、僕の服からも同じ香りがしているような気がする。
それが…なんでかわからないけど嬉しかった。
「また会いに行くね」
そういって車に乗ったあの子を見送ってからは、あの優しい香りを嗅ぐことはできなくなった。
だけど、鼻の奥に、頭の中に、今でもしっかりと残っている。
あの子のかわいらいしい笑顔と一緒に。
だから、寂しくなんかなかったんだ。
あの夏が来るまでは。
何気なしに聞いていた。
いつものように、特に聞く気にもならないけど、耳に入ってくるその音声を、何気なしに聞いていた。
親も特に見る気もないのだろうか、チャンネルだけ合わせて料理をしたり、スマフォをいじっている 。
だから、多分全員が聞き逃していたんだと思う。
そのニュース番組に、身近な出来事が流れるなんて思っていもいないんだから。
僕が知ったのは、きっとそのニュースが流れたあとなんだと思う。
誰かの家の前だったり、電柱の影や、公園…
誰かと誰かの親が、誰かの噂話で盛り上がる、そこで僕は知ったんだ。
いつも以上に…熱心?に話しているように見えていた。
僕がそばを通り過ぎると「知ってる?」「仲良かったよね?」「ショックじゃない?」「大丈夫?」と声をかけてくる。
暑くて止まらないのは、汗だけじゃなくて、口数も同じみたいだ。
なんとなく、仲が良かった僕から情報を聞き出そうとしているんだと思った。
だって、あの人たちは、僕なんかより、目には見えない噂話の方が大事なんだから。
あの子が事故で亡くなったことより、その話で盛り上がる方がよっぽど。
僕は、嫌気が差して何も答えその場を離れた。
「やっぱり辛いよね…」
なんて後ろから聞こえてきたけど、心配しているフリにしか聞こえない。
落ち着いて冷静になると、急に胸が苦しくなった。
心のどこかで、またあの子と会って、話して、遊んで…
一緒に笑い合えると思っていたから。
もう、会えないって思うと…涙が止まらなかった。
鼻が詰まっているからだろうか。
あの子の、香りが思い出せない。
笑ってる顔も…想像できなくなっていた。
「また会いに行くね」そう言っていたのに…
僕の足は自然と海に向かっていた。
あの子とよく遊んでいたのを思い出したから。
海に行けば、あの子のことを少しは思い出せるかもしれないと、思ったから。
それに、じいちゃんが言っていた。
お盆には亡くなった人が帰ってくるって。
あの子も、もしかしたら思い出して海にいるかもしれない。そんな予感がする。
いつもはパラパラと人がいるのに、何故か誰もいなかった。
浜辺にはパラソル一つ立ってなく、サンダルに入り込んでくる砂粒が気持ち悪かった。
波の音と、生臭い潮風の匂いだけが身体を包んだ。
あの子を探しに来たのに、顔を上げる気にはならない。
足元ばかり見て歩いていた。
すると、波風に紛れて何か聞こえてきた。
「ーーー」「ーーい」「おーい」「おーい」「おーい」「おーい」「おーい」
誰かが呼んでいる。
声の方を振り向く。
海の中に、おじさんが立っていた。
少し小太りしたおじさんが、両手を大きく左右に振りながら叫んでいた。
「おいでー」「おいでー」「おいでー」「おいでー」「おいでー」「おいでー」
なんで僕を読んでいるのかはわからなかった。
何か困っているのか…僕に用事があるのか…
波肌が足を撫でるところで、気づいた。
おかしい。
何かが違う。
人って…あそこまで…曲がるの?
おじさんは、両手を振りながら身体を左右にくねらせていた。
表すなら…そう。ひらがなの「く」のように。
少しずつ、確実に温度が下がっていくような感じがした。
足が震える。身体が動かない。
「楽しいよー」「楽しいよー」「楽しいよー」「楽しいよー」「楽しいよー」
おじさんは、身体を揺らしながらゆっくりと近づいてくる。
怖い。逃げなきゃ。
頭ではわかっているのに…
「ほら、手を出して」
低くて太い声でおじさんは言った。
僕の身体にもう少しで手が届く位置で…
揺れが止まった。そして…ゆっくりと手を伸ばしてくる。
「いいいいい、イ、イ、い、、、一緒、、一緒に、イコウネェ…」
おじさんの手が僕に触れる、その前に、誰かが僕の腕を引いた。
「走って」
そう言った気がした。
さっきまで震えていた、固まっていた僕の身体は、嘘のように動き始めた。
浜辺を駆け抜け、堤防に登り、後ろを振り向く。
おじさんは追ってくることはなく、海の中で立ち尽くしていた。
そして、諦めたのか、振り向いて歩き出す。
海の中に消えていった。揺れながら。
僕は一息つき、腕を引いてくれた人のことを思い出す。
見渡しては見るけど、誰もいなかった。
だけど、僕の腕を掴んだ小さな手の感触は、しっかりと残っていた。
ほのかに、甘い香りがする。
やっと、思い出した。
あの、優しい香を。
走りながら、聞いた気がするんだ。
「会いにきたよ」って。
まとめ

知らない人には、付いていってはいけない
お盆の海に入ると、連れて行かれるという迷信がある
科学的にも、離岸流などにより、お盆の海では水難事故が多発している
以上で、【怖い話】海の怖い話「お盆」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】海の怖い話「厳選5選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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