あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな中でも「電車の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する電車の怖い話は「駅員」です。
夜中に読むのはおすすめしません。
何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

【怖い話】電車の怖い話「駅員」

一日に何人もの人が行き交う駅の構内。
駅員をしているといろんな人を見かける。
「いろんな」と丸く言ってみたが、正直に話すと「悪い意味で」だ。
この前いたのは、改札を二人並んで通ろうとする奴だ。
無賃乗車目的なんだろうけど、バレないとでも思ったのか、改札で引っかかっていた。
解せないのは、何故かそれを堂々と窓口にいる俺に報告してきたことだ。
忙しくてその場は適当にあしらったけど、何を考えているのか不思議でならない。
そんな特異とも言える人たちが、特に求めてもないのに、特に期待してもないのに•••
どういうわけか自然と集まってくるんだ。
そして今•••
直面しているのは更に不可解と言わざるおえない、とても奇妙な出来事だった。
やけに疲れ切っている、そんな男だった。
スーツを着て、片手に革製のカバンを持っていることから、サラリーマンなのだろうと推測する。
いつも気だるそうに俯き、改札を抜けていくその姿に、仕事の疲れが溜まっているのだろう、ということは容易に想像できた。
変な気でも起こしてくれなければいいが•••
そんなことを思いながら毎日見送っていた。
ある日、いつも通り俯いて改札を抜ける男の後ろに、小さな女の子が後を追って通り抜けているのが見えた。
付かず離れずで男の後ろに付いている。
改札が反応しない辺り、切符かICカードを使ってはいるのだろう。
その場は特に不思議には思わなかったが、来る日も来る日も同じような景色を見送り続けていると、さすがに気に掛かってくる。
子どもがいるのだろうか•••
その程度ではあったが、白いワンピースに、長い黒髪がうねって張りついている姿に、少し気味悪さを感じていた。
最初に女の子を見かけてから、数日経った頃だ。
男が改札を抜ける。
いつものように、そのままホームへ歩いて行った。
だけど、女の子は、立ち止まっていた。
改札を抜けず、立ち止まり•••
こちらを向いていた。
目が合った。
そこで初めて気づく。
それは、女の子ではなかった。
遠目でも視認できるほど頬は弛み、深い皺が刻まれていた。
そうなってくると、白いワンピースに黒く長い髪がうねって張りついている、という印象も違って感じてくる。
何故勘違いしたのか、そう思えるほど正面から見た女の印象は強かった。
それはそうか。
女の子と断じていたのは、身長が男の腰までしかない、という特徴だけだったのだから。
女は•••俺から視線を外すことはなかった。
どれくらい経っただろうか。
時間にしては数秒だろうが、感覚的にはもっと長く思えた。
女は、弛んだ頬を徐々に動かし口角を上げていく。
垂れ下がった目が頬に圧迫されて更に細く見える。
見たこともない気色悪い笑顔に俺は思わず目を背けた。
背中に悪寒が走る。
一瞬世界から色素が消えてしまったのではないかと思うくらい空気が落ち込んだ。
それでも仕事は無常にも進んでいく。
窓口に男が立ち寄ってきた。
すぐに外した視線を男に向ける。
視界の端で、気づかれないように女の様子を窺ったが、すでに女は姿を消していた。
俺はホッと心を撫で下ろし、業務に励む。
その日は忙しかった。
構内では騒がしく人が行き交い、電車の遅延対応や、アナウンス、他部署とのやり取りまで業務内容は多岐にも及んだ。
相当疲労が溜まっているのが自分でもわかる。
それでも、次の日も職場に足を運んだ。
同じように窓口に立ち、利用客へ応対する。
もう来るはずもない男の姿を思案しながら、辺りを見渡す。
違和感が•••あった。
いつもと同じ風景のはずなのに、どこか違うような•••そんな違和感が。
その正体に気づくのに、そこまで時間は要らなかった。
近くに•••すぐ•••そこに。それはあった。
視界の端に映り込んでいた。窓口に備え付けてある、机の陰に潜んでいた黒い物が。
何だろう•••
視線を落とす。
そこには、顔の面積からは考えられないくらい口角を横に広げ、細い目を八の字に伸ばして笑っている女がいた。
あまりの衝撃に数歩後ろにのけ反る。
女の低い身長のせいで、後ろに下がった俺から角度的に机の陰へ姿を消してしまった。
何が起こったのか頭が困惑した。
心臓は高鳴り、思考力が鈍る。
どうしよう•••
そう思った俺が取った行動は•••
まさかの応対だった。
「困ったことがあって、窓口に来たのかもしれない」そう思ったから。
恐る恐る足を進める。
崖下を慎重に覗き込むように顔を出すと•••
女の姿はもうそこには無かった。
大きくため息をつく。
それと同時に、緊張やら恐怖やらが口から抜けた気がした。
その日は特に何も起こることなく、業務は終盤を迎える。
終電を迎えた頃、同僚は構内を巡視、俺は締め切った窓口の中で締め作業を行なっていた。
立ち上がり、自分のカバンに荷物を詰める。
抜け切っていない疲れが全身に気だるさを残しているのを感じながら首を回す。
「ゴリゴリ」という首周りから出ているであろうリズミカルな音に耳を傾けていると、小さな衝撃が肩にかかった。
トン
同僚が帰ってきたのか?
それにしては早いな•••
そう思いながら振り向く。
だけど、そこには誰もいなかった。
首を傾げつつも、気のせいかと思い向き直そうとした時•••
異様に長い手が視界の下から伸びてきた。
トン
俺の肩を•••叩く。
視界がぶれた。
見たくないから。
額に嫌な汗が滲む。
そこにいるとわかるから。
心臓が破裂しそうなくらい弾む。
この後、何が起こるかわからないから•••
見たくもないのに、見てしまう。
そこにいる何かを、これから起こる何かを、確認するために。
落とした視線の先にあるものは•••
満面の笑みだった。
違う。
不気味な笑みだった。
黒い髪で隠れていて気づかなかったけど、女の顔は、異様に横に広かった。
口は、眼はここまで長く広がるものなのか•••
ここまで•••恐怖を抱く顔があるものなのか•••
女は口を開く。
俺を視認しながら、絡みつくような声でこう言った。
ワタシとイッショなのネ
俺の記憶は、そこで途切れた。
再開したのは、巡視から帰ってきた同僚の物音に気づいてからだ。
その時には、女の姿はなく、それ以降も見かけることはなかった。
まさか、締め切った窓口にまで入ってくるなんて•••
本当に、いろんな利用客がいるもんだ。
それにしても、節度は守ってほしいよな。
こっちは真面目に働いているだけなんだから•••
それなのに、次から次へといろんなことが起こる。
次は•••一体何が起こるのだろうか。
まとめ

駅には、一日何百、何千と利用客がいる
その全てが、人だという保証はない
それは、駅員から見ても、利用客側から見ても同じだ
以上で、【怖い話】電車の怖い話「駅員」を紹介※眠れなくなっても責任取れませんを終わります。

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