【怖い話】アルバイトの怖い話「100均」を紹介※眠れなくても責任取れません

レジに差し込む木漏れ日

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「アルバイトの怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介するアルバイトの怖い話は「100均」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから…

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

目次

【怖い話】アルバイトの怖い話「100均」

怖い商品棚

 いろんなお客さんが来るんだ。

 本当に…びっくりするくらい、ね。

 最初はそのうちの一人かなって思ってたんだけど…

 どうやら違うみたいだった。

 いや、何か目的があって来店している辺り、お客さんには違いないのかもしれない。

 それでも、きっとそれは受け入れられないんだろうな。

 というより、気づかれないんだと思う。

 だって、何を想って、何がきっかけで、何に満足するのか…

 店内の目を惹くポップには一瞥もくれず、ただただそれのみを見続けている…

 そんなあの人の気持ちは、誰もわからないんだから。

 レジに通しても、支払いは発生しない。

 POSシステムさえも機能しない、そんな哀しい場面を、僕は見たのかもしれない。


 高校を卒業してすぐのことだった。

 もう少し遊びたい、という気持ちもあり進学を選択したけど、裕福な家庭じゃないからお小遣いが潤沢にあるわけもなく。

 ましてや、周りでは就職してお金を稼いでいる友人もちらほらいた。

 自分だけお小遣いで凌ぐのは少し気も引けるというのもある。

 ということで、アルバイトを探すことにした。

 正直、家が近ければどこでもいい。

 働いてお金を稼ぐ、その一連の流れを早く味わってみたかったから…

 求人雑誌をめくってみる。

 最初はどう見たらいいかちんぷんかんぷんだった。

 地域別だったり、職業別だったり…どっちで探せばいいのかわからなかったから。

 結局、最後までわからず、地域別のみに焦点を当てて探すことにした。

 住んでいる地域のページを開く。

 ざっと見て、ページをめくろうとした時、隅に載っている求人が目を惹いた。

 そこに記載されていたのは、通学の時によく目にする100円均一の店だ。

 ここなら家からも近い。

 時給も…高くはないが、低くもない、か。

 すぐに電話をかけて面接の日取りを決めた。

 初めての面接だったから、ドギマギしたけど、実際受けてみればなんてことはなかった。

 週何日入れる?何時から何時まで希望?土日は大丈夫?テスト期間は?

 なんて、シフトに関することしか聞かれなかったから。

 一つだけ気になったのは…

 一年後には店自体潰れて無くなってしまう、ということくらいか。

 それでも僕は首を縦に振った。

 せっかく面接に来たのに、また一から雑誌を開いて、電話して…

 それがとてもめんどくさかったから。

 それに、またその時に次を探せばいいだけだから…

 面接を終えたその日に、合格の電話が入った。

 その三日後には、レジに立つことになる。

 いろいろと戸惑うことは多く、予想はしていたが、レジのお金を実際に触ってお客さんとやり取りするというのは、やっぱり焦って緊張した。

 女性の先輩が優しく教えてくれるし、レジにも一緒に立ってくれたけど、それでもお客さんが並んで列ができると申し訳ない気持ちも少しは浮かんでくる。

 そっと横に立ってレジ袋に商品を入れてくれる姿は、先輩然としていてかっこよかった。

 それから1週間もせずに、一人で業務をこなすことに。

 覚えることはさほど多くはなく、立地からか、忙しい時間帯はあるけど、暇な時間が多かったからすぐに飲み込めた。

 店舗に社員が立つことは全くといっていいほどなく、アルバイトのみで回していた。

 一年後に潰れる、という話も、なるほどな、と実感する。

 まぁ、楽してお金が稼げると思ったら…ありがたい話か。

 そんなこんなで、働き始めて数ヶ月が経っていた。

 繁盛しているとはお世辞にも言えないが、それなりの数の接客は行なっていた。

 その中でも、変わったお客さんというのは、やはり記憶に残りやすい。

 100円で気軽に購入できるとはいえ、買い物籠を何個も使用し、100点以上購入するマダム…

 昨日の…あれよ、あれ…テレビでやってた…なんだっけ?忘れたから帰るわ、という物忘れおばさん…

 支払いは…お米でいいですか?と聞いてくる物々交換おじさん…

 濃い…数ヶ月で…こんなに濃いなんて…

 潰れる理由は…これにあるのかもしれない…

 接客している時は、疲れたり、呆れたりしたけど、時間が経てばやや面白くも感じる。

 これ以上はないだろう…と思ってはいたけど、そんなことはなかった。

 僕に教えてくれた先輩と一緒に開店準備を行なっていた時だ。

 店内をモップをかけて掃除をしている時、開店時間の30分前だというのに、自動ドアの前で立っている人影が見えた。

 今までも開店前に並んでいるお客さんを見かけたことがあったから、その場はスルーしてモップをかけることにした。

 毎日毎日モップをかけて…そんなに汚れるものだろうか、とぼやきながら手を動かす。

 背後から流れてくる風が、身体を通り過ぎるのを感じた。

 まさか…と思い振り返る。

 目に入ってきたのは、自動ドアのすぐ近くにあるレジの前に立っているお爺さんだった。

 自動ドアは…閉じている。

 自分で開けたのか?

 いや、鍵が掛かっているはず。

 先輩が開けたのか?

 いや、そんな音は聞こえなかった。

 バックヤードから、自動ドアを開閉した?

 いや、自動ドア自体に鍵を掛けているから無理だ…

 咄嗟に思考が駆け回ったが、答えは出ない。

 それでも、開店前の店舗にお客さんを入れることはあってはならないという明確な事実だけは変わらない。

 注意して退店してもらわないと…

 一歩一歩近づき声をかけるも、あまりの出来事で言葉がうまく紡げない。

 あっ…とか、くっ…とか言葉にならない声だけが先に出る。

 そして、近づくにつれ、何か違和感がした。

 どことなく、溶け込んでいない…浮いているような…そんな感じ…

 まるで、洋風な建物の中に、和服を着た女性が立っているような…

 2Dの絵の中に3Dのキャラを描いているような、そんな印象をお爺さんから受けた。

 直感。

 ただの直感。

 これは、気づいてはいけない。

 幸い、こちらを向いていない…気づいていない…はず。

 震える膝を抑え、少しずつ後ろに滲み寄り商品棚に隠れた。

 怖いながらも、視界から外すことがなかったお爺さんは、レジの方を向いてこちらに気づく様子はない。

 バレずに隠れることができたことに多少の安堵はしたけど、お爺さんが店内にいるということには変わりなかった。

 どうしよう…どうすればいい…なんでこうなったんだ…

 足の震える音でバレるかもしれないと手で抑えながら、答えが出るはずもない問答をしていた。

 その時…

 「どうしたの?」

 と先輩が反対側の棚の端から声をかけてきた。

 せっ…んぱっ…

 「落ち着いて」

 優しくも諭してくるような先輩の声に、落ち着きを取り戻す。

 それと同時にあることに気がついた。

 先輩は、商品の陳列をしていた…そして僕が隠れた棚の反対側の入り口から声をかけてくれた…

 ということは、レジの前を通っているはず。

 お爺さんと、対面した可能性すらある。

 お爺さんが…いませんでしたか…

 精一杯振り絞った言葉だった。

 その割には、単調に、端的に返答が来た。

 「お爺さん?いや、いなかったよ」

 そんなはずは…

 恐る恐る、棚から顔を出してレジ前を確認する…

 確かに…いなかった。

 「ほら、自動ドアも開いてないし。いるはずないよ。寝ぼけてたんじゃない?」

 笑いながら話す先輩の言葉に、もしかしたら昨夜の夜更かしが…なんて考え始めていた。

 一応、見間違いじゃなかった場合も考えて、手分けして店内を見てみようと提案する先輩。

 嫌だったけど、「お爺さんでしょ?なら私でも大丈夫だよ」なんて話してくる先輩の言葉には逆らえなかった。

 恐る恐る見回ってみる。

 結局先輩の言う通り、お爺さんはどこにもおらず、人知れず昨夜の徹夜を呪ってみたりした。

 「もう、夜更かしでもしてたんじゃない?」

 なんて当てずっぽうで的中させてくる先輩には頭が上がらない。

 それから数ヶ月、店舗もいよいよ閉店に向けて動いていた。

 動いていた、というより仕入れを制限していた。

 商品が並んでいない棚も日に日に増えてきている。

 分かりきってはいたけれど、実感すると少し寂しい気持ちにもなる。

 閉店作業をしながら、先輩が話してくれた。

 「もうすぐ、教えてから一年になるね」

 迷惑かけてばかりだった。

 「最初は、初めてのアルバイトって聞いて大丈夫かなって心配だったんだよね」

 何もかもが初めてで、戸惑って…それが伝わっていたのかも知れない

 「でも、今では誰よりも早いよね」

 良い評価に変わったみたいで…本当に良かった。

 「閉店作業が、ね」

 良い評価…?

 そんな談笑をしつつも着々と閉店作業は進んでいく。

 最後に、見回りをしにバックヤードから出ようと扉に手をかけた。

 ひっ…

 自分でもびっくりするくらい情けない声が出てしまった。

 扉に付いている窓から見えたから…

 レジの前から、こちらを向いて立っている…

 あの時のお爺さんが…

 異変に気付いたのか、先輩が心配する声が聞こえた。

 「どうしたの?何かあった?」

 僕は、扉に指を向け、精一杯の声を出す。

 お…おじい…さん…が…

 先輩が足早に近づいてくるのが見えた。

 一緒に窓に視線を移してレジ前を確認する。

 …が、お爺さんはいなくなっていた。

 「何?また夜更かしした?」

 やや怪訝そうな声が耳元で聞こえてきた。

 前回同様、一応見回りをしてみるが…やはり影も形も見当たらない。

 「もしかして、そういうキャラ付け?」

 なんて不名誉なキャラ設定をされてしまったこともそうだけど、何故僕にだけ見えているのか…いや、僕だけ気付いてしまうのかが、気がかりで仕方なかった。

 キャラ設定を返上したかったけど、そんな機会もなく店は潰れてしまった。

 お別れ会、と銘打った最後の飲み会に参加した時も、返しそびれることになる。

 みんながお酒を飲んでいる中、ウーロン茶で参加した僕は、周りの空気に僕だけ浮いてしまっていた。

 楽しく談笑している先輩方のノリについていけず、苦笑いで返答することしかできずにいる。

 この人たち…箸が転んでも笑うんじゃないか…よくこの状況で笑えるよな…

 もしかしたら、お酒を飲んだことがない僕だからこそ、この空気を理解できていないのかもしれない。

 「そういえばさ…」

 そんな中、先輩が口火を切った。

 「○○くんの時だけだったよね」

 「ほら、例のお爺さん」

 「他の人の時は出てないんだよ」

 「不思議だよねー」

 他の先輩方は知らずに驚いているみたいだ。

 キャラ付けやどうやと話出さない辺り、先輩の優しさを感じると共に、少しホッとした。

 「あ、お爺さんと言えば…」

 あー、なるほど。

 そういうことか。

 先輩の話で、少しだけ腑に落ちた。

 僕の時だけ、お爺さんが出てくる…

 僕だけ、お爺さんを見ることができる…

 違う。

 僕じゃない。

 お爺さんは、先輩を見ていたんだ。

 それを、僕だけが気付いた…

 最初にお爺さんが出てきた時は、レジの方を向いていた。

 それは…その奥で商品を陳列していた先輩を見ていたんだ。

 次に出てきた時、バックヤードを向いていたのは、僕を見ているんだと思っていたけど、違う。

 一緒にいる先輩の方を見ていたんだ。

 それに気付いたのは、話を続けた先輩の一言だった。

 「うちのおじいちゃん、この間なくなったんだよね」

 それなら納得だ。

 誰も違和感を感じていないこの状況も理解できる。

 箸が転んでも笑える雰囲気の中、先輩の横にお爺さんが鎮座していてもおかしくはないよな。

まとめ

店内のバックヤード
point

接客業に携わっている人は、少なからず変わったお客さんを接客したことがあるだろう
そのどれもが、生きている人相手
けれど、来店してくるお客さんが全てそうだとは限らない

 以上で、【怖い話】アルバイトの怖い話「100均」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】アルバイトの怖い話「厳選5選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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