【怖い話】電車の怖い話「トン」を紹介※眠れなくても責任取れません

誰もいないホーム

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「電車の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する電車の怖い話は「トン」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

目次

【怖い話】電車の怖い話「トン」

駅のホーム

 全てが憂鬱だった。

 何もかもが鬱陶しくて、そのどれもに憂いていた。

 そのせいか、記憶を辿って出てくる景色は、寝起きの薄暗い天井と、混雑している駅のホーム、タスクが山積みのデスク周りくらいだ。

 起きては職場へ、終わればウチへ•••

 そんな毎日。それが毎日。

 身体は重く、心が沈む。

 思考回路が閉ざされているかのように、頭はあまり働かない。

 それはそうか。

 持ち主が働きたくないんだ。そりゃ頭も従わないよな•••

 「何かきっかけがあれば」こんな毎日が終わるのだろうか。

 「何かきっかけがあれば」楽になることができるのだろうか。

 「何かきっかけがあれば」•••

 そんなことばかり、考えている。

 願うだけじゃ、思うだけじゃどうしようもない現状に。

 願うだけしかできず、思うだけしかできないどうしようもない現実に。

 それは案外すぐに、やってきた。

 ゆっくりと、確実に、絡みつくようにやってきた「きっかけ」が•••

 僕の肩を叩いた。


 目を開けると、まだ薄暗い天井が広がっていた。

 重たい身体を動かしつつ、支度を済ます。

 背広に手を通し、玄関を出る。

 太陽は登ってはいないが、存在感を示すように、辺りは青いまだ見ぬ陽光に包まれていた。

 最寄り駅までの道中、普段、腰回りの可動域を制限しているポケットに違和感を感じる。

 スマフォを忘れていた。

 •••まぁ、いいか。連絡を取る相手もいないし。

 重たい足を投げやるように前へ進めながら歩いていると、まだ朝早いというのに、忙しなく人が傾れ込んでいる構内へと続く階段が見えた。

 これからあれに交わるのかと思うと、自然と溜め息が出てくる。

 エレベーターも備え付けられてはいるが、誰かと一緒に入らないといけない可能性を考えると、気が引けた。

 これから嫌というほど人並みに揉まれるのだから。

 改札を抜ける時、書類で重くなった鞄が狭い通路で邪魔に感じたが、気にせずホームまで進む。

 どこを見ても「人」「人」「人」顔を上げて歩く気にもなれない。

 ホームに降り、誰も並んでいない乗車口を探していると、いつも決まった番号の前に辿り着く。

 これほど人が多くても、誰も並ばない車両は探せばあるものだ。

 何故か、止まる電車の車内は満員の人で溢れているというのに。

 乗り込むのはいつも僕一人だ。

 僕だけが、世界から隔離されているのかと考えたこともあったが、もういつだったか忘れてしまった。

 結論なんて出ることはなかったから。

 耳に入ってくる情報は、とても不快に感じた。

 鳴り響くアナウンス、電車の走行音、それは対して気にならない。

 だけど、人が織りなす音•••衣擦れや、靴音なんて細かい音は聞こえないけど、確かにそこにいる、そこで息をしている、そんな音が不快で気持ち悪く思えた。

 顔を振ったりはしてみたものの、どうしても振り払えないこの音に、心がざわつく。

 落ち着けようと胸に手を合て深呼吸をする。

 カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

 近くで踏切の鳴る音が聞こえてくる。

 少し落ち着いてきたのだろうか、背中からスーッと体温が引いていく感覚がした。

 背骨を中心に、少しずつ身体全体を冷たい空気が包んでいく。

 腕にゾワゾワと違和感を感じた。

 見てみると、鳥肌が立っている。

 何かがおかしい。

 そんな直感がした。

 額からじわじわと気持ち悪い脂が滲む。

 周りの空気は歪み、身体の中身が増えたのかと思うほど重く地面に引っ張られている感覚がした。

 身体がうまく動かせない。

 それなのに、不快な音だけは耳から離れずまとわりついてくる。

 気づいているのは•••僕だけなんだろうか。

 トン

 何かが、僕の肩を叩いた。

 重く固まっていた身体は、その反動に耐えきれず、ゆっくりと前傾へ移行する。

 身体を支えようと、咄嗟に右足が前に出た。

 身体が、動くようになっていた。

 前方で通過する特急列車の風を全身で感じながら、振り向く。

 そこには、誰もいなかった。

 僕以外並んでいない乗車口には•••

 やっぱり僕しかいなかった。

 •••数日後。

 同じように気だるい身体に鞭打ちながら駅のホームに降りる。

 誰もいない乗車口を目指し歩を進めた。

 案の定、いつもの場所で足を止める。

 蝉の音のように、いつの間にか鳴き始め、絡みついてくるような不協和音を全身に感じながら電車を待つ。

 カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

 近くで踏切のなる音が聞こえてくる。

 昨日のことを思い返せるような容量は脳内に残ってはいなかったが、無理矢理にでも引っ張り出された。

 背中に同じ感覚がしたから。

 足先からとプールに浸かる時のように、ゆっくりと、そして次第に全身に•••

 背中を中心に伝ってくる。

 視線は足元の白線を見ることしかできず、身体は完全に動かせないでいた。

 纏わりつくような蝉の音が、より一層大きく聞こえてくる。

 まるで、僕に向けて鳴いているかのように。

 トン

 何かが、僕の肩を叩いた。

 冷水に浸かっていた身体は、ゆっくりと前傾姿勢を取っていく。

 上体が白線を越し、視界が地面に近づいた時、紐を切ったかのように足が勢いよく前に出る。

 転けずに済んだことより、頭は背後の誰かに気が向いていた。

 前方で通過する特急列車の風を全身で感じながら、振り向く。

 そこには誰もいなかった。

 誰もいない、はずなんだ•••

 僕がそこを選んだんだから。

 •••次の日。

 予感がしていた。

 何かが起こるような、そんな予感。

 そして、心は荒れて、ざらついていた。

 「そこに誰かがいる」そう思うだけで腹立たしくさえ思えてしまうほどに。

 同じなのに、何かがちがう。

 同じようにホームを降り、同じように誰も並んでいない乗車ぐちで足を止める。

 耳ざわりで、鬱とうしい音が心にふれる。

 カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

 近くでふみ切りのなる音が聞こえてくる。

 何もかもにむしゃくしゃしていた。

 職場での理ふ尽なしごと量

 りふ尽な上司のいかり

 りふじんな周りのひょうか

 なにもかもに。

 それは•••おまえにも‼︎

 いきおいよく左てに持ったかばんをはいごに振りまわす。

 だれもいないはずの空かんで、誰もいないはずのあい手に、ゼンりょくでふりヌいた。

 そこには、ダレもいなカった。

 おオきく弧をえガいたカばンは、いきオいあマって背後にボくを引っパる。

 後方で通過する特急列車の車体を全身で感じていた。

 そして、その時間のホーム、僕以外の利用客は誰もいなくなった。

まとめ

朝霧の車線
point

このご時世、どこにいくにも「人」がいる
誰もいないところなんて、ないのかもしれない
そして、誰もいないと、誰が証明できるのだろうカ

 以上で、【怖い話】電車の怖い話「トン」を紹介※眠れなくなっても責任取れませんを終わります。

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