あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる気かはあるのではないでしょうか。
そんな中でも「山の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する山の怖い話は「趣味」です。
夜中に読むのはおすすめしません。
何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【怖い話】山の怖い話「趣味」

趣味は人生を豊かにしてくれる。
辛い時には、張り詰めた緊張の糸を緩めることができる。
幸せを感じる時には、より人生が煌びやかになる。
「辛」「幸」この間には実は「一画」しか違いがないのに、この違いが僕たちにとっては大きい違いになってしまう。
でも、この一画しかない隔たりを通して、僕たちの味方になってくれるのが「趣味」だ。
だからこそ、趣味は人生を豊かにしてくれる。
僕にとっては、それが「登山」だった。
会社でのストレス、自宅での育児、仲が良くない夫婦間でのいざこざ•••
そんな辛い状況でも、息を抜いて落ち着くことができる。
明日からまた頑張ろう、と鼓舞することができる。
だから今まで頑張ることができた。
そしてこれからも•••
ずっと続けていけると思っていたのに•••
こんなことになるなんて•••
ほんと羨ましいよ。
僕にはできないことを、できているお前らが。
僕が一番感じているストレスは、嫁に対してだった。
会社で溜まった疲れ、ストレスを落ち着く場である家で癒す•••
それが家庭持ちの会社員のルーティーンだろう•••
でも僕は違った。
確かに、自分の子どもはかわいい。
癒される•••
だけど、その癒しを帳消しに•••いや、更に負荷をかけてくるのは嫁だった。
何か口を開けば、嫌味しか出てこない•••
やれ「育児を手伝え」「ゴロゴロするな」「私がいなきゃ何もできないの」•••
「こっちは家族のために働いてお金を稼いでいるのに、こんな扱いされて良いわけが無い‼︎」
「お前だって、昼間お菓子食べたり、お母さんに子どもの面倒を頼んで友達と出かけたりしてるじゃないか。なんだよ、ランチで2千円って。僕には5百円しかくれないのに‼︎」
とは面と向かって言えるわけが無いのだけど。
どう返事が来るかも分かりきっているから•••
それに、育児を任せている割合が多いのは間違いない。
今では小学生に上がって手がかかることも少なくなってはきた。
でも、それより前は急に熱が出たり、体調を崩すことも多かった。
僕が仕事に出ている間に病院に連れて行ったり、夜泣きにも眠い目を擦って対応している姿を僕は知っていた。
だから、強く言い返すこともできない。
けど•••
もう限界だ。
「あなたが仕事している間に、私が病院に連れて行ったりしてたのよ?自分の子どもが体調悪い時くらい帰ってきなさいよ」
「夜泣きしている時、私が抱き抱えてたのにあなたは寝てたわよね?自分は知らない、って顔しながら。私だって昼間家事してるんだから、代わってくれてもよかったんじゃない?」
感謝をしている•••いや、感謝をしていた。
ここまで他人を慮らない言葉を浴びせられると、流石に気持ちも失せる。
言い返す気力すら湧かない。
それでも、我慢するしかなかった。
けど、やっぱり限界だった。
だから、勇気を振り絞って切り出してみた。
「山登ってきていいかな」
装飾もつけることなく、淡々と日時を記載し、メールを送った。
面と向かっては言えるはずもない。
返事を待った。
待っている間、心臓は高鳴り胸が苦しくなった。
付き合う前とか、同じように苦しくなることはあるけど、あの時とは少し違う。
いや、大分違う。
だけど、待てど暮らせど返事は来ない。
何なら、その後に送った「今から帰る」にも返事が来なかった。
よくよく考えれば•••返事が来ること事態あまりなかったな•••
既読は付くのに•••
家に帰り、顔を合わせれば修羅場になるかもしれない•••
そう思い玄関の扉を開けるけど、特にそんなこともなかった。
むしろ、触れてこないあたり怖すぎる•••
でも•••沈黙は了承か、と都合よく捉えることにする。
日時は伝えてるんだ、既読は付いている。
ちゃんと言った、書いた、伝えた。
その日が来て、もし怒られるようなことになったとしても、後悔は無い。
それくらい僕のストレスは頂点に達していたから。
登山なんていつぶりだろうか。
少なくとも、ここ数年は数年は行くことが出来なかった。
いや、行けなかった。
止められていたから•••
だからこそ、限界が来ているのだけど。
なので、久しぶりに趣味に費やすことができる喜びを噛み締めながら候補地を思案する。
あそこがいい•••
そう思い至ったのは、隣町にある大きな山だ。
富士山や筑波山とか有名な山にばかり登っていたから、近場にあるとは思いも寄らなかった。
その山を見つけたのは、嫁を子どもと一緒に実家に送り届けている最中のこと。
季節は秋になっており、車のフロントガラス越しにもわかる綺麗な色彩が山全体を埋め尽くしていたのでよく覚えている。
実際にどんな山なのか知りたくなって、ネットで調べてみる。
登山のまとめサイトで調べてみると、一つの評価もなかった。
コメントすらない辺り誰も登っていないのが窺えた。
有名所以外の山での登山は初めてだ•••
少し不安もある。
だけど、逆に言えば誰のことも気にすることなく登れるってことだ•••
このご時世に未開の大地なんてあるはずもないだろうし、多少荒れていても何とかなるだろう。
目的地が決まった。
入念に準備を進める。
嫁に隠れて、というわけではないけど、これみよがしに目の前で準備をしていると何を言われるかわからない。
みんなが寝静まってから準備をした。
そして、当日。
嫁は子どもと実家に帰っていた。
本当は、メールの内容をしっかりと見ていて、僕のことを思って実家に帰ったのか•••
そう考えると、少し後ろめたい気持ちにもなる。
だけど、そうであるなら、気持ちに応えて存分に楽しんでこよう。
車に乗り、現地へと向かった。
車道自体は山の中に通じている様子はなく、麓の誰が何目的で使うのかもわからない駐車場に駐車した。
明確に「山の入り口です」なんて立て看板や舗装された通路は見当たらなかった。
走ってくる最中、山の頂上付近に展望台があったから、どこからかは入れるはずだけど•••
目の前に広がっているのは、獣道を広げたような空間と、どこまで続いているかわからない剥き出しの地面だった。
ここまで来たら後には引けない。
それに、展望台が設置してあるんだ。どこかでそれらしい道に繋がるだろう。
案外、この道が正しかったりするかもしれないし。
そう思いながら獣道に足を踏み入れた時、右足のポケットが震え出した。
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
スマフォを取り出す。
嫁の名前が表示されていた。
電話に出ようか、どうしようかと一瞬躊躇する。
その間に、電話は切れてしまった。
•••何だったんだろう。
嫌な予感がした。
それでも、何か用事があれば、再度電話やメールが来るだろう•••
そう都合よく捉えて先に進むことにした。
中腹にきた頃だろうか、再度右足が震えているのに気づく。
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
手に取り確認する。
嫁からだ。
今回はすぐに切れたりしなかった。
渋々着信に応答する。
「もしもし?」
機嫌悪そうに嫁の声が聞こえた。皮肉にも、山の中だというのに電波はしっかりと通じているようだ。
「あなたどこにいるの?」
?何言ってんだ•••メールで伝えたはずだけど•••
「聞いてないわよ‼︎」
いや、まあ確かに声に出してはいないけど、メールで•••
「見てない」
しっかりと既読はついているけど•••
「そんな大事なことは直接言って‼︎」
•••霧がかかってきた。視界だけじゃなく、僕の心にも•••
「今すぐ帰ってきて‼︎」
何でそうなるんだ•••実家に帰ってるんじゃないのか•••
「何でじゃなくて‼︎私はもう帰ってきたの‼︎」
視界から得られる情報が少なくなっていく。スマフォを片手にゆっくり進んでいく。
「ママ友と約束があるの‼︎」
なるほど•••自分の予定のために、切り上げて帰ってこいってことか。
「だから帰ってきて‼︎」
感情が昂る。進む足も次第に早くなっていった。自分勝手にも程がある。そう切り返そうとしたけど•••
「それともあなたが代わりにやる?」
お決まりの台詞だ。いつもこれで話し合いですらなくなるんだ。
「家事を」
僕も仕事をしている。
「付き合いを」
職場での付き合いもあるんだ。
「できないでしょ?」
お前だって僕の代わりができるのか•••
「だから帰ってきて‼︎」
だからって•••僕にだって息抜きする権利はある。
「息抜き?知らないわよ‼︎あなたはいつまでも•••」
嫁の声が遠くなる。
それは、心労から意識が遠のくとか、そんなことじゃなくて•••
バランスを崩して手からスマフォが離れてしまった。物理的に声が遠くなったんだ。
あるはずの地面を踏み抜いた。
右足が確かな感覚も掴めず、宙を蹴った。
すかさず左足でフォローしようと思ったけど、頭から前傾になってしまい、左足がフォローに入る余地はなかった。
というか、フォローに入ったとしても解決しようがなかった。
崖から落ちたのだから。
それはそうだ。霧で視界が悪い中、感情が昂り意識は右手のスマフォに向いていた。
もしかしたら霧がなくても崖の存在に気づかず突っ込んでいたかもしれない。
そんなことを天を仰ぎながら考えていた。
頭を打ったからだろうか。
崖下にも霧が漂っているからなのか。
視界が霞んでいた。
手足に力が入らない。
少しずつ、少しずつ•••
霞んでいた視界は、自分を中心に回り出す。
身体が浮いているような、何かに引っ張られているような感覚•••
地面に横たわっているはずなのに、地面がどっちかわからない。
動転する意識の中で、微かに聞こえてきた。
「•••ちょっと聞いてるの?•••早く••••ってきて•••」
まだ言ってるよ•••
ほんと•••
どうでもいいや•••
いいよな•••
自由に•••
誰にも怒られることがない•••
僕にできることを、当たり前にできる奴らは•••
もう、誰の声も聞こえない。
まとめ

決して舗装されている登山道ばかりではない
スマフォ通話したり、集中が散漫になる行為は危ないので避けるべき
仕事が、家事が、などお互いを陥れても、しょぼいマウントしか取れない
以上で、【怖い話】山の怖い話「趣味」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】山の怖い話「厳選6選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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