あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな中でも「詐欺の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する詐欺の怖い話は「キャッシュカード詐欺盗」です。
夜中に読むのはおすすめしません。
何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【怖い話】詐欺の怖い話「キャッシュカード詐欺盗」

「人の狂気は家に潜む」
他の誰でもない、俺の言葉だ。
俺の教訓から得た格言だ。
職業柄、いろんな家を見ることになる。
もちろん、「狂気」を感じるほどのお家に巡り会うことは多くはない。
だが、稀に、極稀に、あるんだよ•••
恐怖のあまり毛が逆立ってしまうような場面に出くわすことが•••
「家に潜む」と言ったが、これは家自体に狂気を感じる、というわけじゃない。
「住んでいる人間から、溢れる狂気が家に内包されている」と考えてくれていい。
外面は良くても、しがらみから解放される家の中じゃ、どんなもんか知れない、ってことだ。
今回の件はそれが如実に現れた。
理解なんてしてくれないくていい。
同情なんていらない。
俺も悪いことをしようとしていたからな。
それでも、人の狂気に触れたいという変わり者は、この先を読む進めてくれ。
人を見る目が変わるだろうから。
俺の行っている職業は、所謂詐欺師だ。
キャッシュカードをバレずに頂戴して、好き放題に使いまくる•••
大まかにはそんな感じだ。
詳しい手順としては•••
まず、目星をつけた相手に電話を掛けるんだ。
警察官や、銀行協会員を装ってな。
「あなたの口座が悪用されている」なんて文言を伝える。
もし、疑われるんなら、「最近横行している特殊詐欺グループを調査中、あなたの口座が狙われていることがわかりました」と添えて話す。
警察官とか銀行協会員とか偽装している分、説得力が増すからな。
それから直接相手宅へ訪問する。
そしてキャッシュカードと、暗証番号を書いたメモを用意させる。
そのまま手渡しで受け取ると疑われる可能性があるから、事前に準備していた封筒に両方入れさせる。
誰も封を開けていないことを容易に確認できるように、割印が必要と伝えて今後はハンコを用意させる。
相手がハンコを探している間に、同じように偽装のカードを入れた封筒と入れ替える。
相手は入れ替えた封筒に割印を押し、こちらは本物のカードと暗証番号をゲットできるっていう戦法だ。
最後に、割印を押した封筒は、連絡があるまで開けないよう念を押してその場を離れる•••
あとは頂いたキャッシュカードをバレる前に使い込むだけ。
どうだ?簡単なお仕事だろう?
今狙っている相手にも同じ手段で頂くつもりだ。
俺は相手に電話を掛けた。
銀行協会員を装って。
警察官でも良かったが、制服の準備は手間だし、こういう時は私服で•••と伝えるのも何か説得力に欠ける気がした
その分、銀行協会員と伝えれば、スーツだけで大概騙せてしまうからお手頃だ。
そして、決まり文句を伝える。
「あなたの口座が悪用されています」
あらまぁ、なんて気の抜けた返事が返ってきたが、問題なく騙されてくれそうだ。
俺は今からお宅にお邪魔して、キャッシュカードを確認すると伝え電話を切る。
今回も事は簡単に済みそうだ。
自宅に向かいインターホンを鳴らす。
二階建ての一軒家だった。
下調べでは、一人暮らしらしいが•••まあ、何か事情があるんだろう。
50代前半くらいの女性が出てきた。
玄関先でキャッシュカードのやり取りを目撃されるわけにもいかないので、女性の勧めのまま玄関を上がりリビングに向かう。
玄関先に何足か革靴が置いてあったが、事情は聞かないでいた。
玄関からリビングに向かう途中、左手に扉が開けられた部屋が見えた。
ジロジロ見るのも余計な会話を増やすことになりそうなので控えていたが•••
何故か見てしまった。
その部屋には家具と言えるような物は何一つ無かった。
だが、部屋の中央に、一脚だけ椅子が置いてあった。
そして、その椅子に人形が座っていた。
かなり大きい人形で、背丈は1メートルあるかないかくらいか。
青のオーバーオールを着ており、髪の毛は毛糸で作っているのか、チリチリとうねっているのが見てとれた。
布や綿で作っているのか、特有のもこもこ感が手や足、胴体から感じる。
目は大きめのボタンで表現されていて、遠目では鼻や口までは視認できなかった。
それでも背筋に悪寒が走るくらいの衝撃を感じた。
首が据わっていた。
人の形をした人形で、布や綿でできていると、首が据わっておらず垂れ下がっているようなイメージがあるが•••
首が据わっている。
そして、そのボタンで表現されている眼は、こちらを、俺を視認しているようだった。
俺はすぐさま目を逸らし、正面を見据える。
心臓は高く跳ね上がり、足元から冷たい風が吹き抜けるような感じがした。
リビングに通され、四人がけの席に座らされる。
お茶を用意するというから、お構いなく、と答えたが、社交辞令と感じられたのか、会話は虚しくお茶が用意された。
この時点で俺は、目の前に吊るされたお金などどうでも良く、この家からすぐに出たいという衝動に駆られていた。
それほどの違和感があの人形にあったから。
だが、電話での内容説明や、銀行協会員を名乗っている手前、中途半端に家を出れば逆に怪しまれ通報される可能性もある。
俺はそのまま違和感については考えないようにして、強行することにした。
俺は目の前の女性に対して説明しようとするが、俺の言葉を遮るように言葉を重ねられる。
出されたお茶はなかなか手に入らない高級なもので•••と前口上を述べた後、飲用を勧めてくる。
俺はあまり相手の家から出された物は口をつけないようにしていたが、ここまで勧められると断るのもおかしいか。
一口口をつけてみるが•••なるほど、よくわからない。
適当に「香り高いですね」と返すと嬉しそうな反応を見せたので間違いはないのだろう。
それより俺はすぐにでも家から出たかったから、早急に話を切り替える。
「口座の安全性確保のためキャッシュカードを•••」
言葉に詰まった。
腹部に違和感を感じた。
お腹から妙な音がする。
小動物が威嚇するような「ぐるぐるぐる」という鳴き声が聞こえた。
このまま話に入ると間に合いそうにない予感もする。
俺は女性に断りトイレを借りることにした。
リビングを出てトイレの場所まで案内される。
それは、例の部屋の隣に位置していた。
幸い、リビングの手前側にトイレがあったから助かったが•••
俺はすぐさまトイレに駆け込んだ。
用を足している最中便座に座り考える。
「あのお茶•••何か変な物でも入っていたのか?」
いや、もしかしたら高級なお茶が俺の身体に合ってなかったのかもしれない。
むしろそっちの方が自然と腑に落ちた。
そんなことを考えながらお腹の不調に対応していると、隣から物音が聞こえた。
「ギィ•••ギィ•••ギィ•••」
気が軋むような音•••まるで、椅子を傾けては戻すという行動を繰り返しているように。そして•••
「ドンドンドンドンドンドンドンドン」
壁を激しく叩く音が聞こえてきた。それも、例の部屋側からだ。
俺は急いでお尻を拭きズボンを引き上げる。
扉を出てリビングへと走った。
女性は変わらず席についていて、勢いよく入ってきた俺に驚いていた。
すぐさま、女性に質問を投げかけた。
「今、扉叩きましたよね!?」
女性は首を傾げる。そんな事はしていないとしらばっくれていた。
「そんなはずは•••だって物凄い音がしましたよ!?」
それでも知らないの一点張りだった。
意味がわからない。
物音がした理由も•••
女性の態度についても•••
隣の部屋で何があったのかも•••
トイレから出たときに確認しておけばと後悔するが•••果たして覗く勇気はあったか•••
今すぐにでも逃げ出したい•••
そんな気持ちが先行するが、俺は深呼吸をして席につく決断をした。
キャッシュカードを頂いて•••家を出るだけ•••簡単だ•••そう簡単なお仕事だ•••
そう心の中で言い聞かせながら。
女性に説明する。
キャッシュカードとメモの準備をお願いすると、「どこにおいたかしら」なんて言いながら探し始めた。リビングを出て、2階に上がったのか、階段を上がる音が聞こえた。
それから間もなくだ。
「ガタガタガタガタガタガタガタガタ」
例の部屋の方から、大きい音が聞こえた。まるで、椅子を揺らしながら進んでいるような•••
女性は姿を表す気配がない。
怖い•••怖い•••が、さっきの後悔を忘れてはいなかった。
俺はゆっくりとリビングから廊下を、例の部屋側を覗く。四つん這いで、顔だけ出すような形で。
そこには、一脚の椅子が置かれていた。
廊下の中央に位置するように•••リビングを向いて設置されている。
そして•••人形が座っていた。
こちらの様子を窺いながら•••
俺は恐怖のあまり上体を起こした反動で座り込んでしまった。
無様にもズリながら後退する。
人形は•••動く事はなかったが確実にこちらを視認していた。
俺が座り込んだ音に気づいたのか、女性がドタドタと階段から降りてくる。
そして、人形に目をやった。
それはそうだ。
階段は玄関に設置されており、その奥に例の部屋があり、人形は部屋から出てリビングに向かっているのだから無視はできない。
どういう反応をするのかと見ていたが•••
「まぁ、〇〇ちゃん、こんなところまで出てきて‼︎ダメでしょ。お部屋にいなきゃ」
そう言いながら人形と椅子を部屋に戻した。
目を疑った。いや、耳も疑った。
おかしいだろ•••
人形が勝手に出てきてるこの状況•••おかしいだろ•••
女性が部屋から出てくる頃には、冷静を取り戻し立ち上がることができていた。
女性は何事もなかったかのように俺に着席を勧めてくる。
人形についての釈明があるのかと思ったが•••
「ごめんねぇ、◯◯ちゃん、最近よく歩くようになって•••困ってるのよ」
平然と話すその態度に、本気で困っているような表情に、鳥肌が止まらなかった。
そして、女性は、キャッシュカードとメモを取り出していた。
俺は封筒を手渡し本人に入れてもらう。
次はハンコを持ってきてもらうようお願いすると、女性は立ち上がり再度二階へと向かって行った。
この間に頭の中を整理する。
おかしい•••絶対におかしい•••
人形が動いているんだぞ!?
◯◯ちゃん!?
最近•••よく歩く!?
どうなってんだ•••
なんで異常だと気付かない!?
なんで当たり前に振る舞っている!?
おかしいのは•••俺なのか!?
その時•••
「ガタガタガタガタガタガタガタガタ」
廊下から聞き覚えのある音がした。まるで•••椅子を•••揺らしながら•••こっちに来る•••
俺は恐怖から逃げ出した。玄関から出るわけにもいかず、リビングから外に出ることができるベランダの窓からだ。
立ち上がり、窓へと向かう。
地面がぬかるんでいるのか、地球の重力が倍になったのか、思うように身体を動かすことができない。
それでも、俺は全力で身体を動かした。
震える手で鍵を開錠し、窓を開ける。
石垣で出来たそこまで高くもない塀を、芋虫が壁を伝うような無様な姿勢で乗り越えた。
その時にベランダ越しでリビングの様子が視界に入ったが•••やっぱり、居たんだ。
リビングの入り口まで来てこちらを向いている•••
あの人形が。
キャッシュカードは封筒に入れたまま机の上に置いてきてしまった。
だが、そんな事はどうでもいい。
その場から一刻も早く離れたかったから•••
走って逃げいている最中、足に痛みが走り靴を忘れていたことに気づく。
あまりにも無様、不恰好で笑えてきた。
自分の家まで着き、呼吸を整え一息つく。
そして•••気がついた。
あの家の•••玄関に置かれていた革靴•••
同じように逃げ出した来訪者のものじゃ•••
もう•••無理だ。
この業界から•••足を洗おう。
他人の狂気が•••ここまで恐ろしいとは思いもしなかった。
悪いことは•••やっぱりするべきじゃないな。
手痛いしっぺ返しはもう懲り懲りだ。
今となっては、あの女性が人形を動かしていたのか、人形が自分で動いていたのかはわからない。
ただ一つだけ言えることは、あの家には誰も理解できない「狂気」が潜んでいた、ってことくらいだ。
まとめ

警官や銀行協会員が暗号番号を聞く事はない
ましてや、封筒に入れるよう指示することもあり得ない
怪しいと思っても判断できない場合は、家族や知人に要相談
以上で、【怖い話】詐欺の怖い話「キャッシュカード詐欺盗」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】詐欺の怖い話「厳選5選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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