スポンサーリンク

【怖い話】夢の怖い話「夢見」を紹介※眠れなくても責任取れません

顔のない女性 オカルト

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「夢の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する夢の怖い話は「夢見」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

スポンサーリンク

【怖い話】夢の怖い話「夢見」

暗闇ぶれる女性

 時々ね。本当に時々。

 同じ夢を見ることがある。

 毎日とか、何ヶ月に一度とか、決まった周期じゃなくて、不定期に。

 夢を見たり覚えていたりする方じゃないんだけど、そういう夢って印象に残らない?

 それがハッピーな夢なら何も思わないんだけどね•••

 夢占いとか興味はないけど、やっぱり何か意味があったんじゃないかと勘ぐっちゃうよね。

 何か伝えたいことがあったんじゃないか。

 何かしてあげることができたんじゃないか。

 早く気づいてあげられたら•••結果は変わっていたんじゃないか。

 あんなに仲が良かったのに。近くに居たのに。•••楽しかったのに。

 あれからは毎日になった。

 同じ夢を何度も何度も何度も何度も何度も•••

 気づいてあげられなかったのが私の罪なのかもしれない。

 あの子の事を想うと心が痛む。

 せめてあっちでは穏やかに過ごせるよう願い、手を合わせる。

 言えなかった「ごめんなさい」を伝えながら。

 それでも今日も、夢見が悪い。


 

 最初は高校生の頃だった。

 今思えば、あの子と初めて顔を合わせたのも高校に入ってからだった。

 教室の隅で本を読んでいる少し暗めの女の子、っていうのが第一印象だった。

 あまりクラスに馴染めていないようだったけど、私と、仲が良い数人とは打ち解けてくれていた。

 お昼ご飯を一緒に食べて、どうでもいい話を何も考えずにダラダラ出来ていたあの頃が懐かしい。

 そんな楽しい毎日を送っていたからこそ、なんであんな夢を見たのかが不思議だった。

 真っ暗だった。

 辺りには何もなく、四方を黒で塗り固められたような空間。

 はっきりとはわからないけど、あの場所に居ると少しずつ胸を締め付けられているような感覚がした。

 光や風も吹いていなかった。

 だけど、何も見えないはずなのに、あの子の姿だけははっきり見えた。

 怖かった私は、知っている人に会えたことで少し安心することができた。

 駆けつけようと身体を動かそうとした。

 でも、それは止めた。

 動かそうとしたら異様に身体が重く、動かせなかった、っていうのもあるんだけど•••

 何よりもあの子の顔が怖かったから。

 無表情だった。

 無表情ではあった。

 でも、無表情の中に「無」以外のものを感じた。

 喜びとか、嬉しいとか、幸せとか•••

 そういう正の感情が無いのは間違いないんだけど•••

 それとは真逆の物を感じた。

 まるで嫌な物を見ているかのような冷たくて蔑むような目つきで。

 それでいて、その視線は確実に私を捉えていて、離すことは無かった。

 身に覚えは一つも無いんだけど•••

 そしていつの間にか目を覚ます。

 いつもはあまり夢を見なかったり、見ていてもすぐに忘れるんだけど•••

 この夢だけは時間が経っても忘れなかった。

 夢のことだからそこまで気にする必要はない、とは思いつつも、やっぱりあの子のことが気になってしまう。

 けど、その日や、翌日、翌々日もあの子に変わった様子はない。

 何かの暗示かとも思ったけど、実際変わったことがないんだから気にしてもしょうがない。

 その程度に思っていた。


 次は就職活動の後だった。

 大学生活も大詰めに差し掛かり、みんなが就職活動に精を出す•••というか絞り出している最中、私は早めに就職先を決めることができていた。

 周りの友達も一緒になって喜んでくれた。

 もちろんあの子も。

 自分の将来も心配しなきゃいけないのに、みんなで集まってお祝いしてくれた。

 すごくいい友達に恵まれたと心の底から思うことができた。

 その後だった。

 真っ暗だった。

 視線を動かしても見えないはずなのに、密閉されているような禁足感を感じる。

 空気も澱んでいて息苦しい。

 身体は動かせず、泥沼に浸かっているような感覚がした。

 そして、あの子の姿だけがはっきりと見えた。

 だけど、鮮明に見えたのは姿だけじゃなかった。

 その視線からは私に対する憎悪を見てとることができた。

 顎を引き、上目遣いで私の事を見つめている。

 少し可愛い表現になったけど、実際は違う。

 私を見る目は、猫に睨まれているのかと見間違うほどに目尻が吊り上がっていて、黒目の占める割合は狭い。

 私のことを睨め付ける三白眼は確実に恨みを孕んでいた。

 顎を引いているからか、頬は痩せこけて見えているけど、鼻筋から頬にかけてのほうれい線はしっかりと見て取れた。

 歯を食いしばっていたから。

 普段は穏やかな表情で慎むように笑うあの子の顔に皺なんて無かった。

 でも、目の前にいる、夢の中のあの子は違う。

 私のことを高圧的な視線で睨め付け、見たこともない憤怒の表情で威圧してくる。

 現実では仲が良いはずなのに、夢での豹変ぶりに理解が追いつかなかった。

 そしていつの間にか目を覚ます。

 もしかしたら何かを隠していて、私に言えないことがあるのかもしれない。

 そう思うようになった。

 けど、やっぱりそれ以降、あの子に変わった様子はなかった。

 いつもみたいに一緒に話して、遊んで、笑い合って•••

 時間が経つと共に、気にしなくなっていた。


 最後は働き始めてすぐのことだった。

 私と、私の彼氏とあの子でご飯に行った後だった。

 彼氏とは学生の時から仲が良く、仕事の悩みを相談していたのをきっかけに、晴れてお付き合いすることになった。

 あの子はよく彼のことについて相談に乗ってくれていた。

 すごく頼りになったし、感謝してもしきれない。

 だから、そのお礼も含めて彼と三人でご飯に行こうと誘った。

 あの子は自分のことのように喜んでくれたし、ご飯の時も楽しそうにしてくれていた。

 それが現実で見た彼女の最後だった。

 真っ暗だった。

 この世の怨念を集めて重ねて固めたような空間だった。

 何もないはずなのに密度を感じる。

 何もないはずなのに重たい空気が気道を塞ぐ。

 何もないはずなのに閉塞感が胸を締め付ける。

 食いしばっていたはずの表情は弛緩し、口は開いていた。

 口角からなだれ落ちるように舌が出ている。

 それでもあの子は私を変わらず睨め付ける。

 目を見開き、前回とは違う三白眼で私を見下ろす。

 関係性を断ち切るように。

 怨みつらみを叩きつけるように。

 こうなったのは私のせいだ、と言うように。

 害意と怨恨が混じった視線を私に投げつける。

 足が浮いた状態で。

 ゆっくりと自転しながら。

 縄に首を包容されつつ。

 涎を垂れ流す。

 視線は変わらず私を追っていた。

 そしていつの間にか目を覚ます。

 今までとは一線を画した内容の夢に心は荒む。

 夢の内容が嫌でも頭の中で反芻される。

 冷や汗で湿った服が肌に当たり気持ち悪い。

 最悪の目覚めだった。

 頭の整理は付かないまま起き上がる。

 なんとなくその場を離れたかった。

 なんであんな夢を見たんだろう。

 そう冷静に考えられるようになったのは、洗面台で顔を洗い始めた時だった。

 気持ちを切り替えるように冷水で顔を洗う。

 あの子の顔が脳裏から離れない。

 夢の内容をあの子に打ち明け、真相を探ろうと決心していた。

 すぐにでも連絡を取ろうと思いながら顔を拭いていた時、部屋のインターホンが鳴り響いた。

 私は何も考えずに玄関の扉を開ける。

 警察だった。

 一瞬思考が止まった。

 身に覚えが一つも無かったから。

 警察から話をされる。

 信じ難い内容だった。

 耳を疑った。

 そんな筈は無いと信じて疑わなかった。

 でも現実は違った。

 遺書があった。

 そこには私のことが淡々と書いてあったらしい。

 内容に関しては詳しく教えてもらえなかったけど、どうやらあまり良い内容じゃないと•••

 これから何度か警察署に足を運んで聴取されることになった。

 身に覚えがないと弁明しても、聞き入れてはもらえなかった。

 せめてあの子の葬儀に参列したいと申し出たけど、辞めた方がいいと止められた。

 夢の内容を思い返す。

 今更ながら、やっぱりそういうことだったのかと思い至った。

 あの子は何か悩みがあったのかもしれない。

 それを私に話したかったけど、内気なあの子のこと。

 話せなくて想いが募り夢に出てきたのかもしれない。

 だってあれだけ仲良かったんだから。

 高校の時は、私の分だけじゃなく、友達の分もご飯を買ってきてくれていた。

 そりゃ、友達のいじり方が少し強かったりしたけど、あの子は楽しそうに笑っていた。

 就活の時だってそうだ。

 私が先に就職先を決めた時も、声をかけたらみんなと朝までお祝いしてくれた。

 お酒は初めてだったみたいだけど、もどしながらも楽しそうに飲んでいたし。

 後で聞いたけど、そのまま面接に行ったみたい。

 そこまでしてお祝いしてくれていた事が物凄く嬉しかった。

 面接は落ちてしまったことは残念だったけど。

 彼氏とのご飯の時もそうだ。

 確かに、あの子も彼のことを好きだって言ってた気がするけど、私の相談には乗ってくれていた。

 それに恋は早い者勝ちだもん。

 あの子もそれはわかっていてご飯に付き合ってくれていたんだろうしね。

 思い返してもやっぱり変わらない。

 私たちは仲の良い親友だった。

 遺書に何が書いてあったのかはわからない。

 私に相談できなかった後悔とかかな?

 だとしたら私は親友失格だ。

 気づいてあげられなかったんだから。

 私が気づいてあげられていたら、こうはなってなかったかもしれない。

 そう思うと目に涙が滲んだ。

 葬儀は断られたけど、お墓参りは大丈夫だよね。

 お墓の前で手を合わせよう。

 「気づいてあげられなくてごめんね」ってちゃんと伝えよう。

 あの子の心が少しでも安らげるように。

 夢の中で笑顔で会えるように。

 私は喪服に着替え、家を出る。

 あの子の冥福を心から祈って。

まとめ

真っ暗

印象深い内容の夢は、何かの暗示かもしれない
暗示を正しく読み取れるかどうかは、読み手に委ねられる
夢に人が出てくる場合は、自分が想っている場合と、相手が想っている場合がある

 以上で、【怖い話】夢の怖い話「夢見」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】夢の怖い話「厳選5選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

オカルト都市伝説
スポンサーリンク
シェアしてくれると中の人は大喜びです!!!
pamyu

ブログ内では主にオリジナルのホラーを投稿していますが、Xではブログの宣伝以外はほぼ関係ないことをぼやいています。人間性が垣間見えると思いますので興味があればれっつふぉろー。

pamyuをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました