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【SNSの怖い話】「特定犯」を紹介※眠れなくても責任取れません

パソコンを打つ男 オカルト

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「SNSの怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介するSNSの怖い話は「特定犯」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

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【SNSの怖い話】「特定犯」

フードを被った男

 僕には推しがいる。

 彼女はとても尊く、儚い花のように僕を勇気づけてくれる。

 美麗な薔薇か、鮮麗な秋桜か、流麗な桜か•••

「綺麗な花には毒がある」なんて言葉があるが、思いつきもしなかった。

 何故なら、彼女の一喜一憂が、まるで僕のことであるかのように誇らしく感じるからだ。

 色褪せた荒廃した景色から、色鮮やかな煌びやとした景色に変わり、僕の生活の中に華を飾ってくれている。

 悠然と感じるその物腰に癒され、毅然と振る舞う姿勢に感化され、冷然とさえ受け取れる態度に抱く感情はとても言葉では表現できない。

 何とも、愛おしく愛らしく、そして愛くるしい。

 彼女が僕のことを同じように思ってくれているかはわからないが、僕は最後まで彼女を支えたいという気持ちに嘘は無い。

 彼女もそれを望んでいるはずだ、そう思っていた。

 毒があったと気付くのは、大抵毒に蝕まれてからなのだから。


 彼女とはとあるSNSで出会った。

 彼女が挙げた投稿が目に留まり、コメントをしたのが始まりだった。

 どうせこんなおじさんに返信なんか来ないだろう•••そう思っていたが、彼女の分け隔てない返信に心を打たれた。

 僕がフォローするまでは殆どフォロワーもいなかった。僕が最古参と名乗っても過言では無いだろう。

 そんな彼女も数日でフォロワーが急激に増えていった。

 彼女が挙げる自撮り写真は、可愛くもどこか艶やかさを感じつつ、若いからかあどけなさも残っている。誰が見ても好感を持てるのではないだろうか。

 また、1日1枚は投稿するなど頻度も多く、日常生活が窺える投稿は親近感を感じやすい。

 フォロワーが増えるのも納得がいく。

 コメントの母数も次第に増えていた。

 そのせいか、僕のコメントに対しても返信が来ることは減っていた。

 それはそうだ。エコ贔屓はしないであろう彼女の性格を考えると当然のことだ。

 彼女の人気を独り占めするのは良くない。僕は陰ながら応援できればそれでいいのだから。

 だが、一つだけ気がかりなことがある。それは、彼女はあまりにもネットリテラシーについて理解が乏しいのだ。

 彼女が挙げるのは何も自撮りだけではなく、風景の写真や時には購入した品物の写真を挙げている。

 その投稿に違和感を感じた。

 最初は小さな違和感だった。

 「この店、家の近くにもあるな•••」

 「この景色、既視感がある•••」

 「部屋からの景色•••」

 この程度だった。

 だが、その違和感は徐々に大きくなり、確信に変わった。

 彼女が挙げた商品を紹介した写真。そこに写っていた段ボールに住所が記入してあったのだ。

 番地までは見切れてわからなかったが、県名から町名まではっきりと写っていた。

 すぐにその投稿は消されたので彼女が自身で気づいたのだろう。

 時々ヒヤヒヤする場面がある。

 まだ未成年だろうから仕方がないのかもしれないが。

 危ない投稿についてはメッセージを送り注意喚起を行ってはいる。

 だが、今回の件も然り、意図的にメッセージについては返信をしないようにしてるのだろう、既読も付く事はない。

 プロ意識というか、そういう気遣いは出来る子なのだと感心する。

 投稿を見ていれば自ずと彼女に対しての理解も深まってくる。

 どうやら親元を離れ大学に通いつつ自身で学費を稼いでいるらしい。

 料理はあまり得意じゃないのか、手作りの物を載せることは無く、外食やてんや物が多い。

 まあ、学業やバイトに勤しんでいれば食事を作る時間も取りづらいのはわかる。

 古参として、栄養や体調に気を遣って欲しいという親心が時々痛くはあるが、あまり口うるさく言うのも彼女の負担になる。

 コメントで伝えるくらいが丁度いい。

 そんなある日、日課として彼女の投稿をチェックしていた時だ。

 体温計の画像が挙げられていた。

 体温計には「39.0℃」と明記されていた。そして、インフルエンザに罹り辛くて食事も買いに行けないという文面が添えられていた。

 考えるよりすぐに行動に移していた。

 気づいた時には、メッセージで彼女に大丈夫かと送っていた。

 既読は付かない。

 もう一度送ってみる。

 既読は付かない。

 日に何回も投稿する事は少ないのだが、1時間以上経っても音沙汰がないことに胸が騒ぎ立てる。

 おかしい。コメントは心配の声で溢れている。きっとメッセージも大量に届いているだろう。

 それを彼女が気づかない事は無いはず。

 もしかしたら•••

 すでに足は動いていた。

 今までの投稿写真を確認する。

 彼女の投稿した写真は全てスマフォのフォルダに保管していた。

 そこにはもちろん段ボールの写真も。

 記載されていた町名まで足を運ぶ。

 途中、食べやすいであろう果物と、料理下手である彼女のことを考え果物ナイフを購入し彼女の家へと向かう。

 投稿を確認する。

 この建物•••この写真だ。

 投稿を確認する。

 この店•••彼女がよく行く場所だ。

 投稿を確認する。

 彼女の生活圏内に入っているのがわかった。

 心配と同時に不思議な高揚感がある。

 投稿写真の中には、部屋の窓から撮ったであろう風景の写真があった。

 その写真から場所を割り出す。

 特定まではそう時間はかからなかった。

 この店が映る角度、見える景色、建物の配置•••

 電線の本数から送電線の見え方まで確認する。

 ここで間違いない。

 そこはマンションであり、写真の内容を当て嵌めると、どうやら3階の角部屋らしいと目星をつけた。

 エントランスに足を踏み入れ郵便受けを確認する。

 3階はほぼ入居者名が郵便受けに記載されていたが、角部屋だけは名前が無い。

 また、彼女の名前も他の入居者と照らし合わせても記載されていないことから、推測は確信へと変わる。

 鼓動が早まる。

 僕は迷わず彼女の元に向かう。

 次第に足は早くなる。

 階段を登り切った時にはすでに駆け足になっていたかもしれない。

 彼女に会えるという期待感は無かったとは言えないが、心配が先に立ったのだ。

 倒れていたらどうしよう•••

 扉の前まで来た。

 尻込み、躊躇、戸惑い、そんなものは無かった。

 指はインターホンまで淀みなく進む。

 ピンポーン

 呼び鈴が鳴る。

 しばらく待つも返事は無い。

 再度インターホンを押す。

 ピンポーン

 しばらく待つも返事は無い。

 寝てるのかもしれない、とも思ったが、もし倒れていたら取返しが付かない。

 寝てただけなら平和に解決するだけだ。何も恐れる事はない。

 再度インターホンを押す。

 ピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンピンポーン

 返事は無い。

 扉を叩く。

 ドンドン

 ◯◯ちゃん!?僕だよ!!◯◯だよ!!

 返事は無い。

 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

 返事は無い。

 もしかしたら緊張して出れないのかもしれない。

 それはそうだ。SNSの中でしか会ったことがないのだから。心の準備がいるかもな。

 僕は扉の覗き穴から見えない位置で待つことにした。

 数分して扉が開く。

 ◯◯ちゃん!?良かった無事で•••

 ◯◯ちゃんだと思った人物が視界に入った途端、煌びやかな景色が荒廃した物へと戻っていく。

 更には頭に血が上っているのだろう。荒廃した白黒の世界は赤も混じり三色に見えていた。

 男が出てきたのだ。

 気づいた時には手には果物ナイフが握られていた。

 そしてその後の展開を知る者は僕の他にはいない。

 何故なら•••

 毒に蝕まれていたと気づいたのは僕だけなのだから

まとめ

背を向けた男

気づかないだろうと挙げた写真、その他大勢は気づかなくてもあなたの近隣の住民は必ず気付く
少しの風景写真だけで特定は可能
SNSに投稿しやすい、変わった置物やお店は特定の情報として扱われやすい

 以上で、【SNSの怖い話】「特定犯」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【SNSの怖い話】「厳選4選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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