【怖い話】海の怖い話「シャワー」を紹介※眠れなくても責任取れません

シャワー室の男

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「海の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する海の怖い話は「シャワー」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから…

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

目次

【怖い話】海の怖い話「シャワー」

滴り落ちる水滴

夏はやっぱり海だよな。

茹るような暑さが嫌になる、こんな季節こそのレジャーだ。

夏バテによって失われた、気力や元気なんてものを、あの波立つ水に浸かるだけで回復してしまう。

冷たくて気持ちいい。

波音に耳を澄ますだけで、心が安らいでいくのがわかる。

できれば、彼女なんてものを作ってから来たかったところだけど、そう上手いことはいかなかった。

残念とは思いつつも、こうなったら全力で楽しむしかないと腹を括る。

結果として、夏らしい経験を堪能することができた。

次こそは、彼女と一緒に来よう。

もう、男三人での海は懲り懲りだ。


友達と海水浴場に来ていた。

近場に穴場スポットがあると言うので、二つ返事で予定を組んだ。

あまり利用客はいないが、砂浜はゴミ一つなく海は青く、波打ち際で生まれる泡には思わず見惚れてしまう。

天気も良く、最高のロケーションだった。

おまけに、シャワー室まで完備している。

昔はシャワー室と言っても水しか出ないところが多かったが、最近は温水が出るところが増えている。

「温水完備」と手作りの立て看板が置いてあるあたり、好感が持てた。

早速、友達と車の中で着替える。

気温は35度を裕に超え、太陽はこれでもかと肌を焼いてくる。

普段は暑くて汗がだらだらと流れ落ち、気持ちが悪いと感じつつもそのまま過ごすしかないが…

今は心置きなく海に飛び込めば解決してしまう。

なんて爽快なんだ。

利用客が少ないと言うのも有り難い。

人目を気にせず騒げるし、何をしても迷惑になることがない。

俺たちは、童心に還り思う存分はしゃいでいた。

どれくらい遊んだだろうか。

海から上がる頃にはへとへとになっていた。

「そろそろ帰ろうか」とビーチボールの空気を抜きながら話す。

俺が片付けている間に、先にシャワーを浴びて来るよう促した。

数分後、思ったより早く友達が帰ってきた。

「早いな」なんて声をかけると、苦虫でも噛んだのかのような顔で話出す。

どうやら、シャワー室の奥の部屋には先客がいたらしく、独り言をぶつぶつ言っているのが聞こえて気味が悪くなったらしい。

それで早めに切り上げ上がってきたのだとか。

その話を聞くと、何故か「面白そう」と思ってしまった。

友達は、好きにしたら、というような表情で「先に車で待っている」とだけ言い残し歩いて行く。

俺は、抑えきれない好奇心を胸に、シャワー室へと向かう。

流石に「もう上がっているかもしれない」と思っていたが、奥の部屋からはシャワーが流れる音が聞こえてきた。

思わず笑顔になる。

俺は一個手前の扉を開き、中に入った。

しばらく立ち尽くしたまま様子を見ていたが、期待していたような独り言は聞こえない。

「そんなもんか」と少しゲンナリしつつ、このまま待ってても時間の無駄と判断し、シャワーを浴び始める。

持参のシャンプーで髪を洗いながら今日の思い出を振り返る。

「お腹が空いたな」なんて考えていると、隣からシャワー以外の音が聞こえてきた。

「…」

聞き取れなかった。自分のシャワーの音が邪魔だ。

頭も流しきれないまま、一旦シャワーを止めてみた。

すると…

「誘ってくれてありがとう…」「誘ってくれてありがとう…」「誘ってくれてありがとう…」

うわぁ…

声に出してしまった。

本当に独り言を言っていた。

そして…気持ち悪い。

早くここから出たい。言いようもない不安が胸のうちから広がっていく。

泡を流してしまおうとシャワーに手を伸ばした時…

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

「一緒に行く」「一緒に行く」「一緒に行く」「一緒に行く」「一緒に行く」「一緒に行く」

隣の部屋から、確実にこちらに向かい、扉を叩いて叫んでいた。

俺は流しきれない泡と一緒に着替えを持って走り出した。

何が起こった…俺の声に、気づいたからか?

全力で走りながらも、追って来ていないかと後方を確認する。

遠のいていくシャワー室からは、誰も出て着ることはなかった。

車に到着し、扉を開ける。

息切れしている俺を見て友達が…

「頭どうした?」と言ってきた。

気が動転していたからか、事情を説明しきるまでに時間がかかる。

もうシャワー室まで行く気にもなれない。仕方なく、車の中で着替えることにした。

頭の泡は持ってきた水で流した。

帰りの高速道路の走行中「シャワー室の客は何者だろう」と話してはいたが、結局結論なんか出るはずはない。話題は晩御飯をどこで食べるか、に切り替わっていた。

友達は事前に、この先のサービスエリアに美味しいラーメンがある、と情報を仕入れていた。

「よし、そこに行こう。ラーメン食べようぜ。チャーハンもつけようかな」

俺がそう言ったとき、誰もいないはずの後部座席からはっきりと聞こえてきた。

「一緒に行く」

「誘ってくれてありがとう」

まとめ

頼りないシャワー室?
point

気付かなければ、気付かれない
気付かれると、寄って来る
結論「気付かないのが一番だが、気付いても気付いてないフリをするのも大事」ということ

 以上で、【怖い話】海の怖い話「シャワー」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】海の怖い話「厳選5選‼︎」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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