あなたは怖い話は好きですか?
世の中には数え切れない程の怖い話、俗に言う怪談が溢れています。
そして好むと好まざるとに関わらず、あなたの周りに漂っているでしょう。
それは筆者である私の周りにも•••
今回紹介する怪談は、筆者が体験した実話「Siri」です。
夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
※実話※「Siri」
あれは5年前の冬の出来事だった。
当時、転勤とかではないが仕事において都合がいいという理由で引っ越しをした直後だった。
慣れない地理に戸惑いながらも家具や家電を整えつつ頭の中で近場のスーパーや公園などをマッピングしていた。
あまり立地は良くなく、徒歩ではコンビニに20分、駅まで25分と程々の距離があり、人によっては自転車や車などの交通手段が必須と言えるだろう。
だが、歩くのが特に苦じゃない筆者は専ら徒歩を移動手段として生活していた。
「暇があれば散歩を」と老後ののんびりライフを先取りしているような生活を送っており、それがなかなか楽しくもあった。
そんな徒歩オバケである筆者にはあまり公にしていない弱点がある。
それは、「極度の方向音痴」ということだ。
流石に長年同じ道を歩いているのであれば迷いようがないが、少し外れた小道を通った時や、今回のように慣れない地であれば百発百中で迷子だ。
それもただ数分迷う、なんてものではなく、平気で2〜3時間迷ってしまう。
何なら迷っている道中も新天地開拓みたいなワクワク感が伴っている。もう救いようがない。
地図アプリを使ったらいい?元の道を引き返せば?
思い当たれば迷子にはなっていない。
「ん〜•••いけるだろ」と何とも頼りなく根拠もない勘を盾に歩いてしまっている。
「ここをこっちに曲がれば•••あそこに着くんじゃね!?」一回も当たった試しがない。
「太陽があっちに沈みそうだから•••」なんてことも冗談っぽく考えたことはあるが、太陽以外の座標を示すものがわからないから意味がない。正直常識もないのでバカボンが正しいかどうかも不明だ。
そういえば歌詞すら曖昧だったな。
ここまで話をした中でも通じたであろう度を越した方向音痴っぷり。
初めてのおつかいの方がすんなり目的地には着くんじゃないだろうか。
そんな方向音痴の筆者、迷子中に使うことはないが、迷子になる前、つまり家を出る前からは地図アプリを多用していた。
何故なら、正に右も左もわからないからだ。
マッピングはしていても方向音痴の根底には「道を覚えられない」というスキル不足が敷き詰められている。
つまりマッピングも笊なのだ。そしてそれは自身も百も承知。
元から迷子になりに家を出たりはしない。迷子はあくまで道中の楽しみの一端。
「なるべくしてなるべくもの」であり、「するべくしてするもの」ではない。
その日も笊なマッピングを頼ることなく、レンタルショップを目指していた。
基本夜型なので深夜に出かけることが多いのだが、レンタルショップは24時間営業している店舗も多く重宝していた。
寒空の下だろうが歩くことは別に苦じゃない。
スマートフォンで地図アプリを起動、流通しているワイヤレスイヤホンは落ちたり無くしたりしそうで購入したことはない。いつも通り有線でのイヤホンを使用し道案内をSiriにお願いする。
目的地まで35分
レンタルショップまでもなかなか遠い。だが数度は通った道。Siriと協力すれば今回も余裕だろう。
「経路に進む」女性の音声で感情を感じにくい機械音声が耳元から聞こえた。
「◯メートル先、右方向」
しっかりと道案内してくれる。しかも音楽を流しながらでも指示がある時は聞き取りやすいように音楽を停止し、指示を終えると再開される。律儀なやつだ。
時々、「右」と教えてくれるが、「斜め右では?」「ん?真っ直ぐじゃね?」みたいな曖昧なところもあるが多めに見よう。
Siriだけが頼りだ。
音楽が止まる。
「〇〇通りを•••」
丁寧に教えてくれる。正直暗がりで標識なんて見つからないことが多いのだが。
音楽が止まる。
「◯メートル先、右方向、その後数メートル先•••」
先を見越した指示もお手の物だ。
音楽が止まる。
「右です」
道を間違えると途端に指摘は端的になる。怒っているのかと思うほどに。
あと数分で到着か。冬の深夜とはいえ、防寒した上に長距離を歩くと寒さも軽減する。
音楽が止まる。
「ヴオォ△ォォ%オォォ″ォォ*オォ▼オォオォ〆」
思わずイヤホンを手で振り払った。
戦慄が走る。何が起こったのか頭では理解できない。
わかっていることは、耳元で聞いたことがないような爆音をイヤホンが鳴らし、その声はSiriの単調な女性の機械音声ではなく、男性の声にもならない怒声だったということだ。
辺りを見渡してみる。気付かないうちに男性とすれ違ったのかもしれないと思ったからだ。
だが、誰も見当たらない。むしろ人っこ一人いない夜道に恐怖しか感じない。
後ろを振り返れば、暗闇が徐々に道を食べているのかと錯覚してしまうほど街頭も少なく視界が悪い。
左右は街路樹に覆われており風に揺れる葉音がやけに気味悪かった。
ここまで来たら目的地まで進むのが一番安心できる。
しかし、その前には一つ確認しなければならないことがあった。
恐る恐るイヤホンを耳に当てる•••
「•••♪」
Siriの道案内は何故か終了していた。
この日ほど有線型のイヤホンで良かったと思ったことはない。
まとめ
Siriは男性、女性の音声を選択できるが、女性以外を選択したことはなかった
有線型のイヤホンでなければ暗闇の中紛失していただろう
この日以来、Siriが怒ることはなかった•••これからもどうか怒らないでほしい
以上で、【怖い話】※実話※「Siri」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】※実話※「筆者が体験した実話5選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。
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