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【怖い話】※実話※「3人組」を紹介※眠れなくても責任取れません

夜の道を走る男 オカルト

 あなたは怖い話は好きですか?

 世の中には数え切れない程の怖い話、俗に言う怪談で溢れています。

 そして好むと好まざるとに関わらず、あなたの周りに漂っているでしょう。

 それは筆者である私の周りにも•••

 今回紹介する怪談は、筆者が体験した実話「3人組」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

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※実話※「3人組」

街頭

 去年の夏の終わり、8月も終えるというのに連日茹だるような暑さに、特に甲斐も無いというのに太陽や気温に対して小言を並べていたのを記憶している。

 外に出るだけで汗をかき、歩けばぬるま湯に浸かってるのかと誤認するほど生暖かい風が付いてまわる。

 地球温暖化という言葉を毎回肌で感じている。

 「夏ならではの楽しみ方もある」なんて言う人もいるが、それには賛成できない。外に出ても体力を奪われるだけだ。

 シーズンを謳歌する気にもなれずBBQや海、夏祭りや花火なんて夏らしいことは避けていた。

 早く夏が過ぎればいいのに•••なんて思っていた。

 だが、どれだけ夏を避けていても、向こうからぶつかってこられたら避けようがない。

 そう、最も夏らしいと体感できる出来事が最後に待ち構えていた。


 「気温が高い」と言っても8月の終わりだ。流石に夜になれば幾分と気温は下がっていた。

 日中は外に出る機会は極力減らしていたが、夜、特に深夜帯は気晴らしに散歩に出ることもあった。

 元々夜行性なので夜だけでも出歩くことができる気温まで下がっているのは有り難かった。

 それに、夜は人気が無い。他人の目を気にせずに出歩けるというのはとても心地が良かった。

 何故人の目を気にするのか、それは自分ルールに由来する。

 せっかく散歩に出るのだから、新しい景色が見たい。

 つまり、通ったことが無い道を歩くことになる。そうなると、行き止まりに当たることも多く、その場合は振り返り元来た道を戻ることになる。

 その光景を人に見られたくない。

 下手したら変質者と思われかねない。

 大手を振って回り右ができるように人気が無い時間帯に出歩いている。

 •••正直深夜帯でしか気力が湧き出ないという夜行性の特性が一番の理由なのだけども。

 その日も人がいないであろう時間帯、深夜2時ごろに出掛けたのを覚えている。

 清涼感とまではいかないが、風の感触も気温と一緒に緩やかになり日中の凶暴性は消えていた。

 上は半袖、下は長袖のジャージ、サンダルといった格好でも走らなければ汗もかかない程度には過ごしやすかった。イヤホンを耳に付け趣向の偏った音楽を聴きながら散歩に繰り出す。

 行き先は決まっていた。

 それは、最寄り駅の向こう側だった。

 駅の向こう側へは行ったことはなかったのでのんびり散策しようという魂胆だった。

 夜中に出歩くと気分が高揚する。学校をズル休みして遊びに行く時のような高揚感に似ていると言えば伝わりやすいか。大きな声で言えることではないが。

 駅までの道のりも気分に比例して軽快な足取りで歩いていた。

 周りには人影は一切見当たらず、月も陰り、街頭だけが足元を照らしていた。

 深夜2時ではあったが、駅には灯が灯っている。煌々と光っているわけではないが、駅周辺の道を視認できる程度には光量を発していた。

 駅を横目に歩を進める。

 新しい景色に心が弾む。

 駅の光量が頼りなくなってくる程歩いた先、分かれ道に差し掛かった。

 直進と左折の二方向だ。

 直進は道幅が狭く、街頭が一つだけ数十メートル先に立っており、左右は田んぼに囲われていた。

 左折は少し上がり調子で最近舗装されたであろう新らし目のコンクリートでならされた道だった。

 好みとしては直進だが、左折を選んだ。

 理由としては、直進の街頭に人影が見えたからだ。

 3人組の男女であろう人影が左右に揺れながら直進方向を真っ直ぐ歩いていた。

 大学生が飲み会帰りに和気藹々と歩いているのだろうと想像できた。

 大学生を知らんぷりして直進を選ぶという選択肢も取れるのだが、3人の歩く速度からして途中で抜き去らなければならないことは明白だった。

 その際に絡まれでもしたら溜まったものじゃない。

 なので、仕方なく左折を選ぶことになる。

 それでも歩いたことがない道だ。楽しみなのは変わりはない。

 ただ、進んだ先は広めの新興住宅地であり目に入った看板には色褪せもない綺麗な配色のインクで住宅地の全容が記されていた。

 そこには規則性でもあるかのように敷き詰められた戸建ての家が歪な円形で囲われており、抜けて進めるような道は見当たらなかった。

 淡い期待を抱きつつも住宅地を一周して見るが、そんな期待も泡となり消える。

 どこかやり切れない気持ちを抱えつつも、頭の中には先程の直進の道が浮かんでいた。

 分かれ道まで戻ってみる。

 20分ほどは経っているか。

 街頭の灯りでしか判別できなかったが、流石にそこには大学生の姿は見当たらなかった。

 迷わず直進の道を進むことにした。

 やや下がり気味のテンションも右肩上がりに上昇していく。

 遠目では暗くて視認できなかったが、田んぼの奥には違う景色が見えた。

 左には小さな丘があり、新拓中なのかショベルカーが影で確認することができる。

 右には小さな雑木林があり、大きめの木々が立ち並んでいた。

 先は黒で塗り固められているかのように見る事はできないが、道はその間を抜けるように続いているのだろうと思えた。

 しばらく歩いていると街頭の近くであることに気づいた。

 街頭の先にこちらに向かって歩いてくる人影があることに。

 それが例の3人組だということを確認するのにそこまで時間は要らなかった。

 3人はさっきまでの酔っていかのような左右に揺れながら戯れている様子もなく、3人が3様に前を向き一言も交わす様子もなく歩いているだけだった。こちらに向けて。

 このままだと確実にすれ違うことになるが、3人の様子を見て絡まれる事はなさそうだと安堵する。

 だが、それは3人の姿を街頭の灯りの元ではっきりと視認するまでの僅かな間だけだった。

 今でも鮮明に覚えている。

 大学生だと思っていた3人組は、30代半ばから40代半ばにかけての男2女1の組み合わせだった。

 向かって右側から、背の高い痩せ型の男。ロングのシャツを着ており緑のボーダーが特徴。

 真ん中の男はやや肥満体質。白のシャツに身を包んでおり、背中には黒の鞄を背負っている

 左側の女は、赤のセーターを着ており黒のおかっぱスタイル

 服装や体型、年齢など様相は対して問題ではなかった。

 表情が死んでいる。一目見ただけで関わってはいけないと身体に刻み込まれる。

 街頭の灯りに照らされているため、顔は白く、目は影で窪んでいる様に見える。実際、黒目しかないのかと見間違うほどに生気は感じられなかった。

 確実に接敵する。何か起こった時に対応できるように、スマホにて耳元のイヤホン音量を最大まで下げた。というか切った。

 ここまでワンタッチで音量を操作できることを感謝した事はない。

 イヤホンを取るという選択肢はあったが、この3人組を前に何かアクションを起こすと嫌なことが起こりそうだという予感が働いた。

 必死に何も起こらないことを祈りながら歩く。

 俯きつつも、視界には3人を捕らえている。

 少しずずつ、ゆっくりと3人の横を通る。

 心臓の鼓動が早まる。音量を下げても同じじゃないか•••

 そして何事もなく遠すぎることができた。

 大きなため息とともに心臓の鼓動が収まっていくのがわかる。

 緊張が解けたのか、思考が柔軟になる。

 おかしくないか?

 あることに気づく。

 3人組が、この暗闇の先に進んで、20分で引き返してくる用事って•••何だ?

 そう考えると途端に背筋が凍る感覚に襲われる。

 やめとけばいいのに反射的に振り返ってしまった。

 そこには誰もいなかった。

 すれ違ってから考えに至り、振り返るまでのこの間、5秒もなかったろう。

 周りは田んぼだ。入る建物もないはず。

 居るはずの3人が居ないという状況に心が乱れる。

 理解できない状況に頭がついていかない。

 その場から一刻も早く離れたい。この考えだけは瞬時に浮かんだ。

 前を向いて歩き出す。次第に小走りに、そして走り出す。

 焦燥、不安、恐怖

 負の感情が心を駆け回っている。

 頼りの光量も進めば進むほど自身から遠ざかっていく。

 望むべく人との接触も、望めるはずはないと目先の暗闇が教えてくれる。

 必死に走った。5分以上は走ったろう。

 暗いながらも、小さな丘と雑木林を抜けた。途中川に掛かった小さな橋を走り抜けた気もする。

 気がつけばさっきとは違う住宅街まで抜けていた。

 立ち止まり辺りを見渡す。

 犬の散歩をしている男が脇を抜けていく。

 道にはいくつもの街頭が立てられており、人影も決して多くはないがぽつりぽつりと窺える。

 乱れた呼吸と共に気持ちも落ち着いていく。

 振り返ると、抜けてきた道だけが黒い影に覆われている様に見えた。

 間違えてもあの道だけは通らないように遠回りで家まで帰る。

 夏の終わり、望んでいたわけではないが、最恐の思い出を作ることができた。

 もうあの道だけは散歩コースには選ばないだろう。

まとめ

住宅地を照らす街頭

振り返った時にはもちろん田んぼも確認したが見当たらなかった
左右に揺れている姿は正直くねくねを想像するくらい気持ち悪かった
地元民にあの道のことを聞いても誰の印象にも残っていなかった

 以上で、【怖い話】※実話※「3人組」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】※実話※「筆者が体験した実話6選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので興味がある方は是非ご一読ください。

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