あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな中でも「詐欺の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する詐欺の怖い話は「オレオレ詐欺」です。
夜中に読むのはおすすめしません。
何故なら、眠れなくても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気なるという方は、下記の記事を参照ください。
【怖い話】詐欺の怖い話「オレオレ詐欺」

電話一本だ。
少し下調べをして、電話帳を開く。
そして目星を付けた住所にちょちょっと、電話をかけるだけでいい。
それだけでお金が入ってくる。
罪悪感は無いのかって?
無いよ。
楽しく、簡単に、手早くお金が手に入るんだから。
それに、これだけ注意喚起されている典型的詐欺に、引っかかる方が悪いじゃないか。
罪悪感なんてものはとっくの昔に出掛けたっきり帰ってきやしない。
そして、この世界は弱肉強食なんだ。
騙されるやつが悪いんだよ。
喰うか喰われるか•••
その二択しか無いんだ。
それなら俺は、喰う側に回るね。
迷うことなく。
やられたらやり返される?
知るかよ。そしたらまたやり返せばいい。
罪には罰が!?
知るかよ。バレなきゃ無罪だ。
俺は、俺がやりたいようにやる。
その影で•••何人泣くことになろうとも•••
最後に笑ってるやつが一番偉いんだ。
最初はとあるツテを使って、詐欺集団組織に所属していた。
色々な詐欺を実践していたが、俺が配属された部署の担当は「オレオレ詐欺」。
上から住所や氏名、電話番号が書かれたリストをもらって、手当たり次第に当たっていた。
もちろん、世間的に言えば、犯罪だということは理解している。
だけど、正規の方法で働いて得られる報酬とは比べ物にならないほど稼ぎが良かった。
しかも短期間に、短絡的に。
俺にとっては転職だった。
上からの指示通り動けば、たんまりとお金が手に入るのだから。
でも、今は組織から足を洗って、個人で活動している。
理由は幾つかあるが、一番はかーちゃんがオレオレ詐欺にひっかかってしまったことだ。
もしかしたら俺が所属している組織の誰かが•••
と想像すると腹が立って仕方なかったから。
やられたらやり返される、というが、俺はそんな風に考えなかった。
だってそうだろ?
引っかかるか?普通。
実際、電話をかけて相手を騙している俺が言うのも変な話だけどな。
騙されるやつが悪いんだ。
それに、かーちゃんがやられたんだ。
俺がやり返すのが筋だろう。
だから俺は個人で活動する。
取られた分は、違うやつから取ってやる。
組織にいた時とは違って、自分で情報を集めるっていう手間が入ってはくるが、マージンが取られることがないっていうメリットもある。
やりがいは大きい。
そして今日も今日とて電話をかける。
事前に下調べしていた番号に。
狙い目としては、高齢者の一人暮らしがベストだ。
人間は高齢になるにつれ、判断力が落ちてくる。
それは本人らも理解している。
だから、本当に自分の子どもの声か疑っていても、自分が間違っているかもしれないと思い込みやすい。
そこに付け入る。
もちろん、力技だけで、強く押し込むだけでうまくいくケースもあるが、信じ込ませる努力も必要だ
一番有力になるのは、第三者を匂わせることだ。
実践してみよう。
プルルルル•••ガチャッ
あーごめん、久しぶり。俺なんだけど。
「•••」ほんと、間抜けな声で返答しやがる。
だから、俺だって。自分の息子のことも忘れたのかよ。
「•••」これで信じるんだから楽なもんだ。下調べがここで活きてくる。
実はさ、車で事故起こしちゃって。示談金を払わなきゃ逮捕されるんだ。
「•••」理由はなんだっていい。リアリティを持たせるのが重要だ。
300万円、今日中に払わなきゃいけないらしい。
「•••」どれくらい貯金があるかなんて事前に把握している。こいつも渋ってはいるが、息子のために最後は出すだろうが、念押しは必要か。
今、警察の人がいるから代わるな。
「•••」ここで第三者を繰り出すわけだ。銀行員だったり、場合によって相手役は変える。
◯◯君が起こした事故で、相手に多大な損失が出ています。300万円を•••
「•••」やっぱり第三者が出ると、真実性が増すらしい。さっきまで疑っていた態度が一変してやがる。
今日中にお支払いいただかない場合、刑事事件として処理することになり、逮捕、ということになります。
「•••」本物の警察を呼んだのかって?そんなわけないだろ。声を変えてんだよ。バレるわけがない。だって、実の息子の声も忘れてるんだから。
親父•••頼むよ。今から指定の口座を伝えるから•••
「•••」なんてことだ。いい歳にもなって振り込みの仕方がわからないときた。
なら、この住所に持ってきて欲しい•••
「•••」行き方がわからない?おいおい大丈夫かよ•••いや、大丈夫じゃないか。こんな詐欺に引っかかるんだから。
どこならわかるってんだよ。
「•••」若干、俺もイラついてしまったが、向こうが住所を指定してきた。ヘラヘラしやがって。息子の一大事だってわかってんのかよ。
わかった。俺は相手と話さないといけないことがあるから、そこへは警察の人に行ってもらうよ。警官の格好じゃ目立つから私服で行くらしい。
「•••」二つ返事で信じやがった。ほんと、ちょろいよな。
俺は電話を切り、向こうが指定してきた住所へと向かう。
お金を受け取るために。
そこは大きめの建物の前だった。
一目につきやすいということもあるが、心持ち落ち着かない。
数分後、紙袋を引っ提げてやってきた。
歳の数だけ顔に皺が入ってるんじゃないかと疑うほどの老齢な面立ち、茶色のコートが何故かしっくりきている。
「•••」警察の人か確認してくる。俺は早急に紙袋の中身を渡すよう要求した。
「あーこれね。はい、わかりました。」
「えー、◯時◯分、容疑者確保」•••は?
「これ、欲しかったんでしょ?」紙袋の中身は、手錠だった。
「逮捕状は無いけど、ほら、緊急だから。今請求中ね。」こいつ•••何を言ってんだ•••どうして俺の手に•••手錠を•••
「ごめんね、警察署の前までご足労いただいて」•••こいつ、わかっててここを指定してたのか•••
「いやー、まさか本当に来るなんて。驚いたよ。君、大丈夫?」•••陳腐な煽りで我に返った。
離せ!!
俺は目の前の警察官気取りの老人の手を振り解き、背中を向けて走り出す。
一歩、二歩進んだところで俺は地面を舐めることになった。
華奢に見えていたこの老人は、本当に歳を重ねてきたのかと疑いたくなるような力で俺を地面に擦り付けて離さない。
両腕が手錠でロックされているということもあり、俺は上に跨がる男を払い除けることができなかった。
「ダメじゃないか、罰を犯したんでしょ。償わなきゃね。罪として」
どっかで聞いたことがあるようなセリフを吐き捨てられた。
激しく湧いた怒りは、動けない現状に嫌気が差したのか次第に霧散していく。
おかしい。こんなはずじゃない。
楽に、簡単に、手早く稼げるはずだ。
相手を騙し、籠絡し、蹂躙できるはずなんだ。
喰うか•••喰われるか•••
本当に•••騙されたのは•••
俺?
そうか•••
俺は喰われたのか•••
そして•••俺は•••間違っていなかった。
だってそうだろ•••
今•••最後に笑っているのは•••
俺の上に乗っている、俺を騙したやつだったんだから。
まとめ

今回は、交通事故が理由だが、傷害や、自宅のリフォーム、怪我の治療費と理由は多岐に渡る
第三者を用意して、グループで活動するケースも多い
詐欺の場合は、本人が来ることは絶対ないので、手渡しする場合は注意が必要
以上で、【怖い話】詐欺の怖い話「オレオレ詐欺」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】詐欺の怖い話「厳選5選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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