【怖い話】人形の怖い話「似てない」を紹介※眠れなくても責任取れません

家族3人の人形

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「人形の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する人形の怖い話は「似てない」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照下さい。

目次

【怖い話】人形の怖い話「似てない」

 

作りかけの人形

 不気味に感じていた•••

 人に模して作られたそれを•••

 本物に似せて造られた偽物を•••

 それを本物のように愛でる父親を•••

 そして•••「似ている」と感じてしまう自分も•••

 不気味で仕方なかった。

 「何かがおかしい」「間違っている」「正しくはない」そんな思考だけが先行している。

 異様な空間に、異様な感覚に、異様な状況に、違和感を覚えることだけが当然で当たり前なんだと認識し、安心できた。

 だけど、先行しているだけではダメなんだ。

 潜行させたままでは何も変わらなかった。

 結果と経過を見れば、まるで「自分がそうなることを望んでいるかのように傍観していた」とさえ思えてしまう。

 これが、違和感に身を委ねた物の末路なんだろう•••

 そんなことを考えていた。

 もう、思考を専行させることしかできないのだから•••


 毎日話しかけていた。

 「おはよう、今日もいい天気だね」

 誰もが使う挨拶の常套句のような言葉を投げかける。

 決して返事が来ないことはわかっているだろうに、欠かさず話しかけるお父さんを見るのは、あまり気持ちのいい物じゃなかった。

 書斎の扉はいつも開いていた。

 机の上に置かれた大きなパソコン、部屋を取り囲むように並べられた大量の本棚、全てを一望できるように置かれていた「それ」は、廊下からでも視認することができる。

 だからこそ、お父さんの習性とも思える習慣は、嫌でも目に入ってくる。

 人形が返事なんてするはずないのに•••

 一体の人形は、お母さんに似せて作ったられていた。

 亡くなってしまったお母さんを忘れてしまわないようにと思ったらしい。

 もう一体は、お父さんに似せられていた。

 お母さんが寂しくないように、だって。

 「人形さえあれば思い出せる」そんなことを言いながら、人形以外の写真や小物は、お父さんが捨ててしまった。

 そのせいか、僕はもうすでにお母さんの顔を思い出せない。

 だけど、なんとなく、この人形はお母さんに似てるんだろうな、と肌で感じている。

 じゃないと、お父さんも毎日は話しかけないだろうから•••

 そして、最近、もう一体、人形が追加されていた。

 「これで家族一緒だな」

 そう言いながら飾られている人形は、僕に似せて作られていた。

 あまりの出来事に激しく動揺する。

 似せてはいるけど、似ていない。

 偽物なのに、本物に寄せているそれが、不気味に思えて仕方なかった。

 お父さんに猛抗議をしてみたけど、「受験の合格も祈願している」なんて適当な言い訳を並べて聞く耳を持っていない。

 何か嫌な感じがしたけど、最後は僕が引き下がるしかなかった。

 そして、今日もお父さんは話しかける。

 「おはよう、今日もいい天気だね」

 曇りだろうが、雨が降ってようが、お父さんにとってはいい天気らしい。

 その様子は、好意を抱いている相手にどうにかして話しかけようと模索した後、結局定番の、盛り上がる見込みもない話題を振るしかない初々しい青年を見ているようで、更に不気味に思えた。

 人形に、感情なんてあるはずないのに。

 その日からだった。

 普段はあまり家事をすることがないお父さんが、ゴミを捨てたり、シーツを洗濯するようになったのは。

 そんなに人形が一式揃ったのが嬉しかったのか•••

 「おはよう、今日もいい天気だね」

 聞き慣れたその言葉に、何故か新鮮味を感じた。

 受験の疲れからか、体調を崩しても、以前は顔を見て終わりくらいだったのに、お粥を作ってくれたり、吐物の処理をしてくれたり献身的に看病してくれる。

 不気味、そう思えていたお父さんとの距離が少し近づいた気がしていた。

 胃を悪くしたのか、咳と同時に血のような物が口や手に付着する。

 お父さんは優しく拭き取りながら「大丈夫だよ」と寄り添ってくれた。

 「おはよう、今日もいい天気だね」

 寝室で寝ている僕の耳にも聞こえてくるその初々しいセリフは、心の底から家族を大事にしていることがわかる。

 ここまで献身的なお父さんだ、お母さんは最後まで幸せだったんだろうな•••

 そりゃ寂しくなって人形を作ったりもするか•••いや、寂しくはないのか•••そんなことを考えたりしていた。

 その日の夜•••

 軽い衝撃と、微かな音に目が覚めた。

 ブチ•••ブチ•••••••••ブチ••••••ブチ•••

 寝ぼけているのか、音の正体に気が向くこともなく、意識は朦朧としていてそのまま遠のいていく。

 目が覚めたのは•••

 「おはよう、今日もいい天気だね」

 と大量の本棚が見える空間で、お父さんに話しかけられた時だった。

 お母さんが優しい顔で僕を見つめている。

 お父さんが笑顔で僕に話しかける。

 家族の団欒とも取れるその状況•••

 僕はとても不気味に思えた。

まとめ

手作り人形
point

人形は祈願や想いを込められて作られることが多い
それが時には呪いになることも•••
本物に寄せて作られた偽物に、本物が宿った場合は、それは果たして偽物だろうか。本物だろうか

 以上で、【怖い話】人形の怖い話「似てない」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】人形の怖い話「厳選5選!!」を紹介※眠れなくなっても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください

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