【怖い話】車の怖い話「見てくれない」を紹介※眠れなくても責任取れません

手から見ている

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「車の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する車の怖い話は「見てくれない」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

https://pamyu-pamyu.com/suto4/
目次

【怖い話】車の怖い話「見てくれない」

交差点

 誰も私を見てくれない。

 家族も、友人も、恋人でさえも•••

 私のことを見てくれる人は一人もいないんだ。

 もしかしたら、この人は私を見てくれているのかも知れない•••

 そう思ったことはある。

 だけど、大概それは、相手の気まぐれだったり、私が偽善を押し付けている時だけだった。

 つまり•••みんなが見ているのは•••

 「自分にとって都合の良い私」に過ぎない。

 いつまでも、顔色を窺って生きていくのには辟易していた。

 いい加減、気づいていたんだ。

 「私が私以外を演じることは無理なんだ」って。

 「相手都合で生きていくのには限界があるんだ」って。

 こんなにも•••「心が擦り切れてしまうんだ」って。

 だから、変わることにした。

 相手が、本当の私を見てくれないんなら•••

 「無視できないくらい、私が見てあげればいいんだ」

 その視線に、何が込められていようとも•••


 私の居場所はどこにも無かった。

 居場所は無い、とは言っても、在籍はしている。

 だけど、物凄く居心地が悪い。

 何故なら•••誰も私を見ていないから。

 いや、違うか。見てはいる。

 「都合の良い私」を。

 調子が良い時は、擦り寄るように近づいてきて、それ以外は一定の距離を開けて離れる。

 悪ければ無視なんてこともざらにある。

 まるで、餌を持っている観光客に、頭を垂れながら近づいてくる鹿みたいだ。

 場合によっては大勢で寄ってくるのに、餌が無いと気づけば途端に離れていく。

 気持ちが悪い。

 利己的、と言えばまだ聞こえがいいその行動は、私からすればただの凌辱に過ぎない。

 本当に、嫌らしく、厭わしく、忌々しい。

 今、目の前にいるこの男も一緒だ。

 客として入店して来た、私の財布しか見ていない。

 「私に合うように」なんて名目で、あれやこれやと追加オプションを勧めてくる。

 なんだ、サンルーフって。

 車内が明るくなって写真映えも良いって?

 私が自撮りしてSNSに挙げるタイプに見える?勘違いも甚だしい。

 フロアマットもどうかって?

 周りに付けてる人なんて見たことがない。何なら、会社の社用車にも搭載されていないのに。

 良い人を装って、食い物にしようって魂胆が透けて見える。

 結局、「都合の良い私」しか見ようとしていない。

 私は吐き気がして店を後にする。

 その帰り道、憂に鬱に浸りながらも考える。

 どうして「私」を見てくれないんだろう•••

 信号の赤いランプの示す意味とは裏腹に、思考は加速する。

 私は、誰かの財布じゃないし、使い捨ての駒でもない、ましてや慰み物なんかじゃない。

 誰も彼もが、在っても無いようなフィルターに私を通し、勝手なイメージを脳内に植え付ける。

 そんな「都合の良い私」しか認識しない、しようとしない。

 ディーラーでさえも見下してくるこの世界に、私の居場所なんて無いんだ。

 そう考えると、何かが吹っ切れた。

 そうか•••

 ならいっそのこと、私も一緒になればいいのか。

 信号は鈍く青色に光った。その色彩に反応し身体は動き出す。

 だけど、身体とは裏腹に、思考は真逆の赤色に染まっていった。

 何を悩んでいたんだろう。簡単なことだ。

 相手が求めてくるんだ、私も求めればいい。

 だって、どちらかが損する世界なんて、不公平だよね。

 ほら、憲法の•••14条だっけ?法律が公平を謳ってるんだから、それに則らないとね。

 だから、今まで求められてきた分、まとめて返してもらおう。

 別に良いよね。

 「私にとって都合の良いあなた」になってもらうだけなんだから。

 新しい一歩を踏み出した、そんな気がした。

 顔は自然と前を向く。

 規則正しく並んでいる白線から視線は前方へと映り、視界が広くなる。

 そして、視界の右端に、一台の車が映り込んだ。 

 何故か気になった。

 目を離せない。

 そんな気がした。

 それでも歩き進める。

 だって、信号があるもの•••止まる•••よね。

 車はスピードを緩める様子が無い。

 次第に怖くなる。

 それと同時に、足が、身体が重くなっていくような気がした。

 何かが、何人もが身体に纏わりついているような錯覚すら覚える。

 そして•••

 激しい轟音と共に、私の視界は乱れた。

 何が起こったかも理解できないけど•••

 見えた。

 車と衝突する直前、車内が•••フロントガラスから見えた。

 運転手と・・・目が合わない。

 運転手の視線は・・・私を捉えていない。

 視線の先は•••メーターの横、カーナビに向いていた。

 そうか、この人も私を見てくれないんだ。

 私の人生に干渉するくせに、私のことを見ていない。

 わかったよ。

 私を無視するお前も、財布としか見ていないディーラーも•••

 そのままで居てくれて構わない。

 代わりに•••

 私はずっと見ているから。

まとめ

信号機

信号は守っていても、もしかしたら•••を意識して周りに注意をするべき
相手からどう見えるか、相手にどう見られるか、どう見せるのか•••
どれもこれも、誰も彼も、主観でしかなく、強要できるものでは無い

 以上で、【怖い話】車の怖い話「見てくれない」を紹介※眠れなくなっても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】車の怖い話「厳選4選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次