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【バスの怪談】「まだ早いよ」を紹介※眠れなくても責任取れません

バスに乗っている2人 オカルト

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は聞いたり話したりなど、怪談に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな怪談の中でも「バス」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介するバスの怪談は「まだ早いよ」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

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【バスの怪談】「まだ早いよ」

揺れるバス

 「ほら、早くおいでよー」彼女は間延びした言葉を僕に投げかける。

 これはいつもの登校風景。

 彼女とはそう•••幼馴染?腐れ縁?ってやつ。

 生まれた病院も同じ、血液型や誕生日、幼稚園や今通っている小学校、そしてクラスまで同じときた。

 家も近所だし、親同士も仲が良いから毎朝のように僕を迎えにきて学校まで引っ張っていく•••

 僕はもう少しのんびりしたいのに•••

 「ほら、早くおいでよー」

 僕の数歩前から笑いながら話しかけてくる。

 そんなに急がなくてもという僕の小言もお構いなし。

 「バスの時間遅れちゃうでしょー。もう、いつものんびり屋さんなんだから」

 血液型や誕生日は偶然だけど、家が近かったり同じ幼稚園や小学校に通うには理由があった。

 それは簡単に言えば、田舎だから。

 周りは田んぼしかなくて、夜になるとほんとに灯りが少ない。そんな田舎だから幼稚園や学校はバスを使わないと行けない。

 幼稚園はまだ近くまでバスを出してくれてたけど、小学校はそうはいかないみたい。

 だから近くのバス停まで歩いて行って、小学校の近くで降りてそのまま学校に•••

 と言っても、バスの時間20分前に行くことないのに•••

 「いいのー、一緒に待ってる時間も楽しいでしょー」

 言葉は緩いのにきっちりしている彼女だった。


 「どうせ遅くまでゲームしてたんでしょー。もう、勉強にもそれくらい熱心になったらいいのに」

 お母さんみたいなことを言ってくる。

 授業中に居眠りしてたのがバレたみたいだ。

 いつも早めに起こしてくるのが悪いという僕の言葉はどうやら聞こえてないらしい。

 「ノート、取れてないでしょー。先生言ってたよ。次のテストに出すって。ほら、早く写して居眠りさん」

 いつものやりとり。変わらない風景。退屈な日常。

 「ぼーっとしてないで。先生の話終わったよー。早く帰ろ」

 こうして一日は終わっていく。


 次の日、僕は目を覚ます。

 お母さんや彼女の力を借りずに。

 外を見ればまだ薄暗い。きっと早い時間に目を覚ましたんだと思う。

 何だか身体が重い。思うように身体を動かせない。

 風邪でも引いたのかな。リビングに向かってみる。

 誰もいない。

 お母さんとお父さんは早めに仕事に行ったのかな。そんなことは一度も無かったけど•••

 いつもは決まった時間に迎えに来る彼女もまだ顔を見せない。

 言いようもない不安が胸の奥から滲み出てくる。

 誰かに会いたい•••そう思ったのは初めてかも知れない。

 僕は急いでリュックを背負ってバス停へ走る。

 バス停までの間、ポツリポツリと人はいるけど、眠たいのかみんな下を向いているのが気持ち悪かった。

 街頭の灯りも付いてないし、空は薄暗くて田んぼに立っている案山子が倒れかかっていたこともあって、より不気味に感じた。

 怖かった。不安だった。一生懸命バス停まで走った。もしかしたら•••


 「どうしたのーそんなに慌ててー」

 僕の想いは叶った。

 目から涙が零れ落ちた。きっと走ったせいだろう。

 「もうー泣き虫さんだねー。そんなに泣いてたら心配で行けないよー」

 恥ずかしくて涙を拭う。

 違う、走ってきたから•••そんな言い訳は彼女には通じない。

 何で迎えに来なかったのかを問いただしたかったけど、彼女の顔を見ると涙が止まらなかった。

 「のんびり屋さんで、居眠りさんで、泣き虫さん。これからとっても大変だねー」

 彼女の卑屈も今なら受け流せてしまう。そんなことを考えていたらバスがやってきた。

 いつものように一緒にバスに乗ろうとする。

 「まだ早いよ」

 彼女は笑って言う。

 「君はこれからたくさんいろんなことを経験するんだろうね」

 「たくさん居眠りしてーたくさん泣いてー」

 「のんびりしてからおいでよ」

 「だけど、少し残念」

 「一緒に待ってる時間が1番楽しかったのにね」

 そう言った彼女の目には薄らと涙が浮かんでいたような気がした。

 バスの扉が閉まる。

 僕は涙が止まらなかった。


 気がつくと僕は病院のベットにいた。

 彼女のいる当たり前はそこには無かった。

不気味な案山子

普遍とは普遍にあり続けない
バス停まで向かう最中にいた人は•••
バスの向かう先には安寧が訪れますように

 以上で、【バスの怪談】「まだ早いよ」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【バスの怪談】「厳選4選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるため、興味がある方はぜひご一読ください。

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