【怖い話】人形の怖い話「嫌いだった」を紹介※眠れなくても責任取れません

人形の顔がいっぱい

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。 

 そんな中でも「人形の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介する人形の怖い話は「嫌いだった」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

https://pamyu-pamyu.com/kuruma4/
目次

【怖い話】人形の怖い話「嫌いだった」

モノトーンのキミが悪い人形

 とにかく嫌いだった。

 人形が。

 動物の人形は大丈夫。

 動物の場合は、人形というより、ぬいぐるみかな?

 アニメのキャラクターとかポップな感じの物も許容できる。

 だけど、リアルな、人に寄せた人形は気味が悪くて仕方がない。

 「人の形を模す」と書いて人形なわけなんだけど、それがただただ気持ち悪い。

 「人形には魂が宿る」なんて迷信を聞いたことがあるからか、見られている気がして•••気分が悪い。

 気味が悪くて、気持ち悪くて、気分が悪い。

 本当に最悪だ。

 それでも、大好きな人の前では精一杯隠し通していた。

 だって傷つけたくなかったから•••

 私のことを想って、気遣って、用意してくれたんだ•••

 せめて、目の前だけでも、好きなフリをしないと•••

 そうすれば、私以外傷つかないんだから。

 迷信なんて、所詮迷信。気にするだけ無駄だ。

 そう思っていたんだ。

 この子を見上げるまでは。


 よく、砂場の隅っこで小さいお山を作って遊んでいるような子どもだった。

 誰かと一緒に遊ぶでもなく、一人でおもしろいかどうかもわからないようなことをしている、そんな•••

 正直、楽しい、という感覚は無かったと思う。

 何もすることがないから•••誰とも話したくないから•••そうしていただけだ。

 そして、それは小学校に入ってからも変わらなかった。

 家に帰っては、一人で古びたおままごとセットで遊んでいる。

 その様は、大人からしたら痛々しく思えたのかもしれない•••

 だからか、ある日お姉ちゃんが持ってきたんだ、あの子を。

 笑顔で背の低い私に合わせるように腰を曲げる。

 隠しているようで隠せていない、後ろに回した両手から、一体の人形を突き出してくる。

 「ジャーン」なんてセルフ効果音付きで。

 突き出してきた人形は、ブロンドヘアの少しぽっちゃりとした洋風の人形。

 まつ毛が長く、大きく開いた目には真っ黒な瞳が描かれていた。

 チェックのワンピースでおめかしされたその風貌は、英国の少女を彷彿とする。

 咄嗟のことに私は驚き、お姉ちゃんの後ろに周る。

 背中、というかお尻にしがみついた。

 「どうした?大丈夫だよ」

 お姉ちゃんは優しく話しかける。

 「私が一人で遊んでいることが多いから、一緒遊べる友達を持ってきた」とお姉ちゃんは言う。

 「もっとおままごとが楽しくなるね」だとか「気に入ってくれた?」だとか•••

 色々と話してくれるけど•••どの言葉も私の耳には届かなかった。

 何故なら、それほどに私は動揺していた。焦燥し、恐怖していた。

 人形と、目が合ったのだから。

 お姉ちゃんは怖がる私の手を解き、正面を向く。

 お姉ちゃんが動くたびに、人形も一緒に動く。

 だから、目が合うはずはない•••だけど•••

 どの角度でも交わるその視線に、固まることしかできなかった。

 お姉ちゃんは無情にも、私に抱け、と人形をよこす。

 にじろいでいる私にお構いなしに、私の手を操り人形を抱かせた。

 強く押し付けたお姉ちゃんの手のせいで、人形は私の身体に沈み込むようにフィットする。

 服の上からでも、人形の膝やお腹の感触がわかった。

 沈み込んだ上半身とは裏腹に、首の関節が柔軟なためか、返すように頭部が後屈。

 見上げる形で私を見る。

 咄嗟に視線をずらす。

 この距離では流石に直視できなかった。

 空気を読めていないお姉ちゃんは、人形に向かって•••

 「この子の友達になってあげてね」なんて話し出した。

 私と人形を一緒に抱き込むように包み込んでくれるお姉ちゃんに、優しさを感じはした。

 その気持ちはすごく嬉しい。

 間に挟まっている人形の感触さえ無ければ。

 私はすぐに人形を手放したかった。

 おままごとを一緒にする体で、人形を前に座らせた。

 手放せたことで安心はしたけど、人形が私を見てくる現状は変わらなかった。

 「どう?楽しい?」

 お姉ちゃんは陽気に聞いてくる。

 私は小さく頷く。

 お姉ちゃんの視線は私から離れることはなかった。

 形だけでも•••形だけでも•••

 震える手で人形の腕に手を伸ばす。

 おままごとセットの包丁を手に持たせて•••材料を切るフリをする。

 フライパンも持たせて•••

 いつもはじっくり行う工程を、大胆に飛ばしながら料理を作り上げた。

 ご飯が出来ましたよー、とお姉ちゃんに持って行く。

 満面の笑みで受け取るお姉ちゃん。

 「良かったね」

 私は精一杯の笑顔で応えた。

 お姉ちゃんはその後すぐに自分の家に帰った。

 この子を置いて。

 私は、どこでも見られている気がして怖かった。

 カーテンの後ろに窓の方を向け、こっそり隠したりした。

 いつの間にか机の上や、棚の上に置かれているのを見た時には、勝手に動いたのかと肝を冷やしたりしたけど、両親が気づいて置いただけだった。

 それでも極力、触れないように、見ないように•••見られないように努めた。

 お姉ちゃんが来た日は覗いて•••

 「あの子とは仲良くやってる?」「何して遊んでるの?」

 お姉ちゃん、それは、本当の友達が出来た時に聞くんだよ•••

 だから、お姉ちゃんが来た日は、一緒に遊ぶしか無かった。

 いつもは楽しい時間のはずなのに•••耳の下から苦い何かが口の中に滲み出てくるような•••そんな感覚がした。

 そして、お姉ちゃんはもう一体の人形を持ってきた。

 この子とは違い、髪の毛は同じ色だけど、足先から頭の先までスタイルが良い。

 上は薄いピンクのトップスに、青いジーパンと、カジュアルに着こなしている。

 目も青く、この子とは対照的な風貌に少し毒気が抜かれたりもした。

 「ほら、遊んでみて」

 お姉ちゃんはこっちの気も知らないで言ってきた。

 私は正面に最初の子を、私の横に新しい子を置いておままごとをする。

 新しい子に話しかけてみる。

 「何作ろうか?」「何食べたい?」

 お姉ちゃんはニコニコしながら私を見ている。

 私は、震える手で新しい子に触れる。

 掠れる声で、新しい子に声をかける。

 涙で滲んだ視界を、お姉ちゃんは知らない。

 野菜を切るのもままならない包丁さばきを、お姉ちゃんは知らない。

 新しい子に視線を向ける度に、真っ黒な瞳が私を捉えて離さないことを、お姉ちゃんは知らない。

 その日から、お姉ちゃんはあまり家に来なくなった。

 私が怖がっていることに気づいた、なんてことじゃなくて、どうやらお姉ちゃんに彼氏が出来たらしい。

 彼氏がどんなものかはわからなかったけど、人形と遊ばなくて済むことを考えると、気分が晴れたような気がした。

 私は、学年を追うごとに、少しずつ友達が増えて外で遊ぶことも多くなっていった。

 お姉ちゃんは彼氏と結婚して子どもを授かった。子育てで忙しいのか、滅多に家に来ることは無い。

 少し寂しいけど、仕方ないと自分に言い聞かせる。

 中学に入った頃だろうか。

 棚に置かれた人形に、怖さを感じなくなったのは。

 友達が家に来ることも多くなったのもあるけど•••

 古びた人形をいつまでも飾っているのは恥ずかしい。それだけだった。

 私は、お姉ちゃんからもらった人形を、子どもの頃に片付けていた玩具箱にしまい込む。

 その時に新しい方の子の首に視線が行く。

 接着剤で結合したのか、透明な液体が付着しており、それを隠すように、首元を一周するように亀裂が入っていた。

 壊れても直してくれたのか、と両親の顔が浮かぶ。

 しまう瞬間、古い方の子と目が合ったような気がした。気味が悪い。

 劣化したゴム性の皮膚が、軋む音が気持ち悪かった。

 私は玩具箱の蓋を閉め、押し入れに入れ込んだ。

 舞い上がる埃に咳き込む。気分が悪い。

 本当に最悪だ。

 その日の夜だった。

 不意に目が覚める。

 目を開けると、辺りは暗く、夜中であることは容易に想像できた。

 もう一眠りしようかと、身体をよじろうとする。

 •••動かなかった。

 布団の重量が何倍にもなったのかと思うくらい、重く身体にのしかかる。

 首も動かず、動かせるのは目だけだった。

 初めての経験に身体の芯から冷えていくような、そんな感覚がした。

 怖くて目を瞑る。

 それでも現状は変わらない。

 音が聞こえてきた。

 ギィ•••

 サビで何かが軋んでいるのか•••いや•••

 ギィ•••

 ゴムを擦り合わせているような•••そんな音だった。

 ギィ•••

 音は少しずつ私に近づいてくる。

 ギィ•••

 怖くて目を開けられない。

 ギィ•••

 頭のすぐ上で聞こえる。

 ギィ•••

 まるで、誰かに真上から覗かれているような•••嫌な予感が頭を過ぎる。

 ギィ•••

 音が•••止まった。

 一瞬が、数秒、数分、数時間に感じる。

 大丈夫か•••

 そう思い目を開けた時、視界に入ってきたのは•••

 無表情で私を見下ろす、黒い瞳だった。

 ブロンドの綺麗だった髪は、毛羽立ち所々色が禿げている。

 チェックのワンピースは、袖から毛糸が出ており、ほつれが目立つ。

 そして、左手には、おままごとの包丁が握られていた。

 私は声にならない声を上げながら勢いよく上体を起こす。

 呼吸は乱れ、肩では揺れる。

 額からは気持ち悪い汗が吹き出ており、背中は妙に湿っぽい。

 呼吸を整える。

 胸を撫で下ろしながら、現実のことでは無かったことに心底安堵した。

 ベッドに横になり、大きく深呼吸する。

 ぐちゃぐちゃになった頭の中を整理しながら、目を開けた。

 変わらず、黒い瞳が私を見つめていた。

 包丁を握りしめて。

まとめ

こわこわ人形

人形や物は大事にしていると魂が宿ることがあるらしい
実際に魂が宿り、動くとしたら•••怖すぎる
人形が動く系の映画は、リアル過ぎて逆に親しめない

 以上で、【怖い話】人形の怖い話「嫌いだった」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】人形の怖い話「厳選5選!!」を紹介※眠れなくなっても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次