あなたは怖い話は好きですか?
世の中には数え切れない程の怖い話、俗に言う怪談が溢れています。
そして好むと好まざるとに関わらず、あなたの周りにも漂っているでしょう。
それは筆者である私の周りにも•••
今回紹介する怪談は、筆者が体験した実話「視線」です。
夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【怖い話】※実話※「視線」

中学生の頃、学校から帰った時だったか、サボって昼寝をした後だったか曖昧ではあるが、確か夕陽が落ちる前の出来事だったと思う。
当時は賃貸マンションの3階で家族と暮らしていた。
夕方までは誰も帰って来ないのでその時間帯はテレビを見たり、ゲームをしたり、携帯を覗いてみたりとリビングで過ごすのが日課になっていた。
その日も同じようにリビングで寝転がりのんびりと携帯の画面と睨みっこをしていた。
普段通り、何も変わらないはずだった。
見慣れた風景、手を伸ばせばいつもの位置にリモコンがあり、立ちあがって数歩歩けば蛇口を捻り水を飲むことができる。
日常は傍にあり、変わるはずもなかったのだが、案外非日常も近くにいるものなのかもしれない。
違和感がした。
最初はほんの少し違和感を感じていただけだった。
それが時間が経つにつれ喉に引っかかった小骨のように気になってくる。
身体を起こし辺りを見渡すが、風景は変わらない。変わりようがない。
だが、何かが違う気がする。
憩いの場であるはずの家が、他人の家であるかのように居心地が悪い。
テレビが、棚が、机が、リビング全体が、まるで自分を受け入れていないように感じる。
無機質に回っている換気扇でさえ普段は気になりもしないのに耳障りが悪い。
喉に引っかかっている小骨は取れることがなく尚、主張を続ける。
違和感が大きくなるにつれ、「見られている」という感覚に陥ってくる。
視線を感じていた。
刺すようなものではなく、じっとりと重厚感を感じるような視線。それでありねっとりと纏わりつく様な。
違和感がこの視線だということに気づいたのはそのすぐ後だった。
どこから感じるのか探す必要もないくらいに重くのしかかってくる。
それは、天井の角から見下ろすように視線を送ってきていた。
身体が重い。まるでプールに入っている時に水圧を全身で感じるかのように、夢の中で身体をうまく動かせない状態のように。
高圧的な視線、そして何が起こっているのか理解できない恐怖で指の先まで重く感じていた。
今すぐに逃げ出したかった。
だが、天井から見下ろしてくる「何か」は確実にこちらを見ている。
少しでも動くと「何か」は「何か」をするんじゃないかと危惧していた。
でも、恐怖から逃げ出したいという気持ちが重い身体を動かした。
初めは四つん這いで亀のように鈍足で動いた。それは考えあってのことではなく、怖くてうまく身体を動かせていないだけだった。
次第にホモサピエンスの進化の過程のように、地面から手をはなし、ぎこちなく走り出しリビングの扉まで向かっていた。
声にならない奇声のようなものも発していたかもしれない。
その天井の「何か」は追うように物音を立てていたかもしれない。
あまりの出来事に記憶は定かじゃないが、リビングから出て扉を勢いよく閉めたのははっきり覚えている。
そのまますぐ側の自分の部屋へと逃げ込んだ。その際に振り返り扉を閉めようとしたが、目に入ったリビングの扉からは「何か」の視線を感じたのを覚えている。
それからは誰かが帰ってくるまで自分の部屋で過ごした。その後は、特に視線も感じる事はなく普段通りの日常を送っていた。
後日譚にはなるが、その話を母親にした。
母親は小さい時からそういう類の物をよく見ていたと聞いていたのもあり、話してみたくなった。
どうやら話によると、リビングの窓が所謂霊道になっており、時折男が窓から入ってくることがあるとのこと。
最近ではあまり見なくなったけど、そいつじゃないか•••という内容だった。
他の家族はそういうものを見たり感じたりする事はなく、「何か」に対しても身に覚えがないと言う。
母親曰く、「あんたを産んでからは見る回数も減った。ほとんどあんたに移ったんじゃない?」
とんだものを移してくれたもんだ。
喉の小骨はいつの間にか取れていた。
まとめ

視線の正体は、窓から入ってきた男だったのか
天井から睨め付けてくる男の思考が理解できない
というか、窓際でゴロゴロしてたのだが、跨いで天井まで行ったのか?
以上で、【怖い話】※実話※「視線」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】※実話※「筆者が体験した実話6選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。
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