あなたは怖い話は好きですか。
世の中には数え切れない程の怖い話、俗に言う怪談が溢れています。
そして好むと好まざるとに関わらず、あなたの周りに漂っているでしょう。
それは筆者である私の周りにも•••
今回紹介する怪談は、筆者が体験した実話「インターホン」です。
夜中に読むのはおすすめしません。何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怪談も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【怖い話】※実話※「インターホン」

新生活を始めて浮き足立っていた頃の話だ。
早く一人暮らしをしたい、という念願も叶い就職を機会にワンルームのマンションへ引っ越した。
掃除や洗濯、炊事とか•••まあめんどくさいこともあったけど、それなりに一人暮らしを満喫していた。
借りているマンションも、家賃のわりにはオートロックや宅配ボックスなど設備も整っていて不満は何一つ無かった。
ホームシックなんて物には全くかからなかった。
それほど一人暮らしを楽しんでいたと思う。
好きな時間に寝て、好きな物を食べて、好きな事をする。
最高じゃないか。
誰の指図も受け無い。
うるさい小言を聞か無くてすむ。
誰の目を気にする事は無い。
好きなことをし放題だ。
誰にも縛られる事が無い。
自由に生活できる。その一点だけで一人暮らし万歳とさえ言えた。
順風満帆に一人暮らしを謳歌していた。
だけど•••
あの時だけ、あの一瞬だけ•••
我が儘ながらも願ってしまった。
誰かに居てほしいと。
一人暮らしが楽しすぎて、浮き足立ちまくっていた。
むしろ浮いていたと思う。
もはや飛び立つのでは!?
まで行く寸前だった。
足を引っ張られた。
地面に無理やり足を着かされた。
いや、めり込んだと言っても過言じゃ無かったと思う。
桃源郷へと旅立ちそうな心を現実に引き戻してくれたのは•••
お金だった。
敷金礼金が予想以上に掛かった。
何なら、引っ越しの際に家賃二ヶ月分前払いなんて制度は聞いた事がなかった。
油断してエアコンをつけっぱなしにした日には膨大な電気代がのしかかる。
自炊も案外安く済む事なく、コンビニ弁当の方がお安くつくのでは!?
と疑うほどに首を絞めてくれた。
お給金はお世辞にもそこまで高いとは言えなかった。
常に懐は寒い状態でやりくりしていたと思う。
それでも生活して来れたのは、家賃が安かったからだろう。
7階建て、オートロック付き、宅配ボックスまで完備。エントランスも必要以上に大きく、綺麗な外観をしている。
中でもお気に入りはインターホンだ。
来客を知らせてくれる。しかも映像付きで。
しかもそれは、部屋の前での出来事ではない。
エントランスでオートロックを挟んだ上でのことだ。
これは画期的。
気分によって応対するかどうかを決める事ができるのはもちろん、モニターに映った映像を見て誰かを判断した上で決断できるのがとてもいい。
更に、それは部屋の前に誰かが待ち構えているという圧迫感を感じる事が無く、居留守を使う上で罪悪感がとても軽い。
一人暮らしにおける最大の武器と言えるだろう。
そんな設備も充実したこの物件、なんと家具家電付きだ。
新しく何かを買ったのは•••炊飯器くらいだったと思う。あまり活躍の場は無かったような気もする。
最上階のみ家賃が5000円UPだった。
見栄を張ったわけじゃない。
防犯上高層階の方が•••
なんて考えもあったりはしたと思う。
だけど、一番の理由は•••
虫が来なさそうだったから。
その甲斐があったのか、Gなどの大きめの虫は見る事が無かった。
蚊は飛んできてたけども。
それで家賃は諭吉4人で足りたのだから有り難い。
間取りは小さめだけど、一人暮らしなら十分な広さだろう。
資金繰りに困った、と言っても、休みの日に気にせずDVDを借りる程度には余暇に使う余力はあった。
まあ•••返すのを忘れて延滞金が発生した日には発狂物だったのだけれど。
確かその日も好きなDVDを借りて、夜遅くまで鑑賞していた時だったと思う。
時間に言えば悠に一時は超えていた時分だった。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
来客だ、と考えが過ったのは数秒経ってからだった。
こんな夜中にインターホンが鳴るなんて思いもしない。
何かの誤作動か•••
なんて考えていると•••
ピンポーン
再度インターホンが鳴る。
見ていたDVDを止める。
胸の鼓動が高鳴る。
夜中ながらも眠気は無く、目の前の事象を何とか理解しようと努めている。
ゆっくりと室内に映し出されたインターホンの映像に目をやる。
一人のおばあさんが映っていた。下から睨めつけるように。
嫌にカメラ目線なのが気に掛かる。
まるでカメラ越しに目が合っているようだ。
そして、それ以上に何か違和感を感じた。
もちろん、夜中に訪問する来客に違和感を感じないことの方が難しくはあるが•••
しばらくするとインターホンの映像は消える。
おばあさんは最後までカメラ目線だった。
そのままインターホンの追撃も無く、無事に朝を迎えた。
出勤時、自室を出てエントランスへ向かう。
昨日のおばあさんは何だったのだろう•••
そう考えながら、何気なくエントランスに設置してあるインターホンに視線を向ける。
違和感の正体に気づいた。
部屋から見た映像に映っていたおばあさん。
下から睨めつけるように映っていた。
検証をしたわけじゃない。
体感でしか分からない。
だけど、他の来客者と比べ決定的な違いがある。
それは、異様に低い位置におばあさんは映っていた。
どう足掻いても、大人が下から睨めつけるようにインターホンに映り込むことは難しかった。
身長でいえば、110㎝あるかどうかだ•••
確かに、それくらいの身長の人もいるだろう。
だけど•••
あの時、あの時間に•••
おばあさんが•••110㎝あるかどうかのおばあさんが•••
わざわざ部屋番号を押してカメラ越しに睨め付けてくる•••
そんな事があるだろうか。
我が儘な願いだとは思う。でも、あの瞬間だけは誰かに傍に居てほしかった。
そして、それが、オートロックを挟んだエントランスでの出来事であったことに心からほっとする。
部屋の前だったら生活音で居留守だとバレていただろう。
映像が無くて、違和感を感じなければ応対していたかもしれない•••
一人で自由に生活できることと裏腹に、危機に直面した時に一人で対応しなければならない。
容易に浮くこともできないのだな、と思った瞬間だった。
まとめ

一人暮らしをして、初めてわかる苦労もある
防犯設備は整った場所での生活をお勧めする
一人で生活するということは、あらゆる局面でも一人であることを自覚する必要がある
以上で、【怖い話】※実話※「インターホン」を紹介※眠れなくなっても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】※実話※「筆者が体験した実話7選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。
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