あなたは怖い話は好きですか?
老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。
そんな中でも「山の怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。
今回紹介する山の怖い話は「デート」です。
夜中に読むのはおすすめしません。
何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。
【怖い話】山の怖い話「デート」

仲は良かったんだ。
周りからは、「いつも仲がいいね」だったり、「いつ結婚するの?」って言われるくらいには。
付き合った期間はそんなに長くはないけど、お互い結婚は意識してたんじゃないかな。
少なくても俺は。
側から見て、仲が良さそうだったとしても、実際のところは本人たちにしかわからない。
もし、本当に仲が良かったとしても、ほんの少しヒビが入るだけで簡単に壊れてしまうことだってある。
恋はガラス細工のように繊細なんだから。
そして、大体そのヒビは•••
相手を信じられない疑念から生まれるんだ•••
次はどこに出かける?
そんな話題を投げかけられた。
疑問符が付いてはいるが、大体の場合、こちら側が決めろという意味合いが込められている。
真意を汲み取り、提案したとしても、却下されることも少なくはない。
この無理難題を切り抜けようと試行錯誤し、相手に聞き返すという手段に辿り着いたのなら、それは辞めた方がいい。
何故なら「どこでもいい」と意味がわからないことを言ってくるからだ。
却下するくせに。
結局、相手が満足する結果を突き付けるしかないわけだが•••
今回、見事に引き当てることに成功した。
その場所は、近くの夜景スポットだった。
以前一緒に車で出かけた時に見かけた山•••
彼女の方が「展望台がある。夜景とか綺麗なのかな•••」と言っていたのを覚えていた。
普段からの発言や行為にめざとく注意を向けていると、こういう時に役に立つ。
男性全員に身につけて欲しい処世術だ。
当日、彼女と二人で例の山へと向かった。
ロープウェイか何かは、遠目から見て無いのだろうことは想像していた。
俺はね。
だが、彼女はそうは思っていないらしく、歩く、つまり山を登るという事実を伝えると途端に顔が険しくなる。
それでも、引き返す、っていう選択肢には至らなかった。
もう現地に着いてしまってるからだろう。
「通りで早いと思った•••」
夜景を見る、という計画なのに、陽が落ちる前に到着していたことにようやく気づいたらしい。
「先に言ってくれれば良かったのに•••」
と呟き、渋々と歩き始める。
実は、登山デートを提案したのには理由があった。
それは•••
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
何かが振動しているような音が聞こえた。
発信源は•••どうやら彼女の後ろポケットからだ。
彼女のスマフォが着信をお知らせているのだろう。
マナーモード設定らしい。
すぐに切れる様子も無く、震え続ける。
取らないのか、と彼女に聞くと•••
「別にいい」
と要領を得ない返答が来た。
取ればいいのに、とこちらは気にしないことを伝えると•••
「いいって言ってんじゃん」
と空気がピリつく。
何をそんなにムキになることがあるのか•••
空気が和むことがないまま、歩き続ける。
こんなはずじゃないのに•••
そう、登山を選んだ理由は、ここにあった。
最近、一緒に過ごしている時に彼女がスマフォを触っている時間が増えている気がする。
それだけならいいのだけど、今みたいにマナーモードで、且つ、着信していることが多いからだ。
もしかしたら•••
そう思うと聞かずに居られなかった。
だから、森林浴で心を穏やかにして、歩きながら話せる登山を選んだ。
なのに•••
空気は最悪だった。
お互い、一言も発さないまま登り続けた。
すぐに山頂まで行けるだろうと踏んでいたけど、見積もりも甘く、中腹辺りだろうか、陽は暮れかけている。
スマフォの灯り二つを前に向け、視界を確保して進む。
バックライトを点灯させるまでは気づかなかったけど、目の前に薄く靄がかかっていた。
霧だ。
本来なら、ここら辺で「引き返そうか」なんて話題になったかもしれないが•••
何分口を開く空気では無い。
歩き続けるしかなかった。
険悪な空気のまま歩を進めていると•••
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
聞き覚えのある振動音が聞こえてきた。
そして、二人してスマフォを前に向けていることで、彼女のスマフォが着信を知らせる画面に切り替わっていたことを視認できる。
彼女はすぐにスマフォの震えを止め、ポケットにしまう。
その動作が、所作が、俺の感情を逆撫でる。
感情任せに聞いてしまった。
何で出ないんだ、と。
普段より声は大きく、怒気が混ざっていたのは言うまでもない。
そして、彼女の返答もまた•••
「うるさいな‼︎何よ急に‼︎」
「他にも人がいるんだから、そんなに大きい声出さないでよ‼︎」
「別にいいでしょ!?私の勝手なんだから‼︎」
「そんなんじゃない‼︎」
「違うって言ってるでしょ!?」
「•••女友達よ」
「本当だって。メンタル弱い子で•••依存されちゃって•••」
「本当だって‼︎何で信じてくれないの!?」
「それは•••そうやって疑わせたり、心配させたく無かったから•••」
「何で信じてくれないの!?」
「辞めて•••離してよ•••‼︎」
「もう•••あっ」
揉み合いになり、彼女を突き飛ばしてしまった。
彼女も転けまいと俺の袖を掴む。
二人して体勢を崩し転ける形になった。
地面に身体を打ち付けて、痛がりながらも立ち上がり傷を確認する、そうなるはずだったが•••
そこには無かったんだ。地面が。
陽も落ちていて、二つのスマフォの灯りが頼りだったが、それはすでに一つしか無くなっていた。
更に、口論、揉み合いとなり前方への注意が散漫になっていた。
それは崖にも気づきよう無い。
二人して崖に飛び込んでしまった。
側から見たら、手を繋いだまま仲良く飛び降りているようにも見えたかもしれない。
実際は揉み合いの結果そうなっただけなのだけど。
探し求めていた地面は、とても冷たく、硬かった。
手を繋いでいた彼女は、動く気配がない。
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
ポケットから飛び出したであろうスマフォに、彼女の顔が照らされていた。
着信画面には、女性の名前が表示されている。
•••血の味がした。
物理的にも、精神的にも。
嘔吐の前のように、耳の下•••顎下線から口内にかけて苦い何かが込み上げてくる。
さっきまで言い争いをしていた彼女はもう動かない。
それでも俺の袖を掴んでいるその光景に、涙が止まらなかった。
何で信じてあげられなかったんだろう•••
何で疑ってしまったんだろう•••
何で歩み寄れなかったんだろう•••
仲良く見えていた二人の関係に、ヒビを入れたのは彼女じゃなかった。
スマフォの画面も消え、彼女の顔が見えなくなった。
感覚が少しずつ消えていく。
それでも何故か、袖を掴まれている感覚だけが残っている。
消えいく意識の中で、最後に頭に浮かんだのは•••
疑うようなことしてんじゃねぇよ。
と何とも要領を得ないものだった。
まとめ

夕暮れ、もしくは夜間の登山は危ないので避けるべき
少しでも違和感があれば話し合える関係性が重要か
歩み寄り、は片方だけではなく、双方が持ち合わせないと成立しない
以上で、【怖い話】山の怖い話「デート」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。
他にも、【怖い話】山の怖い話「厳選6選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるので、興味がある方は是非ご一読ください。

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