【怖い話】バスの怖い話「バスガイド」を紹介※眠れなくても責任取れません

バスガイド

 あなたは怖い話は好きですか?

 老若男女、一度は見たり聞いたりなど、怖い話に触れる機会はあるのではないでしょうか。

 そんな中でも「バスの怖い話」は舞台としてはメジャーと言えるでしょう。

 今回紹介するバスの怖い話は「バスガイド」です。

 夜中に読むのはおすすめしません。

 何故なら、眠れなくなっても責任は取れませんから•••

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。

 他の怖い話も気になるという方は、下記の記事を参照ください。

目次

【怖い話】バスの怖い話「バスガイド」

 用事があったんだ。

夜行バスに乗る男

 実家に帰る用事が。

 去年の夏、親父が亡くなった。

 あまりいい思い出はないけど、帰らないとお袋がうるさいからな。

 それに、まぁ•••一周忌くらいは帰ってやろうかとも思える。

 最後は•••会えなかったわけだし•••な。

 新幹線で帰ろうかとも思ったけど、金銭的にあまり余裕はない。

 だから、選択肢は夜行バスに限られていた。

 予約もすんなり取れて、問題なく実家に帰れる段取りを組める。

 あとはバスに乗って、仏壇の前で手を合わせるだけ•••

 涙の一つでも流してやれば、お袋も満足するだろう。

 一夏の、どこか寂しさも残る家族団欒のひと時•••

 そのなるはず•••だったんだ。


 俺は予約していたバスに乗った。

 夜行バスというのは、どういうものかと不安があったが、そこまで大きく予想が外れるようなものでもなかった。

 行楽シーズンということもあり、客数は多く、ほぼ満員のようだ。

 後部席の端に座ることになったが、少しでも揺れると隣の乗客と肩を擦り合わせることになる。

 窮屈なイメージは残念だが的中だ。

 文字通り、肩身が狭い。

 だけど、不思議なもので、走り始めて数十分もすれば、慣れたようで眠気が襲ってきた。

 すでに隣の乗客は船を漕いでいるくらいだ。

 俺もこのまま寝てしまおうかと目を瞑り壁にもたれる。

 何時くらいだろうか。

 遠くの方で、誰かが話している声が聞こえる。

 夢現ながらも、少しずつ頭がはっきりしてきた。

 マイクを通して聞こえてくる音声から、姿は見えないがバスガイドだろうと推測する。

 •••夜行バスに、バスガイドっているんだな。

 周りは興味が無いのか、走行音以外は気配を感じない。

 俺も別に道中に何が見えようがどうでもいいのでもう一度寝ようかと思っていた。

 だけど、バスガイドの一言に少し興味を唆られてしまう。

 「夏と言えば怖い話ですよね」

 客室乗務員やタクシーの運転手、旅館の従業員とか、その手の怖い話には、何故か不思議な魅力を感じる。

 目は瞑りながらも、自然と耳はしっかりとバスガイドの方に傾けていた。

 淡々と話出す。

 「深夜に女の人が歩いていました」

 「すると、誰かがいるような気配を感じたんです」

 「女の人は、直感でその気配は男の人だと気付きました」

 「女の人と男の人は、一定の距離を離さず歩いています」

 「相手の顔は暗くてよく見えませんが、背が高く、細身なのは影を見ればわかります」

 「女の人は緊張していました」

 「歩幅は徐々に広くなり、足早に、そして走り出します」

 「それでも離れることはありません」

 「ですが、気づけば男の人は見えなくなっていました」

 「次の日、同じように夜歩いていると、」

 「男の人の気配を感じました」

 「顔は見えませんが、間違いなく、同じ男の人だと確信しました」

 「女の人は走りました」

 「男の人も気付き、走ります」

 「人気のない道でしたが、少しずつ人通りの多い道へと進んで行きました」

 「交差点を通り過ぎようとした時、歩道の信号は赤を示していたのですが•••」

 「女の人は気づかずに、走り抜けようとします」

 「その時•••」

 ドンッ

 「女の人は走行中の自動車に轢かれしまいました」

 「そのまま助かることはなく、今もどこかで男の人を恨み彷徨っているのだとか•••」

 そこで、バスガイドの話は終わる。

 あまりにもチープな内容だったが、マイクを叩き効果音を演出したのには、思わず身体が反応してしまった。

 正直少し悔しい。

 俺はそのまま目を閉じ、朝を迎えた。

 朝の日差しが眩しい。

 荷物を取り、バスから降りる。

 両手を広げ、呑気に伸びをした時、背後から悪寒を感じた。

 「許さない」

 振り向くと、バスガイドが立っていた。

 顎を引き、黒目がほぼ見えないほどの三白眼が、帽子の影から俺を睨んでいる。

 その様子を、降りてくる他の乗客は気づかないように避けていった。

 直感で分かった。

 あの女だ、と。

 そうか、そうだな。

 顔は、よく見えなかったんだった。

 こんなに恨みを体現した表情は見たことがない。

 俺は、引き攣った表情を隠すように後ろを向き歩き始める。

 油が刺されていない工具のように、ギシギシと錆びた音が聞こえるんじゃないか、そう思うくらい拙い足取りでその場を離れようとしていた。

 その間、背後からは•••

 「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」

 よく言うよ•••

 追ってきたのは、あんたなのに。

 その後、親父に会えたのは仏壇の前じゃなかった。

 そして、仏壇の前で手を合わせ涙を流していたのは、お袋だった。

まとめ

夜行バス
point

夜行バスには、基本バスガイドは同乗していない
バスガイドが語った怖い話には、明確にどちらが追っていたかは明言されていない
男の人は、とばっちりの極みを受けてしまった

 以上で、【怖い話】バスの怖い話「バスガイド」を紹介※眠れなくても責任取れませんを終わります。

 他にも、【怖い話】バスの怖い話「厳選5選!!」を紹介※眠れなくても責任取れませんという記事もあるため、興味がある方はぜひご一読ください。

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